naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

浦安シティオーケストラ創立30周年記念特別演奏会本番終了

24日(日)、創立30周年記念特別演奏会(第52回定期演奏会)が終了した。

 

団員は9:30集合。

 

団員は、いつも、運営上の色々なお役目を割り当てられるが、私は、今回、ソリストの桐榮哲也さんが楽屋として使用される、リハーサル室の担当。

 

ホール到着後、まず、そのリハーサル室へ。桐榮さんが来られたのでご挨拶し、部屋の鍵の取り扱いなどについてお話をした。

 

10時から、最終のステリハ。

 

ラフマニノフR.シュトラウスショスタコーヴィチ5番、祝典序曲の順番で練習した。すべて通したのみで、返し練習は一切なし。これが米津俊広先生の流儀なのだろうか。

 

R.シュトラウスソリストアンドレイ・ジュスト氏(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)は、シンフォニーでは2番のアシスタントとして一緒に演奏して下さる。

 

12:15頃、ステリハ終了。

 

13:00には開場し、間もなくホワイエコンサートが始まるので、出演する団員にとっては、大変慌ただしいことだ。

 

その点、ホワイエコンサートに出演しない私は、のんびりと楽屋で団支給の弁当をいただき、着替えて本番を待つ。

 

ステージ左右、「祝典序曲」のバンダにご注目。ホルン4、トランペット6、トロンボーン3。

f:id:naokichivla:20191125173719j:plain

f:id:naokichivla:20191125173747j:plain

f:id:naokichivla:20191125173826j:plain

f:id:naokichivla:20191125173854j:plain

 

●浦安シティオーケストラ創立30周年記念特別演奏会

 

日 時 2019年11月24日(日) 13:00開場 14:00開演

会 場 浦安市文化会館大ホール

指 揮 米津 俊広

ホルン アンドレイ・ジュスト

ピアノ 桐榮 哲也

管弦楽 浦安シティオーケストラ

曲 目 ショスタコーヴィチ 祝典序曲

    R.シュトラウス ホルン協奏曲第1番変ホ長調

    ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調

    [ソリストアンコール] スクリャービン エチュード嬰ニ短調作品8-12「悲愴」

    ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調

 

今季を振り返ると、練習初期、正式にトップが決まるまでの間の暫定で、トップ席に座った。トップが決まって以後は、台風等不測の事態もあり、練習への出席率は芳しくなかった。加えて、出張等の疲れもあった中での本番なので、充分なコンディションで存分に弾けたとは言いづらい。

 

それでも、弾きながら、「祝典序曲」の華麗なバンダの音を楽しみ、おそらく一期一会となるだろう、アンドレイ・ジュスト氏の美しくかつ完璧なホルンを楽しみ、好きな曲であるラフマニノフを楽しむことができた。

 

しかし、ラフマニノフのこのコンチェルト、ほんとにいい曲だなあ、とつくづく思った。この曲を自分で弾く機会が得られたのは、本当に幸せなことだった。

 

桐榮さんのソリストアンコールは、知らない曲だった。始まった時は、リストかな、という印象だったが、やがて聴く内に、やっぱりラフマニノフっぽいなと思い、プレリュードのどれかだろうか、と勝手に検討をつけた。後刻、桐榮さんご本人に尋ねたところ、スクリャービンエチュード、作品8の12だと教えて下さった。同じロシアものということで選曲されたとのことだった。

(追記:「知らない曲」というのは、実は間違いだった。後で調べたら、この曲は、ホロヴィッツの十八番で、彼の音源を持っていたことがわかった。聴いたことはあったのだった)

 

ショス5の練習過程で、米津先生から、場面によっては、客席に狂気が伝わるような演奏をするようにとの指示をたびたび受けていた。「あの人たち、どこかおかしいんじゃないか」と、怖さや不快な気持ちを感じさせるような音を出し、また視覚的にもそう見えるようにしてくれ、と。例えば、3楽章120小節目からのヴァイオリン、ヴィオラの刻みは、狂ったように弾きなさい、と言われたし、同じ楽章、練習番号90からのコントラバスは、斬首を表現するように、とも。

 

そういう音をめざし、またそういうヴィジュアルをめざして弾いた。客席を凍りつかせることはできただろうか。

 

f:id:naokichivla:20191125174926j:plain

 

創立30周年。1989年創立のこのオケに、私が入団したのは、1995年1月だったので、間もなく丸25年、四半世紀となる。創立時からはいないものの、古手に属する。

 

そんなことで、今回の本番は、ステージで少々昔を回顧することがあった。

 

まず、お客さまの数である。満席とまではいかないものの、それに近いお客さまが来場された。

 

昔は、もっと少なかったよなあ。この3分の2くらい入れば、今日は盛況だった、と思ったものだ。キャパシティは約1,200人のこのホール、500人とか600人とかがアベレージではなかっただろうか。

 

長年の活動を経て、地元のオーケストラとして、認知度が高まってきたということだろうか。そこに今昔の感の一つがあった。

 

それから、これは手前味噌の要素があるので、やや躊躇するものの、オケとしての成長。

 

うちのオケも、昔に比べると、ずいぶんうまくなったよなあ、と感じた。

 

ショス5は、2007年5月以来の再演なので、当時の記憶と、今奏でられている音楽を比べる気持ちになったが、やっぱり12年前の演奏よりは進歩しているのではないか、と思った。

 

例えば3楽章。オーボエの大変見事なソロに始まる練習番号84番あたりのひんやりとした世界は、自分が客席で聴いていたら、結構ぐっときたのではないかと思う。

 

ヴィオラについては、前回も今回も6プルト12人で演奏したが、2007年の時は、団員3人+エキストラ9人だった。その後、団員が増えて層が厚くなり、今回は、団員8人+エキストラ4人。

 

半年間指導して下さった米津先生が、直前の練習で、「ずいぶんよくなった」と言って下さったが、何と言うのか、オケとして一定の手応えのある音楽を客席に届けられているのではないか、というような感覚を持ちながら弾いた。それはもちろん、米津先生、トレーナーの先生方のおかげだ。

 

終演。いつものことだが、大きな拍手が嬉しい。

 

桐榮さんの楽屋の撤収。

 

以前買い求めていた、リストとシューマンのディスク(この日もホワイエで販売していた)を持ってきていたので、サインしていただいた。

f:id:naokichivla:20191125181050j:plain

f:id:naokichivla:20191125181107j:plain

f:id:naokichivla:20191125181122j:plain

 

打ち上げに参加されるエキストラお2人と、打ち上げ会場に移動。まだ、始まるまで時間があったので、別のフロアにある店にゼロ次会をしに行ったら、既に、米津先生、アンドレイ氏、コンミスRちゃん、ヴァイオリンのメンバー数人が飲んでいた。

 

打ち上げでは、米津先生、ソリストお2人、コンミス他のスピーチ。米津先生は、本日の演奏の出来をほめて下さったが、併せて、「課題は永遠にあるものです」とおっしゃった。

 

精進してレベルが上がっても、その先にさらに課題はあるのだ、というふうに受け取った。

 

30年かけてここまで来た我々のオケも、まだまだ課題を乗り越えながら、永遠に努力を続けていかねばならない。10年後、創立40年の時には、どんなオケになっているだろう。その時まで在籍しているかどうかはわからないが、客席でそれを確かめられれば、と思う。

 

それから。初顔合わせの米津先生には大変お世話になった。できることなら、また近い内にご指導いただきたいと切に願う。

 

※本番往路に聴いた音楽

    バッハ ブランデンブルク協奏曲第6番、第1番

       ゲーベル=ベルリン・バロック・ゾリステン

    シューマン 幻想曲

       桐榮哲也