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66歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

コンサート活動、アマオケ活動の出口戦略

昨14日(木)、39県で緊急事態宣言の解除が決まった。

 

私が住む千葉県、勤務する東京都とも、解除の対象にならず、「特定警戒」が継続されるので、当面の間、生活に変化はない。

 

解除が決まった県においては、部分的にでもこれまでの生活が変わっていくのだろう。

 

千葉、東京においても、いずれは解除されるだろうが、その暁の、生活の変化、元に戻る、という方向での変化を想像すると、まずは、会社に普通に通勤し、普通に仕事ができる生活。そして、プライベートの趣味の活動が、元通りにできることを思い描く。

 

ここでは、自分の趣味である、演奏会を聴きに行ったり、自分でオケ活動をしたり、というコンサート活動に話を絞る。

 

プロアマ問わず、もう長いこと、計画されていた演奏会ができなくなっている。

 

チケットを買ってあった演奏会は、軒並み中止となり、払い戻しを受けることとなった(一部はそのまま楽団に寄付したりもした)。

 

また、オケ活動は、2月の津田沼ユニバーサル交響楽団のポピュラーコンサートに参加させていただいたのが、最後の本番。予定していた、5月の松本モーツァルト・オーケストラ、6月のマウントあさま管弦楽団(オーストリア公演)は、いずれも中止(延期)となった。所属オケも、6月の定期演奏会を中止した(個人的には降り番予定だったが)。

 

予定の本番がなくなったこと、また、緊急事態宣言で公的施設が閉鎖されていることなどから、定例の練習もまったく行われていないのが現状である。

 

緊急事態宣言が部分的に解除された今、では、そうした県では、プロアマのコンサート活動がすぐさま再開されるか、というと、簡単ではないように思う。

 

ネットで得た情報だが、3月上旬にアムステルダムのコンセルトヘボウで行われた合唱コンサートの後、合唱団130人のメンバーの内102人が感染し、4人が亡くなるという事態があったのだそうだ。

 

日本国内では、これまでのところ、プロアマとも、何かのコンサートを通じてクラスターが発生したという話は聞かないが、コンサート活動を再開して、そのような事態が発生することは、あってはならないと思う。

 

まず、練習が再開できるかどうかについてだが、オーケストラの練習という行為は、密閉・密集・密接の3密の条件を満たす。ソーシャルディスタンスと呼ばれる、メンバーが、2メートル以上の距離を取りながら行うことは、基本的に不可能である。

 

これもネットで情報を見ていると、ヨーロッパでは、歌うことや楽器の演奏行為が、どの程度飛沫やエアロゾルを生むのかを調べる実験が行われたりしているようだ。ある調査では、プロ歌手が歌った場合には、リスクがあるのは50センチまで。それより離れると空気の動きは確認できなかったとのこと。また、同じ調査では、クラリネット、フルート、ファゴットは、1メートルだそうだ。

 

おそらく、オーケストラが、通常のオーケストラとしての演奏を再開する場合のリスクは、これから色々と調査され、仮説やガイドラインが出されることだろう。我々アマチュアはともかくとして、ビジネスとしてのプロのオーケストラは、国を問わず、できるだけ早く再開したいはずだから。

 

個人的意見だが、アマチュアの場合は、練習の再開に関しては、プロよりも慎重であるべきだと思っている。オーケストラ演奏という行為に伴うリスクが充分に検証されていない状況であれば、練習施設が開放されたからと言って、すぐさま集まって音を出して良いものか、と思うのだ。

 

プロの場合は、生活の糧だから、ある程度のリスクを承知で、ビジネスとして再開する必要があるだろう。これは、オーケストラに限らず、あらゆる業種に言えることだ。

 

しかし、アマチュアは違う。少なくとも、生活のベースである仕事について、元の状態に戻ることが、趣味であるオケ練習再開の大前提ではないかと思う。そして、プロがコンサート活動を再開していることも大きな前提だと考える。プロが、いかなる形で練習を再開させたか、というのは非常に重要な情報だ。

 

その上でさらに、練習を再開するならば、団員の意向を充分に確認することが重要ではないか。練習参加の義務度は、通常よりも緩めた形で始めざるを得ないと思う。不安のある団員が、練習参加しなくても責められることがあってはならない。

 

2011年の震災の時のことを思い出す。あの時、浦安オケでは、練習施設が閉鎖されたことで、即座に練習中止を余儀なくされたものの、やがて施設が使えるようになった時点で再開した。地元在住者で、自宅が被災し、ライフラインに支障がある団員もいたが、そうした団員も含めて、練習は元のように再開された。練習ができなくなった事情や、再開の条件が、言ってみれば単純だったのだ。場所が確保できたから、始められた。それに比べると、今はあまりに問題が複雑過ぎる。

 

練習については以上だが、それ以前の話として、練習の最終目的地である、本番の演奏会が設定できるかどうか、という問題の方がはるかに大きい。

 

早い話、これまで書いてきたのは、演奏する側の問題だが、演奏会が成り立つのは、聴衆あってのことだ。多くの演奏会が中止されているのは、演奏側のリスク以前に、集まる聴衆の安全のためである。

 

この問題は、コンサートのみならず、多くの芸術芸能分野、さらには、野球やサッカーを始めとするスポーツの分野でも、たくさんの議論がなされ、中止あるいは無観客での開催などの事例が既に積み重なっている。

 

またまたネットで得た情報だが、ソーシャルディスタンス時代のコンサートのシミュレーションとして、ボストンのシンフォニーホールの試算を見た。聴衆が6フィート(約1.8メートル)間隔を空けて座るようにすると、入場できる人数は、満席の19%(!)程度に減ってしまうのだそうだ。

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このホールの総キャパは2,625席で、座れる人数は492人になるのだそうだ。

 

これは別のホール。宜野座村文化センターがらまんホールというところだそうだ。前後2メートル間隔で座ってみたらこうなる、という写真。総座席数400席で、60人座ったこの状態が「満席」。こちらは15%の席が埋まる計算だ。

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さらに、最近聞いた情報だが、オーストリアでは、今後、演奏会の再開にあたり、通常より縮小した400人規模の聴衆を想定し、かつ1時間程度の短い演奏会を、入れ替え制で2回行う案が検討されているそうだ。

 

また、今日の朝刊によると、緊急事態宣言解除地域のイベント開催については、屋内の場合は、「100人以下で収容定員の半分以下」が開催可否判断の目安となる旨、政府から各県に通知したそうだ。

  

浦安オケが使っている浦安市文化会館大ホールは、1,188席なので、19%で226人、15%で178人を収容できる計算になる。もちろん、政府の方針に従えば100人以下だ。いずれにせよ、団員の家族に限定しても、入りきれないだろう。知人友人等の常連客は呼べないことになる。もちろん、一般に向けた広報・集客活動は一切できない。

 

このように考えてくると、我々アマチュアとしては、まず、演奏会本番というものの考え方をどうするか、が問題になる。プロのように事業として行うわけではないので、無観客ならぬ無聴衆であっても良い、という考え方もあるだろう。それなら、演奏側のリスクがクリアされれば良いわけだが、一方そうでなく、やはりやるからには、お客さまにたくさん入っていただいて、となると、当分本番はできないことになる。

 

また練習についても、リモートでの合奏を試みるとか、あるいは、集まって練習するにしても、間隔をとれる室内楽や少人数アンサンブルからスタートするということも考えざるを得ないかもしれない。

 

何はともあれ、集まって音を出せれば良いのか、あるいは、やはり何らかの本番を目標とした活動にしたいのか。もし後者なら、「目指す本番」がどういうものであるのか。

 

そうした、様々な議論が必要になると思う。

 

コンサート活動、アマオケ活動の出口戦略は、誠に多難。まだまだ先が見えない。オケ仲間のみんなに会えるのは、いつになるだろうか。

 

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