私がクラシック音楽を聴き始めたのは、1971年、高校1年の時ですが、当時は、マーラーやブルックナーは、まだメジャーではありませんでした。今では、すっかりスタンダードなレパートリーとなりましたが。
なじみが薄い上にどれも長い、マーラーやブルックナーのシンフォニーは、クラシック初心者の私にとっては、挑戦すべき山、といった存在でした。
そんな学生時代、たまたま流していたFM放送で、マーラーの3番のレコード(クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団)を聴き、最後の第6楽章に至って、「こんな美しい音楽があったのか」と、すっかりとりこになりました。
その後、マーラーのシンフォニーは、全部の曲を聴きましたが、この3番が一番好きです。
第1日で書いた、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲、13番、14番、15番では、どれが一番と、決められないのですが、マーラーのシンフォニーについては、3番が不動のベストワンです。
マーラーの音楽の、様々な要素、様々な魅力が、最も余すところなく詰め込まれている曲だと感じるからです。
ハイドン、モーツァルトのシンフォニー全曲ほどの長さを持った、巨大な第1楽章。メルヘン色の第2楽章。ちょっとシニカルな第3楽章。どれも、いかにもマーラーらしい音楽です。
声楽が入る2つの楽章も、マーラーの魅力です。深く沈み込むような第4楽章。一転して、天から光が差し込んできたように、児童合唱が歌う第5楽章。
そして、何と言っても、静かな湖面のように清澄な弦楽合奏で始まる第6楽章。ニ長調であることも、私が特にこの楽章を好む理由です。
私は、自分の葬儀の時には、この第6楽章を流してほしいと思っています。マジで。
これまでに色々なレコードを聴いてきましたが、レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル(ソニーの旧盤)と、クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルが、私にとっての双璧です。
※過去の関連記事