昨1日(火)は、公私の用事があり、午後、日本橋、京橋に行った。
まず、仕事で前の会社を訪問。在職中に手がけた古い案件について、後任者から問い合わせがあったので、当時の事情を説明に行った。
B社(三軒茶屋)を出て、表参道乗り換えで日本橋まで行き、丸善に立ち寄ったが、アポイントの時刻まではまだ少しある。さて、どうやって時間を調整しようか。
とりあえず、丸善前の信号を髙島屋の方に渡った。
その時、そう言えば、この界隈を運行している無料の循環バスがあったな、と思い出した。
髙島屋の前にはそのバスの停留所がある。どういう運行ルートなんだっけ? と思っているところへ、偶然にもそのバスがやってきた。
ちょっとためらったが、乗ってしまうことにした。
在職中は一度も乗る機会がなく、これが初めて。
車内に路線図があったので、それを見ながらバスに揺られた。かつて毎日歩いていたこのエリアを、バスの車窓から眺めるのもなかなか新鮮だ。
日本橋三丁目、目的地である前の会社のすぐ近くを通って、地下鉄宝町駅。
鍛冶橋通りを通って京橋の交差点を右折して中央通りへ。
そのまま乗っていると、外堀通りから永代通りの方まで行ってしまって、目的地からだいぶ遠くなるので、八重洲地下街のバス停で下りた。
ほんの数分のバス旅だったが楽しかった。無料。すべてのバス停に止まるので、車内に押しボタンはない。
東京駅を背に八重洲通りを歩いて、前の会社へ。
昭和通りを渡ったところに、三菱UFJ銀行八重洲通支店があるのだが、前を通りながら見るともなく見ると、「店舗統合ご挨拶」という表示がある。
えっ? と思って読んでみると、来年2月に新富町支店と統合するとのこと。
えー、新富町に行っちゃうんだ。
この銀行には、格別の思い出がある。1978年に入社した時、経理部に配属され、毎日この店舗に通っていたのだ。当時は三菱銀行八重洲通支店と言った。
当時私が仕事で行っていた他の都銀や信託銀行の多くが移転したりする中、40年前と同じ場所にある数少ない店舗だった。
(例えば、中央通り、アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)の隣の戸田建設のビルには、東海銀行八重洲支店と中央信託銀行本店が入っていた。今は建て替えのために取り壊され跡形もない)
そうか。なくなっちゃうんだ。この銀行。
おそらくこのビルが取り壊されるんだろう。昔、八重洲片貝ビルと称していたこのビルが、やがて取り壊しになるような話は、数年前に聞いたことがある。
さみしい。
前の会社での用事が済んだ後は、東京駅に行き、同期のTとYと落ち合っての飲み会。定例会と称して月1回ペースで集まっているこの3人での飲み会も、今年最後だ。
黒塀横丁にあるYEBISU BARへ。
入店時には手指の消毒と検温。
そしていわゆる「マスク会食」をお願いします、と言われた。
私はマスク会食は初めてだ。
飲み物、食べ物を口に運ぶ時、Tはマスクを顎の下にずり下げ、Yと私は、マスクを外して片耳にかけてぶらさげる形。
それにしても、これはめんどくさいし、現実的ではないね。飲むにつけ食べるにつけ、いちいちマスクのつけ外しなどできなくなっていく。
それだったら、テーブル上にアクリル板を置いて、向かい合った者同士が飛沫から保護される形にした方がいいな。
(前日もA社(西新宿)関係の飲み会だったのだが、その店はアクリル板方式だった)
「七福神セット」というメニューを注文。1人ずつ、7種類のビールから1つ、7種類の冷菜から2つ、7種類の温菜から2つを選ぶ方式。1人分ずつの皿に盛られて出てくる。おそらくコロナ禍にあって考案されたメニューだろう。
私の冷菜。たこわさと生ハム。
温菜。グリルチキンとジャーマンポテト。
飛沫が怖いのは確かなので、座った者同士をアクリル板で隔て(できれば縦横)、飲食物は個々に提供するやり方が、当面ベストのあり方なのかもしれない。少なくとも、マスクのつけ外しよりは良いと思う。
ところで、この定例会。以前は3人が同じ会社の中にいた。誘い合って一緒に会社を出て飲みに行っていたものだ。
昨年3月に、私が退職して関係会社に移り、TとYが残った。
そして今年6月、Yが退職して完全リタイアの生活。Tは会社に残っている。
こんな経過で、現時点では3人がそれぞれの環境になっている。そのため、飲んでいての会話も微妙に変わってきたのを感じる。
かつては同じ社内の話題という共通の基盤があったが、今はそれがない。思い思いに近況を述べ尋ね合う中で、そこは大きな変化だ。
昨日は「全然違う話なんだけど」と話題を転換することが何度もあった。核となる、同じ社内の話題があれば、ある程度話の時間がもつのだが、それがなくなったので、割合短い間隔で話題が転ずることになったようだ。
仲の良い仲間での会話はそれでももちろん楽しいのだが、そんな変化を実感した今年最後の定例会だった。