大関朝乃山に6場所出場停止と減俸の処分が下った。
家には日本相撲協会のカレンダーがかけてあるのだが、現在、6月のページはその朝乃山と貴景勝の写真である。
このカレンダーが制作された頃、こんなことになるとは誰も想像しなかっただろう。
実は同じようなことを4月のカレンダーを見た時に思った。
鶴竜は三月場所の途中で引退した。翌月カレンダーをめくったら鶴竜・・・。
(私はプロ野球球団のカレンダーを見たことがないが、野球の場合も、移籍とか引退とかあるから色々困った結果にはなるんだろうな)
関連して5月のページ。
三役から幕内上位の力士で、調べてみると、これは昨年九月場所の番付によっている。
前場所、幕尻優勝で東の筆頭に番付を戻した照ノ富士がいるが、この時点では、彼がこの5月の場所では大関に復帰していて、かつ2場所連続の優勝を果たすとは、まだ予想しづらかったと思う。
悲喜こもごも、こうしてカレンダーを見ていると、複雑な思いにとらわれる。
朝乃山の件について少々。
阿炎の処分よりは重くなると思っていたが、6場所とまでは予想していなかった。幕下下位から三段目あたりまでの陥落になるだろうか。
一部報道で、照ノ富士の例もあるのだから、がんばって復帰してほしいというコメントがあったが、それは違う、と思う。
照ノ富士の場合は、怪我と病気での陥落であり、それを克服して大関に復帰したことに価値がある。朝乃山はまったく別の事情によるものであって、元大関の幕下以下陥落だからと同列に論じるべきではない。
阿炎の時に聞かれた意見で、「力が落ちたわけでない力士が幕下以下で相撲をとるのは、その地位の力士にとっては迷惑」との見方がある。確かにそういう面はあるかもしれない。本場所7番の内、1番は勝ち目のない元大関と対戦しなければならないのだから。めったにできない幕下優勝をねらえる好成績の力士であっても、朝乃山が同様に全勝であれば、番付が離れていても同じ階級であれば対戦させられることになりチャンスを逃す。朝乃山に敗れた力士は、翌場所の番付に響く。
昔から「落ちたところの相撲しかとれない」と言われるが、怪我も病気も力の衰えもない力士が、懲戒処分としての出場停止で番付を落とす事態は、今日的であり例が少ないと思う。
元大関が大銀杏も結えず、付け人もつかない幕下以下で相撲をとる恥辱が懲戒の主旨という面もあろうが、そのことで影響を受ける力士がいることもまた事実のような気がする。