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千葉県少年少女オーケストラとアキラさんの大発見コンサート2021

8月22日(日)、千葉県文化会館で行われた千葉県少年少女オーケストラの演奏会を聴きに行った。

 

千葉県少年少女オーケストラの演奏会は、音楽監督の佐治薫子先生から毎回招待状を頂戴している。

 

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●千葉県少年少女オーケストラとアキラさんの大発見コンサート2021

日 時 2021年8月22日(日) 13:00開場 14:00開演

会 場 千葉県文化会館大ホール

指揮・お話・ピアノ 宮川 彬良

ピアノ 宮川 知子

ハープ 景山 梨乃

管弦楽 千葉県少年少女オーケストラ

 

プログラム冊子から。

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私の席は1階16列20番。

 

ヴィオラは中配置。譜面台はプルトに1台。弦楽器・打楽器奏者は全員マスク着用。

メンバーは圧倒的に女子が多い。

 

オープニングは、宮川彬良作曲「大発見マーチ」。この曲は、「大発見コンサート」のオープニング定番曲のようだ。

 

以後、宮川さんの指揮とMCで進行していく。

 

通常、「大発見コンサート」は、宮川さんのピアノの弾き振りで演奏されるのだが、今回は、「本物のピアニストの音」を聴いていただきたいと思い、専門のピアニストを呼びました、と宮川知子(ちこ)さんを呼び入れた。

知子さんは彬良さんの娘さんである。

 

知子さんとのコンチェルトの形で、クラシックの曲が3曲演奏された。

 

モーツァルトピアノソナタは、K545。オケのイントロから始まり、ピアノのソロが入る。原曲のソナタにオケが伴奏をつけるというような単純なものでなく、さすがのアレンジだった。

ピアノのソロには、グルダのレコードで聴かれるような装飾がついた。

 

リストの「ラ・カンパネラ」、パガニーニの「カプリス」と続く。パガニーニは、ピアノ・コンチェルト形式による変奏曲だったが、ラフマニノフのラプソディとはまったく違う感じの仕上げだった。

 

前半最後は、宮川彬良作品、「風のオリヴァストロ」。映画音楽風の曲だった。センチメンタルな要素があり、休憩後の最初に演奏される「ウナセラディ東京」の雰囲気が先取りして感じられた。

 

20分の休憩。舞台中央のピアノは撤去された。

 

後半、彬良さんは鍵盤ハーモニカを持って登場。これを吹きながらの指揮だった。

 

父、宮川泰の代表作、「ウナセラディ東京」。

彬良さんが鍵盤ハーモニカを吹いている最中は指揮の動作がなくなる。リズム隊がないアレンジなので、オケとしても合わせるのには訓練が必要だろうと思った。

それにしても、オケの子供たちはもちろん、その親たちだって、ザ・ピーナッツのこの曲は知らないかもしれない。音源とか聴かせたりしたんだろうか。

MCによると、彬良さんは、父の作ったこのメロディが昔は大嫌いだったのだそうだ。よさがわかったのは大人になってからで、今では、自分にはとてもこのメロディは作れないと思っているとのこと。

 

後半のメイン曲は、宮川彬良作品、「オーケストラの森」。

 

だいぶ前に書いた曲だが、この曲を認めてくれたのは、千葉県少年少女オーケストラなのだそうだ。

曲のキーワードは「自然」。オーケストラ、またそのメンバーには師匠がいる。師匠にはまた師匠がいて、ずっと遡っていくと「自然」という1人の師匠にたどりつく。

クラシックに限らず、音楽は自然であることが一番の基本であり、不自然は音楽はだめだとおっしゃる。

オーケストラの各パートに、それぞれ表現するものを与えたということで、パートごとにそれを演奏させた。「ピーターと狼」を思い出した。

フルートは小動物、オーボエクラリネットは鳥、ファゴットは水辺の動物。

弦楽器はそれらを取り囲む木々。コントラバスが根っこ、チェロが幹、ヴィオラが枝で、ヴァイオリンが葉。

金管、打楽器で雷や嵐を表現。

雨が大地を潤して、命が循環していく自然を描いた、「命の交響曲」とのことだ。

 

聴きごたえのある曲だった。取り出して紹介された個々のパートの音楽が次々に出てくる。嵐の場面ではウインドマシーンも使われた。

 

(千葉テレビの収録が入っており、29日(日)、30日(月)に放映されるとのことだったので、特にこの曲については、録画して観るのを楽しみにしていたのだが、うっかり忘れてしまった)

 

本編最後は、「大脱走のマーチ」。彬良さんによると、このオケがこの曲に新しい命を吹き込んでくれたのだそうだ。

軽快な演奏の後、曲の終わりではオケ全員が一斉に起立するパフォーマンス。

 

上手から佐治先生が登場し、彬良さんとトーク

昨2020年は新型コロナウイルスの影響で定期演奏会が中止となり、3月から6月までは練習もできなかったとのこと。

7月から再開し、9月には入団式も行ったが、以後の練習は学年で少人数に分けて行うなど、従前とは異なる苦心があったそうだ。

今回の演奏会には約160人の団員中約80人が乗ったとのこと。控えメンバーがアンコール曲で出てくるのがこのオケの常だが、今はそれもできない。

佐治先生のお話では、少年少女オーケストラは、宮川泰氏の指揮による演奏会も行っており、彬良さんの指揮での演奏会は今回で22回目。知子さんの参加で親子三代の演奏となったとのこと。

 

この間、下手花道に置かれていたピアノが再度舞台中央に戻り、知子さんが登場、最後の最後に、彬良さんもピアノの前に座り、連弾の形でのアンコール曲演奏となった。

 

曲は、この日の演奏会のために書かれた「千葉県民へのプレゼントです」と、ペリー&キングスレイの「バロック・ホウダウン」

ディズニーランドのエレクトリカル・パレードの音楽だった。

オケ全員が頭にミッキーやミニーの飾りをつけての演奏。

 

今回も楽しい演奏会だった。

 

浦安シティオーケストラ、浦安ユースオーケストラは、緊急事態宣言下で練習が行えない状況にある。ご縁のある津田沼ユニバーサル交響楽団も9月の定期演奏会を中止されたと聞く。

そうした中、総団員の半分の出演とは言え、ちゃんとした規模の演奏会が実現できたことを喜ばしく思った。

 

※過去の関連記事

    佐治薫子先生に初めてお目にかかる
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/66212594

    日本経済新聞文化欄に佐治薫子先生の投稿記事
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/66238712

 

※千葉県少年少女オーケストラWebサイト

    https://www.cbs.or.jp/zaidan/orchestra/index.html