2月21日(月)、東京オペラシティコンサートホールへ、NHK交響楽団の演奏会を聴きに行った。諏訪内晶子さんが芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON2022」の一環である。
●国際音楽祭NIPPON2022 尾高忠明指揮 NHK交響楽団 諏訪内晶子(ヴァイオリン)
日 時 2022年2月21日(月) 18:00開場 19:00開演
会 場 東京オペラシティコンサートホール
指 揮 尾高忠明
ヴァイオリン 諏訪内晶子
管弦楽 NHK交響楽団
曲 目 シベリウス 「ペレアスとメリザンド」組曲
デュティユー ヴァイオリンと管弦楽のための夜想曲「同じ和音の上で」
ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調
諏訪内芸術監督がソリストとして、デュティユーとブラームスを演奏するこの演奏会は、昨年5月10日(月)にサントリーホールで行われるはずだったのだが、新型コロナウイルスのために中止された。私もチケットを買い求めていたが、一旦払い戻しとなった。その後、会場を変更して延期公演が行われることになり、無事に再度のチケットを買うことができた。第6波の動向が懸念される中、もう中止にならないでくれ、ならないでくれ、と願いつつ、無事に当日を迎えることができた次第。ここ最近は、演奏会が中止になるのは外国からの出演者が来日不可能になった場合が多い。中止せずに日本人の演奏家に交代して開催するケースもある。
昨年のフライヤーと今年のフライヤー。
諏訪内さんのデュティユーは、昨年4月、サントリーホールで、カーチュン・ウォン指揮読売日本交響楽団とのヴァイオリン協奏曲「夢の樹」を聴いている。
私の席は、2階C2列13番。中央のほぼど真ん中の席だった。2日前に同じ2階のL列の最前列に座ったら、目の前の手すりが邪魔だったが、やはり中央の方がいい。
プログラム冊子から。
オケは12型。
最初のシベリウスは、実演でじっくり聴くのは初めて。8曲からなる組曲だが、どれも短い曲。緩急のバラエティがあり、楽しく、味わいもある。コールアングレの活躍が目立った。最後の曲がとりわけ美しかった。
次のデュティユーは、譜面台を置いての演奏。ブラームスは当然暗譜だった。
武満徹を思わせるような響き。ソロがとてもよく聞こえた。2日前、宮田大さんの吉松(隆)コンチェルトではしばしばソロがオケに消されたが、諏訪内さんのヴァイオリンは、ピツィカートであっても、ちゃんと届いてきた。座った席の違いだろうか。
休憩後は一番お目当てのブラームスは14型。セカンドヴァイオリンに、いつも浦安オケでご指導いただいている横山俊朗先生の姿が見えた。
圧倒的なヴァイオリンだった。宝物のような時間を過ごさせてもらった。それにしても諏訪内さんの音はよく聞こえてくる。PAを使っているのかと思うくらいだった。なかなか実演のヴァイオリン・コンチェルトでこういう音は聴けない。
2楽章から3楽章はアタッカ。
3楽章が進むにつれ、まだ終わってほしくない、終わらないで! と願う気持ちだった。
諏訪内さんのコンチェルトでは、もうずいぶん前、市川で聴いたシベリウスが圧巻だったが、このブラームスはそれ以上だった。
それにしても、ブラームスのこのコンチェルトは、本当に聴きごたえのあるいい曲だと思う。
過去に浦安オケ(横山先生のソロだった)他で都合3回弾いているが、弾いての充実感も大きい。もう一度これを弾く機会がないだろうか。
カーテンコールに応えて、指揮者、ソリストがマスクをして登場。諏訪内さんは楽器を持っておらず、少し2人でのトークがあった。そもそもこのコンサートは2020年5月が最初の企画で、それが昨年5月、今回と2回中止延期になったらしい。
アンコールはなく、諏訪内さんの「お気をつけてお帰り下さい」の言葉でお開きとなった。
間違いなく、2022年に聴いた演奏会ナンバーワン候補だ。