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𠮷野家常務の発言の不適切さ

今日の報道を騒がせた、𠮷野家常務(その後解任)の不適切発言問題。

 

報じられているところによると、概要は以下。

 

早稲田大学主催「デジタル時代のマーケティング総合講座」の初回講義における発言。

・発言内容は、「不適切な表現で不愉快な思いをする方がいたら申し訳ない」と前置きした上で、若者を牛丼好きにするための戦略について「地方から出てきた生娘さんが、初めて𠮷野家を利用して、そのままシャブ漬けになるような企画」と表現したもの。

 

報道をざっと見たところ、この発言の不適切さは、主としてジェンダー、女性蔑視の観点から論じられているようだが、私としては、それに加えて「シャブ」の方に衝撃を受けた。

 

「シャブ」、つまり覚醒剤は、犯罪に関わる用語であり、反社の世界に属する。そのような言葉を、この常務は、大学の講義という公の場で持ち出した。例えば犯罪に関する講演などであれば、覚醒剤の通称としての「シャブ」を用いることに必然性もあろうが、本件は違う。

 

本人にしてみれば、講義趣旨を伝えるための物の喩えだったという認識なのだろうが、誰知らぬ者のない、𠮷野家のメイン商品、牛丼の販売戦略を語るにあたって、犯罪の世界の用語を引き合いに出すのは、言い訳的な前置きをした上であっても、いくら何でも非常識きわまりないと言う他はない。

他の喩えようはいくらでもあるわけで、「シャブ」を避けることはたやすい。にも拘わらず、当然事前準備もするであろう大学の講義において、そんな物の言い方がされたのだから、本人の意識を疑わざるを得ない。

 

一番思うのは、当の𠮷野家で真面目に働いている皆さんが、どれほどの怒り、悲しい思いを抱いただろう、ということだ。その点だけで、𠮷野家の役員たる資格はない。

 

たぶん、この手の話は、日頃社内でしていたんだろうな、と想像がつく。

それを、社外の講義でしゃべったところに、救いようがない愚かさがある。

 

(ところで、𠮷野家の発表によると、臨時取締役会で当該常務の解任決議を行ったとされていが、取締役の解任は株主総会の決議を要するようだ。正確には解任でなく諭旨解雇のようなものなのだろうか)