naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

Off Course Classics Concert 2022・6・30 -in Budokan- <3>

18:30、開演。

 

バンドのみのインストで「愛の中へ」が演奏された。オケは加わらず。
あのツアーで冒頭に演奏された、インストの「心はなれて」はやらないのか? と思った。

聴きながら、あの時の真っ白なステージ(メンバー背後の機器が白く塗られた)を思い出した。

 

バンドの演奏が終わったところで、正面のビジョンに、40年前の映像ソフト冒頭の、武道館に近づいていく空撮シーンが映し出され、「NEXTのテーマ-僕らがいた-」が場内に流れる。当時の小田さん、オフコースの歌声だ。おおっ、そうきたか。
映像の最後に、「Off Course Classics Concert 2022・6・30 -in Budokan-」の文字がかぶせられた。

 

続いて、さっき、やらないの? と思った「心はなれて」のインスト。オケの生演奏ではなく、アルバム「over」1曲目の音だ。依然映像ソフトそのままの進行である。

 

曲が終わると服部隆之氏が登場し、「メインストリートをつっ走れ」がスタートした。
歌は佐藤竹善

 

次の「君を待つ渚」は、さかいゆうがメインで歌い、佐藤竹善が部分的にコーラスでサポート。
オフコースのカバーの場合、別部隊のコーラスを置いた方が絶対いいよなあ、と思った。

 

歌手は、基本的に下手から登場し、歌い終わると上手にはけていく形。

 

次の2曲はインストで。

オフコースそのもののパフォーマンスではないにせよ、この武道館にいてここまでの流れに接すると、やはりぐっとくるものがある。
今回の客席には40年前の武道館を体験した人が少なくないだろう。あれから今日に至るまで、毎年6月30日には映像ソフトを観ているという人もいるだろう。
そうした「思いのある人」にとっては、やはりこの武道館の空間でのこのコンサートには、響くものがあると思う。

(金原(千恵子)さんは、武道館最終日に客席にいたのだそうだ。東京音楽大学の付属高校在学中だったという。客席から観ていた「オフコース小田和正」と、後年同じステージでツアーをすることになるとは、さすがに想像していなかっただろう)

 ↓ こちらは今回のツアーの写真

 

次の曲が何かわかっている、というのは何か安心感みたいなものがある。

 

稲垣潤一「夜はふたりで」。NOKKO「さよなら」。インストで「僕のいいたいこと」。

 

辛島美登里が歌った「心はなれて」は、ステージでは小田さんの弾き語りだったが、アルバムのオリジナルに近いアレンジ。ハープも入った。

 

ここまでは、40年前のオフコースがそうだったように、ひたすら演奏が続いてきた。
さあ、「言葉にできない」だ、と思ったところで、服部氏が指揮台を下りてMC。えー、ここで? と思った。
「Off Course Classics Concert」には初登場のCHEMISTRYとの短いトークだった。若干気分がそがれたところあり。

 

「言葉にできない」では、もしかして、あのひまわりの映像が出るのかな、と少し前から思っていたが、やっぱり出た。「We are」「over」「Thank You」の文字は出なかったが。
映像ソフトで数えきれないくらい観たこのひまわりだが、思ってみればこの武道館の場で観るのは40年ぶりだ。ちょっとぐっとくるものがあった。

 

中川晃教の歌で、「一億の夜を越えて」「のがすなチャンスを」が続けて歌われた。「のがすな・・・」は、バンドとしてのあの時のアレンジではなく、「この道をゆけば」のアレンジに近いものだった。またこの曲ではレーザー光線が場内を駆けめぐったが、40年前はこんなもんじゃない、もっと派手な演出だったよな、と思った。

 

ソン・シギョンの「Yes-No」ではコーラスがかぶせられた。ステージにコーラスはいないので、録音だろう。

 

NOKKOの「愛を止めないで」は、アルバム「Off Course Classics」と同じ、シャッフルのジャズ風アレンジ(アルバムではさかいゆうが歌っている)。

 

そして、40年前、本編最後に歌われた「I LOVE YOU」で、Ms.OOJAが登場。ここで出てくれたか。
Ms.OOJAという人の存在は不明にして知らずにいたが、昨年9月に行った「横浜合同演奏会2021」に出演して歌ったのを聴いて、そのすばらしいヴォーカルに魅せられてしまった。
彼女はその後、12月の大阪での「Off Course Classics Concert」にも出演したので、出会って9ヶ月にして生歌を聴くのはもう3回目である。
(ちなみに、「Off Course Classics Concert」に、2019年から毎年出演しているのは、さかいゆう佐藤竹善ソン・シギョン、MS.OOJA。4人ともアルバム「Off Course Classics」で歌っている)
この「I LOVE YOU」も、「心はなれて」同様、ステージでは小田さんの弾き語りだったが、この日はオリジナルに近いアレンジ。
やはりMs.OOJAのヴォーカルはいいなあ、と思いながら聴いた。

 

さてこれであの日のセットリストはアンコールを除いて終了。
あとは、あの伝説の「YES-YES-YES」を全員で歌って終わりかな、と想像していたのだが、服部氏が舞台からはけると、「ここで15分間の休憩です」のアナウンス。

 

えっ? 2部構成なの?
時計を見ると19:38。フルコーラス歌われなかった曲もあるし、インストで終わった曲もあるので、あのセットリストが1時間少しで終わってしまったのだった。
そうか、後半があるのか。

 

休憩時には、モーツァルトの39番のシンフォニーが流れていた。開演前の協奏交響曲もこれもEsdurの曲。意識的に揃えたのか?

 

ビジョンに、「第2部では2019年のアルバムを中心に、ふだんのオフコース・クラシック・コンサートをお届けします」という趣旨のメッセージが出た。
第1部は、40年後の6月30日ならではの特別企画、第2部はいつものコンサート、というコンセプトのようだ。

 

19:52、オケチューニング。
19:53、第2部開演。

 

最初は、西村貴行のテナーサックスで、「愛の唄」。

 

中川晃教さかいゆうで「いくつもの星の下で」。稲垣潤一の「時に愛は」。

 

小田ナンバーあるいは鈴木ナンバーが、それぞれの歌手の個性に染め上げられる。そういうコンサートであることは承知しつつも、自分個人のオフコース観というのはあるので、納得して受け入れられる歌もあれば、これはちょっと、と思う歌もある。
中には、個性というよりは、リハーサルが足りないのかも、と感じる歌もあったが、これはあくまで私感である。
そうした中、この日の出演者でいいなあ、と思ったのは、まずMS.OOJA、そして、さかいゆうだった。

 

バロック風のアレンジで「でももう花はいらない」がインストで演奏された。

 

辛島美登里矢井田瞳のコンビで「秋の気配」。

 

佐藤竹善が「生まれ来る子供たちのために」を歌った。佐藤竹善はかつてこの曲を自身のシングルとしてリリースしている(小田さんがプロデュース)。それだけでなく、アルバム「Off Course Classics」でもこの曲を歌っている。服部氏のアレンジは、間奏部分にモーツァルトクラリネット・コンチェルトの2楽章を挿入している。

 

矢井田瞳が「愛の中へ」を歌ったところで、この日2回目のMC。3年ぶりの来日というソン・シギョンと服部氏のトークだった。
歌われたのは「君住む街へ」。ソン・シギョンのこの曲もアルバム「Off Course Classics」に収録されている。

 

CHEMISTRYが歌った「眠れぬ夜」は、キーがCdurに設定されていた。この2人ならオリジナルキーで歌えるはずだが、何故なんだろう。本人たちも低くて歌いにくそうだったように思えた。

 

そして、6月30日の武道館でははずせない「YES-YES-YES」。第2部でまだ出てきていないMs.OOJAが歌ってくれたらと思っていたのだが、その通りになった。もっとも、彼女はアルバム「Off Course Classics」でこの曲を歌っているので、当然と言えば当然。


この時、20:41。40年前、この空間にこの曲が流れたのは今頃だっただろうか、などと思った。

 

袖から他の歌手が次々に現れて参加、全員での歌唱となった。
そして、曲の途中で、客電がついて場内がパッと明るくなった瞬間、わー、と思った。あのツアー、本編最後の「I LOVE YOU」の弾き語りが終わって、小田さんが「どうもありがとう」と言った瞬間に、客電がついて、「I LOVE YOU」の音源が流れ出したあの時を思い出した。
40年前の今日、「YES-YES-YES」の大合唱になった時も、きっとこういう明るさの中だったんだろう。歌手全員の歌を聴きながら、私も一緒に小さく歌い、手拍子をした。

 

曲が終わると、映像ソフトで「YES-YES-YES」の場内合唱シーンの後に映し出される、赤いカーネーションの花が乗ったキーボードがビジョンに出た。以後、映像ソフトのエンディングまでが映し出された。「NEXTのテーマ」のインスト版がかぶる。このインスト版の最後には小田さんの歌声も入る。
この「Off Course Classics Concert 2022・6・30 -in Budokan-」の最後を、小田さんその人の声でしめくくりたいという演出意図と理解した。

 

当然にアンコールはなし。

20:49、終演。

 

来てよかった。そう思いながら武道館を後にした。

 

※ネット上でこのコンサートの「オフィシャルレポート」というのを見つけたので引用する。オフィシャルという割には、「眠れる夜」という誤記があるけど(笑)。

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