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69歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

どう考えたらいいのか日本シリーズ

ベイスターズ日本シリーズ第6戦を11-2で大勝。4勝2敗でホークスを下して「日本一」になった。

 

「公式戦3位チームの日本一」は、2010年のマリーンズ以来。

 

ベイスターズにとっては、1998年以来26年ぶりの日本一。ただ、前回はセ・リーグ優勝チームとしての日本シリーズ制覇だった。

14年ぶりの3位チームの下克上が称えられているが、やはり私としては、これってどうよ、と言いたい。

(予め申し上げておくが、リーグ優勝しながら日本シリーズ進出を逃したジャイアンツのファンであることが根底にあることは認める)

 

ベイスターズが称えられているのは、リーグ2位のタイガース、優勝のジャイアンツをことごとく下しての日本シリーズであることに加え、今季パ・リーグを圧倒的な独走で優勝したホークスをも破ったところにあると思う。

そして、まさにその点に、これってどうよ、と釈然としない思いの理由がある。

 

今季の公式戦成績。

 

稀に見る混戦だったセ・リーグは、それでもジャイアンツが貯金18で優勝。

3位のベイスターズは8ゲーム差をつけられており、貯金はわずかに2だ。

そもそも、8月まではBクラスにいたわけで、カープの歴史的失速がなかったら、クライマックスシリーズに手が届くこともなかったチームだ。

 

一方、パ・リーグは対照的にシーズン当初からホークスが独走。

勝率.650、貯金42は驚異的と言う他はない。

ジャイアンツファンとしては、2019年、2020年と日本シリーズで戦い、2年連続で0勝4敗と完膚なきまでにやられたトラウマがある。

混戦を抜けて首位に立ち、優勝をうかがえるようになってからは、4年ぶりにホークスと戦うことを思い浮かべ、苦労の末に優勝した今季、めったにない独走で優勝したホークスに果たして歯が立つのだろうか、と危惧したものだった。

 

ところがところが、ベイスターズがファーストステージでタイガースに2連勝して勝ち進んだのに驚いていたら、我がジャイアンツもファイナルステージはまさかのいきなり3連敗。

レギュラーシーズン、このカードは、ジャイアンツが16勝8敗1分と圧倒していたのに、である。

その後2連勝して、アドヴァンテージ1勝を含めて逆王手をかけ、これは何とか3連勝できるかな、と期待したのも空しく、第6戦で敗れ、2位チーム、優勝チームとも討ち死にしてベイスターズ日本シリーズに進出した。してしまった。

 

こういう場合、私としては、ベイスターズ日本シリーズを制してほしいとは露ほども思わない。

ジャイアンツが出たとしても、直前2回スイープされたホークスに、一体何勝できるものか、と思っていたのだ。

ここは、ホークスがベイスターズにコテンパンにやられて、こりゃまた失礼しました、となることを願うのみだった。

 

ベイスターズとホークスの今季の交流戦対戦はベイスターズの1勝2敗。横浜スタジアムで、である。

その横浜での初戦と第2戦は、私の期待通りホークスが勝った。初戦はホークスが5-0とリード。ほら見ろ、やっぱり勝負にならないんだよ、こうでなくちゃ、と思っていたら、9回裏にベイスターズが3点を返した。どうしたホークス、画竜点睛を欠くじゃないか、ここは大差の完封でなければ、などと思ったものだった。

第2戦も6-0からベイスターズが3点を返す、同じような展開。ホークス、しょうがないなあ、と思った。

でもまあ、次の3試合は本拠地に戻って、さらに有利だろうから、これは4勝0敗も充分ありうるぞ、と期待した。

 

しかし、その福岡でベイスターズが3連勝、ホームのホークスが1勝もできないとはまったく予想外だった。

しかも、第3戦の2回から第5戦まで26イニング連続無得点、第4戦、第5戦と2試合連続の完封負けとは、私の期待を根底から覆す結果だった。

 

ここまで、5試合ともビジターチームが全勝する経過だったところに、かすかな期待を持っていたが、横浜に戻っての第6戦は、初めてホームチームが勝利、それも11-2という大勝。

もはや、あんまりじゃないか、ベイスターズという思いしかない。

 

癪なので、この日本シリーズは最初からあまりちゃんと観ていない。

報道されているところでは、ベイスターズの打線も投手陣も、このシリーズではすばらしかったようだ。そして、一方のホークスは、圧倒的なリーグ覇者にも拘わらず、打線も投手陣も力を発揮できなかったようだ。

そして、それは戦前の予想(ジャイアンツファンとしての私の感情じゃなくてね)を大きく覆すものだったのではないか。

 

これってどうよ、と感じるのは、混戦を抜け出して制したジャイアンツ、圧倒的独走で覇者となったホークスが、それぞれ6試合、2勝4敗で敗退した事実を、「レギュラーシーズンの優勝争いって何だったんだ」と嘆息せずにいられないからだ。

今回に限らず、クライマックスシリーズ日本シリーズは短期決戦であり、短期決戦には短期決戦の怖さがある、と毎年言われる。

そういう面はあるだろう、と思う。しかし、今回ばかりはこれでいいのか? と思うのだ。

 

3位からの日本一は、確かにストーリーとしては面白い。14年前のマリーンズもそうだった。

しかし、何と言っても土壇場までBクラスにいて、最終的にも貯金2つしかできなかったチームなのだ。

 

しかし、ポストシーズンの成績はめざましい。

   ファーストステージ ○○    2勝0敗

   ファイナルステージ ○○○●●○ 4勝2敗

   日本シリーズ    ●●○○○○ 4勝2敗 合計10勝4敗

 

歴代日本一チームの中で、最少貯金、最低勝率。

貯金格差40をはね返しての日本一も史上初。

 

リーグ優勝の値打ちというものが、ジャイアンツもホークスも吹っ飛ばされてしまった感がある。

日本シリーズを経ての「日本一」をどう考えたらいいのだろう。

 

ベイスターズの短期決戦での神がかり的な力の発揮を否定するものではない。ファイナルステージを観ていて、我がジャイアンツの選手たちのプレーよりもベイスターズの方が力強く、怖さを感じさせられたのは事実だ。

この日本シリーズで、本拠地横浜では交流戦と同じ1勝2敗だったわけだが、敵地福岡での3連勝、4-1、5-0、7-0に、今回のベイスターズの神がかりがあったと言えるのだろう。

(思えばジャイアンツとのファイナルステージは、どの試合もロースコア、ベイスターズは貧打の印象があった。それが日本シリーズに入って豹変した感じだ)

そこは認めざるを得ないのだが、短期決戦の怖さ、でかたづけていいのか、とも思うわけだ。

半年余りのペナントレースを戦った1試合1試合の積み重ねはどこへ行った? と。

 

うーむ。

 

メジャーリーグワールドシリーズ、今年は、ドジャースヤンキースの対戦。どちらも地区優勝チームだった。

ただ、メジャーにおいても、30球団中12球団がポストシーズンを戦う。こちらも短期決戦だ。

ワイルドカードのチームが勝ち上がってワールドシリーズを戦うこともある。今年も、ナショナルリーグでは、東地区3位のメッツが、中地区優勝のブルワーズ、東地区優勝のフィリーズを破って、ドジャースとリーグ優勝を賭けて対戦した。

短期決戦でシーズンと違う結果になるのは、日米共通のようだ。

 

うーむ。