このレコードを聴いて、いかにもこの指揮者らしいドライブ感を楽しんだのはもちろんなのだが、一番印象に残ったのは、終楽章の終結の和音が打ち鳴らされて、拍手が出るまでの「間」である。
これが、編集上作られたものでなく、当日その会場でのタイミングそのままだったとすると、日本ではありえないことだ。
何しろ指揮者がクライバー、しかも曲がベト7である。
日本なら、曲が終わることを惜しみつつ音楽を味わうのでなくて、コーダに入ったあたりから、いかに真っ先に、あるいはいかにいいタイミングでブラボーを叫ぶかばかりをひたすら考えていたような輩が、まさに間髪を入れずに、「ウォー」と怒号にも似た大声を競い合ってがなりたてる筈なのだ。
日本なら、曲が終わることを惜しみつつ音楽を味わうのでなくて、コーダに入ったあたりから、いかに真っ先に、あるいはいかにいいタイミングでブラボーを叫ぶかばかりをひたすら考えていたような輩が、まさに間髪を入れずに、「ウォー」と怒号にも似た大声を競い合ってがなりたてる筈なのだ。
それが、このバイエルンのお客さんは・・・。
日本ではおそらくこういう場面には私は一生遭遇しないだろうな、と思う。