naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

11月場所中日

黒木瞳さんがNHKのゲストで正面に座った。
私もとても好きな女優さんだが、力士の名前を呼び捨てにしていた。相撲ファンであるなら、「○○関」と言ってほしかった。

序盤好調だった玉春日皇司は、まず皇司が押し込んで、玉春日が反撃。
以後は低い体勢での攻め合いとなったが、機をみて玉春日が右からかっぱじいて決めた。
見ごたえのある一番だった。

豊真将白露山を破って1敗を守った。
白露山の突きに今日は下がった豊真将だが、上体は上がらず持ち前の低い姿勢で残し、白露山が引きにいったのにつけいって突きで反撃。最後は左も差して万全の寄り。
準ご当所のこの場所、星が上がってきたことで、ずいぶん場内の声援も大きい。
最低2ケタ勝って、来場所の上位挑戦を望みたい。

栃乃花北桜は、攻防のある熱戦となった。
北桜はどちらかというと離れながらとりたそうだったが、栃乃花が密着。栃乃花としては勝手のよくない右四つとなったが、その右四つ得意の北桜が寄って出たところを逆転の投げ。
見ごたえのある相撲だった。

朝赤龍は、今日も左上手をとり、頭をつけて食い下がる絶好の体勢。
しかし、出たところを旭天鵬の投げに敗れて2連敗。
旭天鵬のふところの深さが生きた。
朝赤龍としては、食いついた後、どこかで左から出し投げで崩せれば勝機もあっただろうが、朝赤龍の右と旭天鵬の左が攻め合っていた状況では難しかったかもしれない。

把瑠都豊ノ島、1敗同士の対戦は、立ち合い把瑠都が引っ張り込むようにして、豊ノ島はもろ差し。
しかし、豊ノ島は左右まわしに手がかからず、却って攻め手がない。というか、この形になってしまうと、豊ノ島としてはどうにもならない。
その後は把瑠都が右上手からふりまわして決めた。
荒削りな相撲ながら、把瑠都としては持ち味をいかしたと言える。

垣添鶴竜はいい相撲。
垣添の突きを、鶴竜もまわりこみながらよくしのいだが、鶴竜再三のはたきに落ちなかった垣添が攻めきった。

琴奨菊普天王に素晴らしい相撲をとった。
相四つなので左四つにはなる訳だが、琴奨菊はよく考えたようで、普天王に右上手を許さないことに徹した。右からおっつけてがぶって出て決めたが、3大関を破って意気上がる普天王を完璧に封じた相撲は評価できる。

全勝の琴光喜と全敗の安馬、ふだんなら期待できる取組だが、今場所については両者の状態がいささか違いすぎる。
しかし、結果は安馬に初日、琴光喜に初黒星。相撲はわからない。
安馬は例によってのどわで突いて出た。こののどわがきき、琴光喜が押し返すところ、安馬が右からのいなしでかいなをたぐった。
安馬としても内容的にめざましいという相撲ではなかったし、琴光喜も全勝であるなら、のどわ攻めに対する対応ももっと何とかしてしかるべきだった。

栃東が、雅山に注文相撲。
過去16勝16敗ということで、簡単にはいかないと思ったのだろうが、やはり感心しない。
今場所の栃東は1敗しているとはいえ、本来の相撲がとれている。
いかに相手が実力者といえども、今日の相撲は、あまりにも変化があからさまだ。
攻防の中でのいなし、はたきが認められる場合はあるが、今日の栃東は、最初から身をかわしにいった。
勝ったとしても、昨日までの相撲内容のよさが帳消しだ。
その変化に落ちる雅山雅山とは言えるが。

琴欧洲は、過去4勝5敗と負け越している露鵬との一番。
立ち合いが合わず、2回目で立ち、琴欧洲は右肩から当たったが、露鵬の左からのつきおとしたタイミングよく効いて崩れた。
どうも琴欧洲は、いい相撲と負けた相撲との落差がありすぎる。

千代大海黒海に完勝。
黒海は立ち合いかちあげで強く当たったが、千代大海は崩れることなくまっすぐ突いて出て、あっさり決めた。右おっつけと左からののどわがうまくはまった。

魁皇出島を破って、全勝でカド番脱出。
しかし内容は危なかった。
立ち合い左をのぞかせたものの、そこから引きにいき、出島の出足に土俵際まで詰まった。
左は入っていたので、落ち着いてはとれたのだろう。左を返して出島の右をバンザイさせ、その後左は下手にかえて相手と正対し、以後は文句なし。
もっと楽勝してしかるべき相手なのだが、意外な苦戦はちょっと気になる。

今日一番楽しみだった朝青龍稀勢の里の一番は、おそらく誰もが予想もしなかった、横綱のけたぐりであっけなく決まった。
けたぐりという決まり手自体、いつ以来か。
横綱がけたぐりで負けた、という相撲も、その昔、今日の正面解説北の富士が、藤ノ川(現伊勢ノ海)にやられた記憶があるが、最近はあったのだろうか。
まして、横綱がけたぐりで勝った、という相撲が過去にあったのだろうか。
モンゴル出身の朝青龍が、けたぐりという決まり手を知っていたこと自体意外だ。
記録的なことはともかく、何故朝青龍がこういう作戦に出たのか。
先場所負けている稀勢の里。しかも稀勢の里は今場所力をつけたと感じさせる相撲をとっている。
だから、真っ向勝負になるのを避けたのだろうか。
この横綱にはあるまじきこと。昨年の年間全場所優勝や7連覇などの値打ちを汚すといってもいい相撲ではないのか。
もとより本来の調子ではないと思われる今場所の朝青龍である。こんな相撲をとっているようでは、魁皇と並ぶ全勝での中日勝ち越しといっても、明日以降が心配だ。