naokichiオムニバス

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齋藤孝著「嫌われる言葉 部下と上司の常套句」

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本を読んでいて、自分と波長が合うというのか、その人の文章が自分の中に抵抗なくすっと入ってくる著者と出会うのは大きな喜びだ。

齋藤孝という人は、私にとっては、野口悠紀雄氏と並んで、そんな著者の一人である。

2年ほど前に、岩波新書で出た「コミュニケーション力」を、タイトルにひかれて購入し、読み始めたのがきっかけだった。
以後、「○○力」シリーズを始めとする、齋藤氏の著作は何冊も読んできた。

今回読み終わった、「嫌われる言葉 部下と上司の常套句」(講談社)も、大変面白い内容だった。

本書の冒頭、著者は、
「言葉というのは、「ただ」のように思われがちだが、(中略)言葉ほど高いものはない」
「社会を生きていく身において、相手に嫌われてしまうと、非常に仕事がやりにくくなる」と指摘する。

そして、1冊まるまる、人に嫌われる言葉を次々に挙げての解説が続く。

ガキの使いじゃないんだからさ~ぁ」
「誰とは言わないが、そう言っているやつがいる」
「オレがだめって言ったら、だめなんだ」
「オレは聞いていない」
「場の空気を読んでくれよ」
などなど。

上司だけでなく、部下が使いがちな言葉についても言及している。

本書が読んでいて大変面白いのは、それぞれの言葉をついつい発してしまう者の心理分析に非常な説得力があるためで、いちいち、そうそう、なるほどとうなずいてしまう。

私も、職場で日頃使ってしまいそうな、あるいは使っている言葉もある。

気をつけねば。

会社勤めをされている方にはお勧めの1冊。