naokichiオムニバス

69歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所11日目

嘉風は今日もがんばって突いたが、本来四つ相撲の時津海は、今日はつかまえようとせずに突きで応戦、むしろ突き勝った。
嘉風という人は、現状では突きで勝負をつけるには身体が小さいので、何か一つ考えないと、今より上に上がっていくことは難しい。
もう少し体重を増やせれば一番いいが、そうでなければ、突き一本の相撲でなく、突きからいなしもまじえて相手を崩す、あるいは突きから食いつくといった、次の攻め手を何か考えるべきだろう。

玉春日は、春日錦を立ち合いすぐ弾いてしまって自滅。
これで7連勝の後4連敗で勝ち越せない。相撲が崩れてしまった。
よもや7連勝8連敗はないだろうが(先場所の白露山は8連敗7連勝だった)。

豊ノ島が2敗を守った。
立ち合い春日王がひっぱりこんで左四つ。すぐに右から得意の小手投げにいった。
しかし豊ノ島はこの小手投げは予想していたようで、左外掛けから切り返した。
よく考えた相撲だった。

鶴竜は、今日もよく動いたが、朝赤龍も相手をよく見て応戦。鶴竜得意の土俵を伝ってのまわりこみを許さずについていって押し出し。
攻防のあるいい相撲だった。鶴竜もいい相撲ではあった。最後は地力の差。現時点では致し方ないが、この力士は楽しみだ。

黒海が立ち合いからかちあげで先手、左四つ、前へ出ての右上手投げ。
岩木山は首の調子がまだ悪いか。

高見盛は、過去1勝9敗と分の悪い安美錦戦だったが、今日も一方的な相撲になった。
安美錦は立ち合いすばやくもろ差し、一気に出た。
高見盛側から見ると、立ち合いの踏み込みがまったくなかったのが最大の敗因。
いつものように反ろうとしたが、二本入れられてはさすがにどうにもならない。
既に負け越している安美錦にいいようにとられるとは、あいくちの悪さとしか言えない。

5勝5敗同士、豊真将琴奨菊の楽しみな一番。
立ち合い踏み込んだのは琴奨菊だったが、豊真将は一旦これを受け止めてからすぐに左を差し、上手にはこだわらずに前に出た。
短いが、内容のあるいい相撲だった。
今場所の豊真将は、かねてからの課題だった、前へ出る力がついてきた。初の上位挑戦だが、勝ち越しの可能性も充分ある。

稀勢の里は、塩をかなり右に向けてまく。クセになっているのだろうが、東土俵から上がると、塩が半分は土俵の外に落ちる。これは直すべきだと思う。
今日の出島戦、稀勢の里は立ち合い踏み込んですぐ左を差した。
密着されては出島も残り腰がない。稀勢の里、問題なく前に出ての快勝。
6勝5敗。相変わらず星数は物足りない。2ケタは厳しいだろうが、せめて8勝続きの成績から脱して9勝はあげてもらいたい。

時天空雅山は、時天空が立ち合いに左に変わり、上手をさぐりにいったのが悪く、さすがに雅山はついていった。
時天空は半端相撲がアダとなった。5勝5敗とまずまずの成績なのだし、相手は既に負け越しているからには、まともにいかなければ。

琴光喜が、この人としては最高の流れの相撲。
立ち合い右からすくって差し、安馬の突き放しを許さず右四つ。
左上手もがっちりとった。
そして、向正面舞の海が指摘していたが、相手の右下手を切っておいてすかさず出し投げ。
安馬は珍しく何もできないままの敗戦となった。それだけ今日の琴光喜会心の相撲だった。

魁皇露鵬は、今日は魁皇がうまくとった。
立ち合い当たってすぐ露鵬の左をたぐり、右からおっつけて突き落とし気味に横を向かせた。
今場所もろさの目立つ魁皇だが、勝ち相撲は相変わらず強い。

栃東は今日も同じ相撲。立ち合い左からおっつけて攻めようとするが、どうしてもそこから左四つになってしまう。
不充分の四つで上手がとれず、一方の旭天鵬にとっては充分の四つで上手もがっちり。
これでは栃東も苦しい。旭天鵬に寄られると、やはり残せない。
これでいよいよ後がない7敗目。
出場を続ける限りは、今場所の調子からはやむを得ない結果だ。休まずにとり続ける姿勢を評価すべきだろう。

千代大海琴欧洲は、一方的な相撲。
琴欧洲が立ち合いまた左に動いて長い腕で上手をとり、あっさり投げた。
琴欧洲のこういう立ち合いは感心しない。クセになりかかっていないかと懸念する。
まともに当たってから同じような取り口の相撲をとってもらいたい。
一方の千代大海は、明日の横綱戦に向けて1差を守ってはずみをつけたいところだったが、まったくいいところなく完敗。

結び、朝青龍白鵬は、調子今一つと言いながらも、今日からの5大関横綱挑戦の中では、やはり期待したくなってしまう。
実際、控えから気合いの入った表情を見せていただけに、ひょっとしたら何かやってくれるかと思って見た。
しかし、相撲はまったくの横綱ペース。
朝青龍は、立ち合い左上手をとりにいった。
今場所、白鵬はなかなか右四つになれず、割合安易に左四つに組み負けることが多いので、この横綱戦、よほど厳しくいかないと横綱に左四つに組まれてしまうだろうと思っていただけに、意外な横綱の立ち合いだった。
白鵬は右を差すことができたので、これはチャンスありかと一瞬思ったのだが、要するに横綱が敢えて右四つにいったのだった。
横綱は、左上手は充分にとり、頭をつけて白鵬に上手を許さない。立ち合い左上手をとりにいったのも、頭をつけたのも、白鵬に絶対に上手をとらせない、という強い意思によるものだったと思う。
この形から、攻め続けたのは常に朝青龍
白鵬は、右四つになったことで、多少は抵抗できたものの、自分ペースで組んだ右四つではなかったし、横綱に終始動かれ攻められっぱなしで、防戦一方。反撃のチャンスはまったくなかった。
熱戦には見えたが、内容は横綱の完勝、白鵬の完敗。
放送の中で、最近の両者の対戦を見せたが、そこでの拮抗した熱戦とは比べるべくもなかった。
今場所の調子からは当然の結果とはいえ、残念だ。
ともかく、白鵬の立ち直りなくして、当面の相撲界の興味はない。

1敗 朝青龍
2敗 豊ノ島
3敗 琴欧洲千代大海玉乃島潮丸

数字の上では、琴欧洲千代大海横綱を破れば、3敗ラインでの優勝争いになる。
しかし、横綱に何かのアクシデントがない限り、それは考えにくい。
朝青龍の4連覇、20回目の優勝は動かない。