naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

5月場所4日目

普天王春日錦の一番は、普天王が額から流血の末、4連勝。
力相撲だった。普天王としても、今日はまずまずの内容だったが、左四つにわたりあって上手をとるのが遅いのが気になる。

岩木山玉春日に逆転負け。
今場所は、相手の攻めに下がる場面が目につく。
番付がだいぶ下がってなおこういう相撲しかとれないとすると、力が落ちたということか。

出島も4連勝。今日もいい出足だった。
栃乃洋の変化に落ちなかったところに、元気さがうかがえる。

朝赤龍皇司を破って4連勝。
相手をよく見て相撲をとっていた。
過去の対戦成績が5戦無敗なので、気分的な余裕もあったのだろう。

高見盛が、3年ぶりの雅山戦の勝利。
雅山が本調子でないことに助けられた面もあるが、攻防の中で右差しに成功。
この右差し手は、まわしをとらない状態でも力が出るところが、高見盛の異能だ。

若の里が元気のない相撲。豪風の突き押しにあっさり下がって横を向かされた。どうしたことか。

栃煌山は、時津海に立ち合い低く当たって右差し左おっつけ、頭を下げて一気に出た。
両まわしをとらないまま攻めきったところに、この人の攻めの強さを見せつけられた。

鶴竜稀勢の里は、楽しみな一番。
鶴竜は、もろ差しねらいの立ち合い。差せぬと見ると、のどわに転じたが、稀勢の里はうまく下からすくうように入った。
やはり相撲に一日の長がある。

琴奨菊豊馬将も楽しみな一番。
踏み込みは琴奨菊が勝り、左を差して一気に前に出た。
そこは守りに強い豊馬将、一旦残して寄り返したが、左右ともまわしがとれない。
機を見て琴奨菊が上手をとったのが勝負の分かれ目となり、琴奨菊得意のがぶりにさすがの豊馬将も屈した。
前に出ようという意識において琴奨菊がまさった相撲で、それが先に上手をとることにつながった。

琴光喜豊ノ島は、琴光喜が今日はいい内容。
立ち合い当たって、今日はすぐ右上手をとり、頭をつけてすぐに出し投げで後ろにまわった。
本来の右四つの相撲ではなかったが、流れはよかった。
しかし、豊ノ島は後ろを向かされた時点で、青房下、土俵を割る前から既に動けない。残そうとすることもできない。琴光喜が見かねて、そうっと出した感じだった。
相撲をとれる状態ではないのでは。

魁皇は、立ち合い右上手に手がかかりながら、黒海に切られたが、すぐ相手の左をたぐった。
今場所の魁皇は、動きがいい。

琴欧洲玉乃島は、琴欧洲が低く頭を下げて出て、一応右は入ったが、玉乃島の思いきった攻めに下がり、黒房下で左上手はつかんだものの既に遅く、玉乃島の突き落としに裏返った。
地力の差はあるはずだが、今日の相撲については、玉乃島の攻めの厳しさが上回った。
相手充分の右を入れられながら、かまわずがむしゃらに前に出たのがよかった。
気持ちの面、また前に出る力のどちらも、格下の玉乃島がまさった一番で、大関としては猛省すべき内容だった。
これで、初日から続いてきた、横綱大関の全勝が、とうとうストップした。

白鵬垣添は、白鵬がまわしにこだわらず、相手をよく見てとった。
最初はまわしをさぐりにいったが、途中からは突きに徹する相撲に切り替えた。
最後、上体が前にのめったのが気になる。勝敗に影響するようなものではなかったが、ちょっと足の運びに安定感がない。
この点は、NHK正面解説の芝田山親方も指摘していた。気になるところだ。

千代大海安馬は、楽しみな一番だったが、千代大海が突ききった。
安馬も何とか頭を下げて中に入ろうとしたが、大関がそれを許さなかった。
千代大海は、いつもならどこかではたこうとするところだが、そういう場面がなかったのがよかった。

朝青龍は、先場所敗れている時天空との対戦。
一方的な内容だった。
立ち合いの踏み込みは横綱の方が速く、すぐ右前まわしをとった。
この時、時天空は二本入ったのだが、時天空が何かする前に、横綱がすかさず右をまきかえて右四つ。時天空に上手を与えず、左からの投げで決めた。
朝青龍としては、まったく危なげない、自在の相撲。余裕たっぷりだった。

惜しくも上位全勝の一角が崩れたが、琴欧洲以外は安泰で4連勝。平幕にも元気者が多い今場所、レベルの高い優勝争いがどこまで続くか。