naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

あれから四半世紀~オフコース82.6.30

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5人編成としてのオフコース、最後のステージとなった、82年6月30日の武道館から、今日で25年。
四半世紀経つのだ。

私は当時26歳。今勤務している品川の支店で仕事をしていた。

今でも伝説の武道館10日公演。

この3年ほど前からオフコースにのめりこんでいた私は、どの日でもいいから是非行きたいと、申し込みの往復ハガキを書きまくった。実家に帰った時に父母にまで手伝ってもらって、確か200枚くらい投函したと思うが、1枚も当たらなかった。

職場の女子社員にオフコースファンが何人かおり、彼女たちからチケットをまわしてもらって、この最終日ではなかったが、10日公演の内、2回行った。

今なら別に気にしないのだが、当時は、オフコースのライブに、スーツで行くのが何か恥ずかしく、終業後、会社でジーンズなどに着替えて出たのをおぼえている。

既に一部週刊誌に解散説が流れていたが、本当のところはわからぬまま、その時は、前のツアー以上にすごみを増したライブを、とにかく楽しんだだけだった。

スピーカーなどの機材がすべてまっ白に塗られたステージ。
「言葉にできない」での、ひまわりの映像。
大間(ジロー)さんの、暴力的なまでに響いてきたドラム。

公演後の7月1日には、新しいアルバム「I LOVE YOU」が出て、繰り返し聴いたし、秋には彼らが制作したテレビ番組「NEXT」が放映されたから、解散云々の実感は、しばらくはなかった。
鈴木(康博)さんが脱退して、ソロアルバムを出したのは翌年のこと。
4人でのオフコースが、「君が、嘘を、ついた」で活動を再開するのは、さらにその翌年のことだ。

この82.6.30の最終日の模様は、ライブビデオとして市販されている。
自分が行った日のものではないにせよ、武道館の客席での興奮をよみがえらせてくれる。
VHSテープ、レーザーディスク、DVDと買い換えて、何度も何度も見てきた。
今も、これを打ちながら流している。今、「哀しいくらい」だ。

それにしても、このライブビデオは、何度見てもすばらしいと思う。
フィルム収録でなく、ビデオ収録であるのが、臨場感を高めている。

この前の年あたりから、前髪のあたりに少し白髪が目立ち始めた小田(和正)さんは、さすがに若い。
ギター、ベースがワイヤレスでなく、鈴木さんや松尾(一彦)さんが、コードをさばきながら、舞台上をかけまわるのが、時代を感じさせるが、ライブとしての完成度は本当に高い。

5人の編成になって、初期のフォーク調からロック色を強めてきたオフコースの、やはりピークをなすパフォーマンスだったと思う。
ステージの白一色もそうだが、MCがほとんどなく(今の小田さんのライブとはまったく違う)、余分なものをすべてそぎ落として、音楽を聴かせることだけに徹底した姿勢。

武道館を空撮する、最初と最後の演出もいい。

それにしても、やはり改めてつくづく思うのは、「鈴木さんあってのオフコース」だったということだ。
鈴木さんと小田さんのヴォーカルのブレンド
小田さんとは傾向の異なる作品が並ぶことでの幅。
松尾さんに比べると、ノーブルなギター。

小田さんは、鈴木さんの脱退の意向を知って、それならオフコースは続けられないと思ったと言われている。確かに、高校の時からずっと一緒にやってきた仲間が離れていくことのショックは大きかっただろうと思う。

結果として、オフコースは4人で活動を継続し、その期間は、5人のオフコースよりも長い。
私は、4人時代のオフコースも、ツアーの追っかけはやったし、評価もしている。
でも、やはり、あの82.6.30以後も、鈴木さんが残って5人で続いていたら、どんなアルバム、どんなステージができていただろうか、と思う。

今、小田さんと鈴木さんはソロ活動中。
松尾さん、清水(仁)さん、大間さんは、今でも「ABC」というバンドを作って活動中。

mixiのコミュニティなどでは、オフコースの再結成を望むかどうかの意見交換が行われたりしている。
チューリップやアリス、かぐや姫など、往年のバンドで再結成が行われているからには、オフコースも、という声も当然だが、個人的にはあまり気乗りがしない。

仮に再結成するのであれば、ちょっと集まってやる、ということでなく、しっかり、じっくり取り組んでくれる活動であってほしい。
そして、メンバーは、やはり鈴木さんも含めた5人で、と思う。

そんな機会があるんだろうか。