naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

考えられない

今日3日(月)、遠藤農林水産大臣が辞任した。

誰しも思っていることだろうから、ここに改めて書くのも陳腐ではあるのだが、でも、書かずにいられない。

この人って、就任の際に、「最後に余ったポストをあてがわれた」とか、「農林水産大臣にだけはなりたくなかった」とか言った人だよね。

その時から、この発言、いかがなものかと思っていた。

企業の人事でも、社員を役職に任命する。
そういう時に、任命された社員が、「私はその役職はいやです。やりたくありません」「私には荷が重いのでできません」とは言えない。
会社が、できる、もしくはやらせてみようと思って人事発令した以上、任命された側は、最善を尽くしてその任務に邁進しなければいけない。
やらせてみたが、力が足りず、その任にふさわしくない、という場合でも、役職解任の判断をするのは会社だ。
企業における人事はそういうもの。あくまで人事権は会社にある。

まして、閣僚だ。
国民のための政治に携わる立場なのだから、「やりたくなかったが」みたいな言い方をしながら大臣の椅子に座るというのは、国民の目からすると、やっぱり真剣さに欠けると映る。

第一、今回の組閣では、矢野さんと言いましたっけ、入閣有力視されながら、見送られて、安倍首相に電話で30分近く抗議した人がいた。
まあ、抗議の行動自体はいいこととは思わないが、そこまで入閣に思いがあった人のことを思ったら、ああいう発言はできないはずだ。それが普通の感覚だと思う。

ほんとになりたくないんだったら、受けなければいいじゃないか。そうでしょう?
だから、本心では嬉しかったんでしょうね、遠藤さん。
そうした気持ちの中での発言だったんだろう。
しかし、矢野さん始め入閣したい人はいくらでもいる中、配慮を欠く発言だ。もちろん、それ以前に、国民に対して誠意のない発言だ。

しかし、今日の事態になってしまうと、次の疑問が。

問題になった、補助金不正受給の件、あなた、入閣打診があった時点で知ってたんですか?

これについては、今日の報道によると、知ってたらしいじゃないですか。

そうなると、これはもう、考えられないとしか言えない。
改造前の内閣で、あれだけ閣僚の辞任が相次ぎ、選挙にもボロ負けして、死に体になっていたのを、改造で乗り切ろうとしている時に、今度、似たような問題が起きたら大変だ、というのは、これは子供でもわかる、に近い話だ。

まして、自民党の国会議員である。当事者だ。
自分がスネに傷を持つ身だったら(そのことを、自身知っていたんだから)、入閣の声がかかった時点で、辞退すべきだろう、絶対に。

1週間後にこうして辞任して、安倍内閣に傷を負わせるよりよっぽどよかったはずだ。

見つからずに済むと思ってたんだろうか。

安倍首相の任命責任は確かに問われなければならないが、安倍さんにしてみれば、何で本人が言ってくれなかったんだろう、と言いたくもあるだろう。
改造直後の大きなつまずきで、政局への影響は大きい。
遠藤さん、与党の中にあっては、四面楚歌だろう。

これって、例えば、満塁のピンチにリリーフでマウンドに上がったピッチャーが、初球をえいっと投げたら、あっさりホームラン。僅か1球放っただけで、交代を告げられたようなものだ。
何しに出てきたの、ということだが、遠藤さんの場合は、ベンチに下がったそのピッチャーが、「いや、実は3日前から肩が痛くて投げられる状態じゃなかった」と言い訳するのに等しい。
そんなことは許されないわけだ。投げられないなら投げられないと言わなければいけない。知っていたら、チームとしてはそもそも投げさせなかったはずだから。
それをのこのこ出て行って、最悪の結果だけ残してひっこんだ、という・・・。

よかったことは何一つないのだ。
改造内閣にとっても、与党にとっても、国民にとっても。
そして、遠藤さん本人にとっても、わずか1週間大臣をやれた、ということを除けば、今後は針のむしろのはず。

こんな人が、国会議員である、ということ自体が、本当に考えられない。