naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

第21回浦安市民演奏会終了 3 玉砕~「マノン・レスコー」のソロ

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今回の市民演奏会、これまでも何度か書いてきたが、第1部の終わり近くで、オケだけで演奏されるプッチーニマノン・レスコー」の間奏曲に、ヴィオラのソロがある。

画像の、ピンク色の段がそれだ。
完全な「どソロ」ではなく、チェロトップ、コンマスとからむ形で、かつ、ヴィオラとチェロはトップ以外の人がトゥッティで別の音を弾く。

前半は、チェロのトップが中心。途中からヴィオラのソロが加わって、最後までしばらくヴィオラだけが一人で残るという音楽だ。
コンマスのソロは、ほんの4拍だけしか出てこない(ただ、今回、他の曲でコンマスのソロは山ほどあった)。

私のこれまでのオケ経験でのソロは、「新世界」やマーラーの1番(3楽章)のちょっとしたものを除くと、エルガーの「エニグマ変奏曲」が、大きな経験だった。8年前のことだ。

2つの変奏で、ヴィオラの「どソロ」が出てくるのだが、本番では、すごくあがってしまって、「今四つ」くらいの出来だった。
この時は、演奏会後、妻との話の中で、「結局、自分は死ぬほど練習したのか」という反省が残った。

それ以来の大きなソロとなった今回、エルガーの時に比べれば、さらったつもりはある。
GPでも、本番前も、他の曲は脇に置いて、このソロだけを繰り返しさらった。

えーと、結論、先に書きますね。

大玉砕でした。

花と散りました。

今回の本番、エルガーの時と違って、あがってはいなかった。
これは、「繰り返しさらった」という自覚からくるものだったと思う。
実際、GP、本番前にさらった時も、常に無難に弾けていた。
「これはきっと大丈夫だろう」という確信めいたものを自分なりに感じてもいた。

ステージに出て、演奏会が進み、「マノン・レスコー」が近づくにつれ、心臓がバクバク、ということは全然なかった。

私の場合、本番では弓を持つ右手にどうしても力が入り、かたまってしまう。
今回は、弾きながらそれもチェックしたが、全然そういうことはなく、私の右手はふだんの練習のようにリラックスしていた。

・・・「これはいけそうだ」。

実は、前日のGPでのこのソロの出来は、今一つだった。
GPの最後に、指揮の矢澤先生が、我々オケ全体に「縮こまらずに大きく弾こう」「この会場の空間を楽しんで演奏しよう」とおっしゃった。

「そうだよなあ」と思った。
小さくならずに、客席も含めた空間全体を味わって弾こう、と思いつつ、「その時」が近づくのを待った。
その時が来るのが、嫌では全然なかった。むしろ待ち遠しい気持ちさえあった。

あがることなく、緊張もなく、むしろ、「さあ、来たぞ!」と思って、ソロに臨んだのだった。

チェロが1小節半弾いた後、いよいよ出番。






  ∠∇‡ぴΨΘЮЪй㌶∵∪㊧┤ёЛξヰÅ∬∀∈§★♀】〆^ヾ~~~~~~~!!!






・・・・・・?????

私は、一瞬、何が起こったのか、わからなかった。

・・・・・・えっえっえっ?

とんでもない音が、私の楽器から鳴っていた。

弓が大暴れ!

ほとんど、弓の毛が弦をこすることなく、上すべりした状態で上下した。





ほんとにびっっっっくりした。

えーとですね、この最初の4拍。
ここだけは、これまでの練習では、基本的に毎回うまくいってた部分なんです。

その後、3小節半休んで弾き始めた後は、まあ、ぶっちゃけ、その時々で色々ありましたが、この最初の弾き出しだけは、常に安定して弾けていた(自分としてはそのつもり)箇所なんです。

それがですね、ほんとに、

    えっ!  今、何が起きたの?????

みたいな、壊滅的な音が出たのでありました。

おそらく、オケのメンバー、みんな、ぶったまげたと思います。

何が起きたんだ、naokichi!?

しかし、一番驚いたのは、弾いてた本人です。

だって、これまでの練習では一度もなかったボッロボロの開始だったんだから。

「え、俺って、あがってるの、やっぱり?」

そこから休みに入っての3小節半。
「頭の中がまっ白」ってほどの状態ではなかったが、「再度弾き始めたら、やっぱりおんなじような音になるんだろうなあ」ということは思った。

これが練習なら、「すみません、もう1回やらせて下さい」って止めることもできるけど、本番だもんなあ。
音楽は続いている。どうしたって、弾き始めないといけない。






・・・・・・再度弾き始めた。

まあ、ほぼ予想通りのめちゃくちゃな音で始まったが、私のヴィオラだけが残ってからは、ちょっと開き直ったか(だって、もう弾き続けるしかないんだもん)、多少は立ち直った(と、その時、舞台上の自分は思っていた)。
まあ、合奏練習で不出来な時のレベルくらいまでには持ち直して(笑)、最後の小節、ディミヌエンド+ルンガのダウンボウは、再びみたび、弓が盛大に踊った。

事後、妻に聞いたら、この最後の部分、「やっちゃったあ、へっへっへ~」って、笑ってるように聞こえて、可笑しくて仕方がなかった、との話だった。

「弓が暴れる」「弓が笑う」と言うが、もう、そのお手本みたいな技術を発揮してしまった。

ということで、要するに、
  出だし          まったくの想定外
  再度弾き始めてから 出来の相当悪い時の練習レベル
  最後           弓大爆笑
という推移だったのだ。

再度弾き始めてからは、まあぎりぎり本番前に想定していた範囲。
しかし、練習で一度もなかったあの出だし。
何度も書きますが、「壊滅的」なあの弾き出しは・・・。

本番から5日たった今、思い出すと、
  恥ずかしい
  忘れてしまいたい
  悔しい
  申し訳ない
  落ち込む
とかよりも、むしろ、自分でも可笑しくて笑っちゃうという感じだ。

あー、何でまたあんな壊滅的な(しつこいな)音が・・・。

ソロが終わって、トゥッティになってからは、全然問題なく弓が動いて普通に音が出てるんだもんなあ。
どうして・・・。

精神的にあがっていたわけではなく、いつも気にしている、弓を持つ右手がかたまっていたわけでもない。
要するに、その時、肩から手までの、「右腕」だけが、私の中で別人格だった、というか、頭や意識と無関係のところで、ふだんの練習とはまったく違う筋肉に力が入っていたのだろう。

「事前の不安が的中した」ということではない。
弾く直前は結構「余裕こいてた」自分がいただけに、出た音とのギャップに耳を疑ったというのが実情。

しかし、バクバクの状態で全然だめだった、前回のエルガーに比べれば、今回は回数さらっていたことで、それなりに自信をもって弾き「始める」(あくまで、「始める」だけね)ことができたのは、自分個人としては、進歩?

そうは言っても、これは個人的な自己弁護だ。

せっかくのあのすばらしかった市民演奏会に、あの部分、大きな傷を与えたことは事実。
個人的に、多少の進歩があったとか何とか言ったって、それはプロセスの話。
結果が伴わなければ、何にもならない。

申し訳ないことをした。
コンミスのYkさん、チェロトップのSさんには、前日にソロ練までつきあってもらいながら、お二人の着実な演奏を一人ぶちこわしてしまった。
本当にごめんなさい。

今回のことで得た結論。

まず、弦楽器は右手だということ。
今回の事態は、回数をさらうことを重ねたから解決できる次元のものではない、とも感じた。

次に、このオケで、大きなソロのある曲をやることがあったら、
  トップはやらない(爆)
もしくは、
  ちゃんとレッスンについて習う
ということだ。

学生時代に1年ばかり先生についただけの、基礎ができていない者が、ソロに臨むのは不適切だということだ。
回数さらっても、所詮自己流のために玉砕したとすれば、今後ソロにはさわらないか、ちゃんとボウイングの基礎を改めて勉強して再挑戦するか、どちらかだろう。

人間である以上、逃げずにチャレンジする道を選びたい。
・・・でも、そんなにムキにならなくても、ヴィオラのソロがある曲なんて、めったにやらないけどね。

とにかく大いに反省した。

でも、前の前の記事に書いたように、今回の演奏会が、自分にとってとても幸せなものだったのも事実。

みんなに合わせる顔がない、とも思ったが、部分的なミスと割り切り、打ち上げには出た。
打ち上げでは、チェロトップのSさんのところに行って謝り、コンミスのYkさんには慰められた。
他の人たちには、今書いたような顛末を話した。

基本的には、いい演奏会だった、という気持ちで本番を終わったのだが、人から見れば、naokichiは甘いと言われるかもしれない。

でも、前に、矢澤先生が、別の曲で別の人におっしゃっていた。「出した音はどうせ戻らないんだから、気にすんな」。

終わったことは仕方がない。
また、今度の日曜日から、次の演奏会の練習が始まる。
今度の演奏会にはソロはないが、とにかく一層がんばるだけだ。