１月場所11日目の土俵から

海鵬は、嘉風の突きをかわせず。

高見盛は、立ち合い突いておいて春日錦を右四つに組み止め、上手も充分、白房下へ寄った。

若麒麟が突いて出ると、市原は下がったが、土俵際残して突きで逆襲。市原の出足がちょっとだけ見えた相撲だった。

黒海と岩木山は、黒海が立ち合いかちあげから左四つ。しばらく攻め合った後、黒海の寄りを白房下で岩木山が右から突き落とし。軍配は岩木山にあがって物言い。判定は軍配通りで、岩木山は勝ち越し。

垣添と豊響は、豊響に踏み込みがなかったが、途中からよく突いて、突き出した。

２敗の鶴竜と栃煌山は、栃煌山が立ち合い右差し、左おっつけで出たが、鶴竜はこれを残してがっぷり右四つ。力比べとなったが、鶴竜が引きつけて前に出ての外がけで決めた。
鶴竜が力強さを見せた。

３敗の豪風と２敗の普天王は、豪風が立ち合い当たって押し込み、左差し右はずから、左すくい投げで勝ち越し。
豪風の当たりがすばらしかった。

若ノ鵬は、よく前に出たが、北勝力に突き落とされた。やはり攻めにまだ甘さがある。

露鵬と把瑠都は、すぐに右四つになったが、露鵬の上手投げが決まった。把瑠都は、組んでからちょっと無策だった。体格で圧倒的に優位というのでない相手と組んだ時、どうするのが自分の相撲なのか、自分自身で確立していない。

１敗の旭天鵬と対戦した朝赤龍が、実にうまい相撲をとった。
立ち合いすばやくもぐって頭をつけ、左四つ。旭天鵬にまわしを与えない。旭天鵬は胸を合わせられず勝手が悪い格好。何とかまわしをさぐろうとするのだが、朝赤龍がそれを徹底して許さない。
最後は、朝赤龍が右の前まわしをひきつけて寄って勝ち越し。朝赤龍らしいいい相撲だった。旭天鵬の懐の深さを完全に封じた。

豊馬将は、立ち合いいい当たりだったが、左四つから栃乃洋が引きつけて寄ると、まったく無抵抗。

豊ノ島は雅山の突きをこらえて食いついたが、雅山が豊ノ島の差し手をきめ加減にかかえて辛抱。
豊ノ島もうまく攻めたが、雅山もよくこらえ、最後は巨体をぶつけるようにして正面に押し倒した。
豊ノ島は、場所の疲れが出てきたか。

豪栄道は、立ち合い出島の出足を止めて右四つ。体を開いての上手出し投げで決めた。

安馬は、立ち合いいつもの鋭いから左四つで東へ寄り立てたが、時天空は懐の深さを生かしてこれを残し、右上手をとって左四つ。胸が合う形で安馬は体勢を起こされてしまった。
時天空が両まわしを引きつけて黒房下へ逆襲の寄り。
上背のある時天空が両まわしをとれば、力が出る。安馬としては失敗の相撲。

魁皇と稀勢の里は、稀勢の里の右上手が速かった。立ち合い接触した瞬間に上手をとり、すぐに引きつけて東へ琴奨菊ばりのがぶり寄り。今場所の魁皇は、下がると残す腰がない。
稀勢の里は、右上手について、何かつかんだようだ。これで勝ち越し。

琴光喜と若の里は、琴光喜が肩から当たって右差し。左も入れて東に寄った。
やや安定感に欠けた相撲だったが、前には出ていた。

朝青龍と琴欧洲は、立ち合い琴欧洲が当たって突き起こそうとしたが、朝青龍に止められ、左右からはさみつけるようにはしたものの、どう攻めようかと考えあぐねた感じがあり、朝青龍に引き落とされると、あっさり落ちた。
琴欧洲は、目的意識のない相撲。どういう相撲をとりたいのかが伝わってこない。
一方の朝青龍は動きがよくなった。

白鵬は、立ち合い張って安美錦を突き起こした。突きで先手をとって、右を差し左上手をねらったようだが、安美錦がそれを許さないと見るや、突きに徹することに切り替え、そのまま白房下へ持っていった。気迫、強さを感じさせる相撲だった。腕がよく伸びた。昨日の敗戦の影響はまったくなし。

１敗　白鵬、朝青龍
２敗　鶴竜、旭天鵬

４人すべてがモンゴル勢か・・・。