naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所14日目の土俵から~いよいよ千秋楽横綱相星決戦へ

若ノ鵬は今日もまともな立ち合い。差し手争いから、普天王が二本のぞかせたが、きゅうくつな形。
若ノ鵬は外四つの格好から、左上手でひねると、普天王はもろくも落ちた。

旭天鵬は、立ち合い左張り差しにいったが、海鵬は、四つに組まれる前に、のぞかせた左からひねるように引き落とし。
海鵬がうまい相撲で勝ち越しを決めた。これで、来場所も海鵬の相撲を幕で見られる。

栃煌山は、踏み込みよく、若麒麟を押し込んだ。
若麒麟もよく突っ張ったが、栃煌山もひるまずに応戦し、いなしておいて西へ押し出し。
栃煌山は、必死の相撲で勝ち越しを決めた。

高見盛把瑠都は、高見盛がもろ差しをねらいたかったようだが、把瑠都が引っ張り込んだような感じで、立ち合いすぐに左四つ。
高見盛も左四つでとれるが、把瑠都が先にしかけた。右上手から振って、向正面赤房下に寄った。
高見盛は、自分の相撲がとれなかった。またまた7勝7敗での千秋楽。

北勝力市原は、市原が立ち合い右へ変化。
これで、新入幕での勝ち越しを決めた。うーん・・・という感じだ。
この人は、こういう相撲でここまで上がってきたのだろうか。わからぬまま、場所が終わりそうだ。
しかし、はっきりしているのは、この相撲で上位に上がっても通用しないということだ。

豊馬将は、今日も若の里の寄りを残せず。両まわしともとれぬままの完敗。

露鵬豪栄道は、露鵬が立ち合い左から張っておいて、すぐ左への変化。いい身体をしており、地力もそれなりにある露鵬の変化は、やはり感心しない。
露鵬はこれで7勝7敗に持ち込んだ。勝ちたいがゆえの変化は、日本人力士にも見られるが、外国人力士の場合、さらに割り切ったところがあるようだ。

豊響が、今日は本来のいい押しを見せた。栃乃洋の左差しを許したがふりほどき、栃乃洋得意の突き落としもありうるところをこわがらずによく出た。

時天空はよく突いたが、雅山に引き落とされた。3連敗で、惜しくも負け越し。三役復帰の夢がついえた。

豪風は、立ち合いすくうように二本入れ、左からのすくい投げで琴奨菊を転がした。11勝目。
琴奨菊は、昨日勝ち越したのだから、再度休場すればいいとも思うが、それはそれであからさますぎて、非難を浴びるか。

豊ノ島は、出島の当たりを止めて右四つ。こうなれば、どこかで左をまきかえてもろ差しの攻めかと思ったが、どういうわけかそういう動きを見せず、出島が出て寄り切った。
豊ノ島の相撲がちょっとおかしかった。

稀勢の里が立ち合い突くと、安美錦はたぐってかわそうとしたが、稀勢の里は左を入れ、右上手も早くとり、引きつけてがぶった。
今場所の勢いの違いが出た一番。
やはり、今場所の稀勢の里は、相撲が速いし、流れがいい。

安馬朝赤龍にまんまとやられた。
安馬は、立ち合い左に変わって上手をとろうとしたが、朝赤龍は、立ち合いまったく踏み込まずに、その場で身を沈めるようにして、安馬の右足をとりにいった。
この作戦は、最初から決めていたのだろう。安馬も変化をねらったが、相手の変化は予想外だったようだ。
安馬はこれで2ケタを逃した。足を傷めたようだが、心配だ。
一方の朝赤龍は2ケタ。

琴欧洲と2敗の鶴竜は、琴欧洲が立ち合い左から張って突き起こした。
鶴竜も、頭から当たって突き、思いきって前に出たが、琴欧洲が腕の長さを生かしてとった左上手から投げて決めた。
琴欧洲の懐の深さが勝因。一方の鶴竜は、もう少し形を作ってから出るべきだった。
琴欧洲はやっと勝ち越してカド番脱出。今場所の相撲内容からは、いっそ負け越して大関から落ちた方がこの人のためになるとも思ったが。

昨日の相撲で疲れを見せたように思えた白鵬だが、今日は速い勝負を心がけたようだ。
立ち合い突いて出て右四つになったが、上手がとれない。琴光喜が左をまきかえてもろ差し。
白鵬としては危ない体勢だったが、相手が攻めに動く前に、とっさに右から上手投げ。これが決まった。
白鵬は、思い切りのよさがよかった。気合いが入っていた。
白鵬が、1敗を守って、とりあえず千秋楽に駒を進めた。

結び、朝青龍魁皇は、魁皇が勝つ状況を想像しづらいと思ったが、やはり朝青龍の完勝。
朝青龍は、かちあげ気味の立ち合いから左差し、先に右上手をとって充分の左四つ。
魁皇は左四つながら上手がとれない。
朝青龍は、休まずに右上手一本で引きつけて正面黒房寄りに寄り切った。
この勝敗は致し方ないところだ。
これで魁皇は6敗。今場所の4大関は、全員が2ケタに届かない結果となった。

1敗 白鵬朝青龍

これで、千秋楽結び、横綱同士の相星決戦となった。
白鵬横綱に昇進して、一人横綱が解消され、両横綱による優勝争いが待望されていたことからは、理想的な展開になったと言える。
しかし、今場所、このような形になったのは、意外であった。
2場所出場停止の朝青龍。ここ数日の相撲を見ると、まったくかつての朝青龍に戻ったと言える。
2場所、本場所を離れた相撲勘の問題。
相撲勘は、とっている間には戻ると思ってはいたが、今場所1場所の15日間を待たずにとは予想しなかった。
それ以上に、一時期は、人に会うことさえできなかったという報道が真実だったとすればの話だが、トレーニングがちゃんとできていたのかということを懸念せずにはいられなかった。
物議をかもしながらモンゴルに帰国していたのだから、相撲の稽古はしていないわけだし、身体能力を落とさないためのトレーニングも、どれだけしていたのか疑問だった。
そんなことから、今場所、朝青龍に優勝させてはいけない、と前に書いた。相撲がそんなに底の浅いものと思いたくなかったのだ。
実際、場所が始まって、早速稀勢の里に完敗し、暗雲が漂った後、ほんのわずかの差で勝敗が分かれただろう、という相撲が続いた。いつ2敗目を喫してもおかしくない状態だった。
しかし、結果として、この終盤、存分の相撲がとれるようになった朝青龍を見て、私としても、認めざるを得ない。
自身、苦しく不安な今場所の日々だったはずだが、それを場所中にここまで立て直してきたことは、やはり大したものだと思う。
やはり、朝青龍という力士はすごい、と認めよう。
さて、その上での明日の相星決戦。
白鵬に変化があったことも、見逃せない。過去2場所、一人横綱として務めていた時とは違う。
出場してきた朝青龍に対抗意識を持ち、負けてはいけない、と考えて場所を過ごしてきたのだろう。
先場所までと比べると、格段に気迫がみなぎっているし、しっかりした強さが出てきたと思う。動の朝青龍、静の白鵬と言われたりしたが、今場所の白鵬は、闘志を表に出し、気迫あふれる表情で相手を圧倒するすごみが出てきたように思う。
そういう点でも、明日の相星決戦への期待は高まる。
熱戦を期待するが、帰趨については、やはり白鵬の返り討ちであってほしい。朝青龍と言えども、2場所休んだら簡単に優勝はできないのだ、という結論が望ましい。
そして、これでは、主役が交代してしまうという一層の危機感を朝青龍が持って、真剣に稽古した上で、3月場所で賜杯を奪回するというのが、一番いいと思う。
千秋楽を前にして、書きすぎたかもしれないが、基本的には明日の一番については、まったくの五分と五分。
さあ。