naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所9日目

妻との間で話題になったのだが、以前は、7月場所はもっと早く始まっていた。基本的には、7月最初の日曜日が初日だったと思う。
5月場所と7月場所の間隔が、一番短いと理解していた。
今年のカレンダーで言えば、7月6日が初日で全然おかしくないのだが、何故か今場所は13日が初日。
何故なんだろう、と考えるに、今日21日が祝日であることが理由か?
つまり、6日が初日なら、昨20日が千秋楽だが、1週間後にすることで、今日の祝日が9日目で場所中にすることができる。興行収入の面ではこれは大きいのだろう。

今日のスポニチに、今場所白鵬が優勝したら、年6場所の内、これまで唯一優勝していない7月場所を制することになる、という記載があった。
過去、年6場所のすべてで優勝した力士は9人。白鵬が今場所優勝すれば、10人目になるのだ。
過去の9人は、大鵬(32回)、北の富士(10回)、北の湖(24回)、輪島(14回)、千代の富士(31回)、貴乃花(22回)、曙(11回)、武蔵丸(12回)、朝青龍(22回)(カッコ内は優勝回数)。
6場所の内訳回数の表が載っていたのだが、面白いと思ったのは、貴乃花朝青龍、同じ優勝22回を数える両横綱の、6場所の優勝回数内訳が、まったく同じだということだ。
  1月 4回   3月 4回   5月 3回   7月 4回   9月 3回   11月 4回

豊響は、ますます調子が上がってきた。頭からいい当たりを見せ、文句なしの押しで、栃ノ心電車道

栃煌山は、千代白鵬との前さばきの応酬の中で僅かに足が流れ、ひきおとしを食った。

木村山は、立ち合い左からいなして出島を崩し、後はいい突きで押し出した。
立ち合いの変化をせず、豊響のようにまともに押せるような相撲を望みたい。

豊馬将旭天鵬は、立ち合いすぐに右四つ。豊馬将も上手をとったが、先に動いたのは旭天鵬。左上手から振って寄ると、豊馬将の上手が切れてしまい、そのままあっさり白房下へ寄り切り。
熱戦を期待したが、やや一方的な相撲になった。

鶴竜は、立ち合いからうまく二本入って把瑠都に食いついた。把瑠都は例によって後手にまわりながらも、左右の上手をがっちりとって構える。
鶴竜が寄って出るところを、把瑠都は左上手から振りまわしてのつりだし。
巨体を利してつかまえ、相手の出方に応じて振りまわす相撲は、把瑠都にしてみれば、筋書き通りなのかもしれない。そういう相撲でも、地力が同格か下の相手なら、ある程度星をあげることができるだろう。
しかし、昨日も書いたが、そういう相撲で毎日を過ごし、地位を保つだけの力士生活に、一体意味があるのか。把瑠都が、こういう言われ方が心外であるなら、明日からもっと攻める相撲をとってもらいたい。

朝赤龍栃乃洋は、今日一番いい相撲だった。
先手は朝赤龍。立ち合い左差し、右からおっつけて、栃乃洋が力の出る左を徹底して殺す。朝赤龍が前に出て攻め、栃乃洋がしのぐ場面を繰り返す。
下に入った朝赤龍、ちょっと辛抱しきれなくなったか、一旦体を離して相手を押し上げようとしたが、これが悪く、栃乃洋は右上手をとり、左ものぞかせる格好。朝赤龍も上手をとったが、体勢としては悪くなった。
しかし朝赤龍はあきらめず、左下手からひねったり、右上手から投げたりして、栃乃洋の右上手を切ることに成功し、右からの出し投げで後ろにまわって送り出した。
本当に両者いい相撲だった。

安美錦が、雅山にびっくりするような相撲をとった。安美錦は、立ち合いから右のどわ、左はずで雅山を一方的に押し込んだ。
2敗と好調の雅山は何もできず。重い雅山を一蹴したという相撲だった。驚いた。
こういう相撲がいつもとれれば、四つ身のうまさもある人だし、大関もねらえる。

北勝力が、今日は割合に威力のある突きで豊ノ島を押し込んだ。
豊ノ島は危なかったが、向正面の土俵際に詰まったところで、体を開いて北勝力を泳がせ、後ろにまわった。
豊ノ島としては、もくろみ通りにはいかなかったかもしれないが、余裕は感じられた。

琴奨菊稀勢の里の一番は、稀勢の里が右から張って左差し、上手も速く、休まずに引きつけて寄って出た。
琴奨菊は、右から絞って寄り返したいところだったが、それができず、稀勢の里が上手投げで決めた。
稀勢の里としては、まずまずの相撲ではあるが、この相撲を観ても、これが稀勢の里にとってベストの相撲であるのか、疑問がある。

1敗の安馬と、8戦全敗の若ノ鵬の一番は、予想外の展開。
安馬は、左右ののどわで突き上げにいったが、若ノ鵬は、久しく封印していた変化。かわすというより、真上の飛び上がるような立ち合いを見せた。
安馬もさすがに少々あわてたか、二本入れて寄れればよかったのだが、密着しにいった際に、はずみで若ノ鵬が右を深く差して下手もがっちりとってしまった。
安馬は腰が入ってしまい、左から上手投げを打つしかなく、若ノ鵬に体を浴びせられた。
上背の差、ほんのちょっとしたタイミングの綾。ケガ負けだ。
若ノ鵬としては、勝負そのものは、変化が功を奏した格好。これがほめられるかどうかはまったく別だが。
それにしても、全敗の平幕力士が、優勝争い二番手を走る関脇を食うとは、相撲は本当にわからない。
安馬は痛い2敗目。

魁皇千代大海は、踏み込みは千代大海。その後も千代大海が突いて出ると、魁皇はあてがって応戦するも、土俵際に下がる。
次の瞬間、千代大海がはたいて決めた。魁皇が前に出ようとしたハナをとらえてはたいたというよりは、千代大海側に、突きで決めようという頭がもともとなく、追い込んだところで自分からはたきにいくことを考えていた感じだ。

琴光喜普天王は、琴光喜がまずい相撲で2敗目。
立ち合いに、右も左も差すことができず、あわてたか、普天王の左かいなをたぐりにいった。そこまではよかったが、まわしをとって体勢を作ることなく、ただ前に押して出たため、普天王のはたきを食ってしまった。
それにしても、何故琴光喜はこういう相撲をとったのか。安馬が敗れたことで、何かの意識があったか。
あわてて前に出てしまう、この人の悪癖が大切なところで出た。
昨日の必死のいい相撲がまったく帳消しだ。

琴欧洲は、今日は相手をよく見ていた。立ち合い、豪栄道は、左にまわって崩そうとしたが、琴欧洲は、突き放して相手と距離をとり、機を見て左からはたいておいて、押し込んだ。
相手が小さいだけに無理に組みにいかなかったのがよかった。

結び、白鵬若の里は、横綱の完勝。
白鵬は、立ち合い接触した瞬間に右差し左上手。若の里に上手をとらせず、すぐに上手投げ。
まったく問題なし。今日は強かった。

1敗力士がいずれも敗れ、9日目にして星二つの差。先頭を走るのが横綱とあっては、独走気配。

全勝 白鵬
2敗 琴光喜千代大海安馬