naokichiオムニバス

69歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所千秋楽

旭天鵬は今日も流れよく左四つ。嘉風もまきかえたが、旭天鵬は外四つもかまわず出て2ケタ。来場所、上位での相撲に期待したい。

高見盛は、将司とうまく右四つに組んだが、将司が思いきった河津掛けで2ケタ。貴ノ浪が引退して以後、なかなか河津掛けを見る機会がなかったので、久しぶりだ。
それにしても、新入幕で2ケタの将司、三賞の声はかからなかったのか。

鶴竜玉乃島、7勝7敗同士の対戦は、鶴竜がはたいて勝ち越し。鶴竜としては、ますます力をつけて、来場所、もっといい相撲をとってもらいたいものだ。

敢闘賞の豊響は、押す前に露鵬にはたかれてしまった。今場所の豊響は、最初と最後がだめだった。

栃煌山時天空は、時間いっぱいから栃煌山がつっかけ、時天空はそれを受けなかった。そこまではよくあることだが、別に強く当たられたわけでもないのに、時天空栃煌山の足を手で持ち上げるようにして倒した。この行為はまずくないか。先場所千秋楽の結びのあの一番が問題にされるなら、それ以上に、ここでの旭天鵬の行為はありうべからざることのように思った。
2回目の仕切り、栃煌山が左からおっつけて出て、一方的に決めた。時天空の中に、まずいことをした、という精神的な影響があったか。

栃ノ心普天王は、栃ノ心が右四つに組み勝ち、赤房下に寄りながらの左上手投げ。きわどい勝負となり、軍配は栃ノ心も物言い。普天王の体が飛んでいたと見たが、協議の結果は取り直し。
取り直しの一番は、普天王が立ち合い右前まわし。栃ノ心も左上手をとったものの、普天王が二本入れて西へ出た。

今場所、地力に陰りを感じた雅山が、今日はいい突き。朝赤龍もしのいで左前まわしに手がかかったが、雅山はすぐそれを切った。突き合いの中で、朝赤龍が辛抱しきれずに弾いてしまい、雅山がついていった。

7勝7敗、勝ち越しのかかる栃乃洋は、若ノ鵬のめちゃくちゃな突きからのはたきに落ちてしまった。もったいない相撲を落として、負け越し。

安美錦は、いい攻めだったが、左足を飛ばしたのがからぶりとなり、北勝力にひきおとされた。策士、策に溺れた一番。

稀勢の里が、左差し手をつきつけて向正面に出た。豪栄道は、左を差されて小手に振って相手を呼び込んでしまった。負け越し。来場所の出直しを期待したい。

琴奨菊豊馬将は、豊馬将が立ち遅れ、当たってからすぐに右に体を開いてのつきおとし。豊馬将としてはまったくほめられない相撲。帰ってから師匠に相当しぼられただろう。琴奨菊は三役残留がなくなる、痛い9敗目。

技能賞の安馬は、11勝に乗せておきたいところだったが、琴光喜戦同様、作戦ミスだと思う。
左右からののどわにいったが、長身の把瑠都相手にこれはまずい。押し切ることができず、把瑠都は下からはねあげて、いっぺんにもっていった。
安馬の突き押しに威力がついてきているのは事実だが、琴光喜戦、今日の把瑠都戦に関しては、やはり小兵力士としての謙虚さが欠けた。
これで把瑠都は2ケタ。個人的には気に入らないが、来場所の新三役が確定的となった。

千代大海豊ノ島は、過去豊ノ島の4戦4勝。
豊ノ島は、千代大海の突きをこらえて、右を深く差し、一方的に寄って2ケタ。殊勲賞に花を添えた。

魁皇琴光喜は、立ち合いに琴光喜がすぐ右上手をとり、出し投げで崩して後ろにつくと、魁皇は何もできなかった。琴光喜は11勝。まずまずではあるが、9日目、最終的に3勝12敗で終わった普天王に敗れた一番が、いかにも悔やまれる。

結びは、白鵬全勝優勝なるか、という一番。仕切りの表情は、ちょっと気合いが入りすぎているように見えて心配したが、立ち上がってからは、昨日までとまったく変わらないいい相撲。
立ち合いすぐに左上手をがっちりとり、琴欧洲に上手を与えない。これで、勝敗はほぼ決した。
琴欧洲は左をまきかえてもろ差しとなったが、白鵬も左をまきかえる。非凡だと思ったのは、この時の腰の沈め方だ。
後は、昨日の琴光喜戦同様、今日も相手を腰に乗せての上手投げ。連日、大関相手にかなりの力の差を感じさせる投げっぷりだった。
琴欧洲は2ケタに届かず。今日の負けは仕方がないとして、来場所以降につなげるためには、昨日勝っておくべきだった。結局、先場所の優勝が突然変異だったということになりかねない。

三賞

殊勲賞 豊ノ島
敢闘賞 豊響
技能賞 安馬

昨日書いたが、豊響に技能賞、という思いが残る。将司に何もなかったのも気の毒だ。

番付予想。

三役
    東   西
横綱  白鵬  朝青龍
大関  琴光喜 琴欧洲
大関  魁皇  千代大海
関脇  安馬  豊ノ島
小結  雅山  把瑠都

幕内と十両の入れ替え

陥落:玉春日光龍土佐ノ海 ベテラン2人の陥落はさみしい
昇進:玉鷲春日王北太樹

十両と幕下の入れ替え

陥落:片山、若荒雄、玉飛鳥
昇進:山本山安壮富士若天狼

今場所の白鵬は、前半戦の相撲については、放送でしきりと絶賛されるほどいい内容とは思わなかった。内容的には、先場所、安馬に敗れるまでの方がよかった気がした。
しかし、後半戦、終盤にきての相撲は、非常に強かった。特に大関戦、常に相手よりは先手をとり、相手を上回る相撲をとっていたのには、感服させられた。
結果として、白鵬は、朝青龍と覇を競っての優勝というのが少なく、今回も朝青龍不在の状況での優勝となった。それが物足りない気もするが、思ってみれば、朝青龍の22回に達する優勝も、それに近い状況でのものではある。
来場所以降、朝青龍がどうなのか。そもそもやる気の面が下降気味に見えるのに加え、フィジカル面の衰えも隠せないように思う。今後、朝青龍が、白鵬と優勝を争うレベルにまで復調できるのか、心配なところがある。できれば、あと1年か2年は、両横綱がしのぎを削る優勝争いを見たいのだが、ちょっと難しいかもしれない。
となると、刈屋アナ得意の「青白(しょうはく)時代」は訪れぬまま、白鵬独走の時代になる可能性も高い。
追う大関は、今場所4人とも勝ち越し、来場所は、ちょうど1年ぶりにカド番大関がいない場所となるが、琴光喜の11勝はまずまずとしても、残り3人が揃って9勝止まりでは、白鵬に追随できそうにない。
先場所大きく変わったかに見えた琴欧洲の今場所の相撲には、本当に落胆した。先場所、別人のようになったと思われた琴欧洲が、実は、先場所だけが別人だった、と言わざるを得ない状況は、本当に痛い。

次の大関も、なかなか出てきそうにない。一応、今場所10勝の安馬がスタートラインに立ったとは言えるが、今日11勝に乗せられなかったことは、案外、安馬の現状の力量を語る上で大きいのではないかと思う。
琴奨菊稀勢の里が失速した今場所、むしろ豊ノ島の方に期待が持てるようにも思うが、かと言って、豊ノ島白鵬を脅かす存在になっていくかどうかまではまだ即断できない。

どのような展開になるにせよ、私個人としては、白鵬には、朝青龍を上回る優勝回数に到達してほしいと思っている。
今の状況なら、年間最低4回の優勝は可能だろう。あと4年あれば、朝青龍に並び、抜けると思う。