スポーツの世界では、「両雄並び立つ」ライバル関係が、観る者にとって大きな楽しみとなる場合がある。
その後、今日に至るまで、相撲でも野球でも、様々なライバルが時代を彩ってきたが、柏鵬、ONほどの組み合わせの妙はないように思う。
何故かと考えると、それは「対照の妙」だと思い至る。
つまり、この対照の妙というのは、「オーソドックス」と「型破り」の組み合わせに発しているように、私には感じられる。
ピンク・レディーを聴き始めて間もなく気がついたのは、二人のヴォーカルの組み合わせの妙だった。
かわいらしく清潔感がある、高い声域のミー。
しょっぱい感じのハスキーな、低い声域のケイ。
オーソドックスなのは、ミーの方だろう。
しょっぱい感じのハスキーな、低い声域のケイ。
オーソドックスなのは、ミーの方だろう。
この二人が一緒に歌うことで出てくる魅力を強く感じた。
私がビートルズの音楽を聴き始めたのが、たまたま、大学3年の秋だった。
ビートルズはもちろんもう解散してしまっていたが、これからビートルズのアルバムを買い集めて、ちゃんと聴こうと決心して、「サージェント・ペパーズ」を皮切りに聴き始めたのだった。
ビートルズはもちろんもう解散してしまっていたが、これからビートルズのアルバムを買い集めて、ちゃんと聴こうと決心して、「サージェント・ペパーズ」を皮切りに聴き始めたのだった。
ケイ以上に塩味のジョンのヴォーカルと、オーソドックスな美声のポール。
彼らについては、書く作品の個性の違いも大きい。
このジャンルの音楽には詳しくないが、「ロック!」という感じがするのは、ジョンの方。
ポールの作品は、もっとポップス寄りのような気がする。
このジャンルの音楽には詳しくないが、「ロック!」という感じがするのは、ジョンの方。
ポールの作品は、もっとポップス寄りのような気がする。
それらが交互に出てくるビートルズのアルバムは、やはりすばらしいと思う。
最初に買ったアルバムは「ジャンクション」。
中の歌詞カードを見て、小田和正という人と鈴木康博という人が曲を書いていることを知った。
二人の写真が載っていたが、どちらが小田でどちらが鈴木かもわからない状況だった。
中の歌詞カードを見て、小田和正という人と鈴木康博という人が曲を書いていることを知った。
二人の写真が載っていたが、どちらが小田でどちらが鈴木かもわからない状況だった。
オフコースの場合も、声質の対照の妙が非常にあった。
オーソドックスな美声であるのは鈴木さん。
そして、小田さんも美声ではあるが、きわだって個性的だ。
(ついでに言うと、ファンクラブの会報に、小田さんと鈴木さんが、毎号肉筆でファンへのメッセージを書いていたのだが、二人の字が、これまたいかにも、という感じだった。一般的な意味で達筆なのは鈴木さんで、書き方も楷書風の丁寧なものだった。小田さんの字は、もちろん上手だが、草書風でもっと個性的)
そして、小田さんも美声ではあるが、きわだって個性的だ。
(ついでに言うと、ファンクラブの会報に、小田さんと鈴木さんが、毎号肉筆でファンへのメッセージを書いていたのだが、二人の字が、これまたいかにも、という感じだった。一般的な意味で達筆なのは鈴木さんで、書き方も楷書風の丁寧なものだった。小田さんの字は、もちろん上手だが、草書風でもっと個性的)
5人バンド時代の途中から、松尾(一彦)さんも曲を書いて、ヴォーカルをとるようになったが、申し訳ない言い方になるものの、やはりこれは異質な「第3のもの」という印象を拭えなかった。
だから、鈴木さんが脱退して、4人で活動を再開したオフコースは、やはり大きな魅力をそこで失ったと言わざるを得ない。
この時代にも多くの傑作はあるのだが。
だから、鈴木さんが脱退して、4人で活動を再開したオフコースは、やはり大きな魅力をそこで失ったと言わざるを得ない。
この時代にも多くの傑作はあるのだが。
このように、ポップス系の音楽を聴いてきて、幅を持った二人の個性がブレンドされることで、互いの個性を生かし合って、「1+1=2」でない魅力を生むことを、何度か経験してきた。
そしてもう一つ、私にとってそうした大切なコンビネーションが、先日3回目の再結成をしたSPEEDだ。
この二人がSPEEDで一緒に歌うと、ちょっと甘ったれた感じで出される島袋の直線的な声と、ヴォーカリストとしてはより円満な今井の声が交互にぶつけられてくることで、言い難い魅力が生まれる。
SPEEDは、やはり4人いてこそ、という気がする。
申し訳ないのだが、私は、メンバーのソロワークのアルバムは、やはりSPEEDのものほど熱心に聴く気になれない。ソロでのライブにも足を運んだことはない。
申し訳ないのだが、私は、メンバーのソロワークのアルバムは、やはりSPEEDのものほど熱心に聴く気になれない。ソロでのライブにも足を運んだことはない。
その意味でも、今回の再結成はとても嬉しい。
以下は、テーマとまったく関係ない余談。