９月場所２日目

栃ノ心は、嘉風が突き押しで離れてとろうとするのに応戦、右四つにつかまえた。
その後つったが、一旦おろしたのは、つり方を知らないということだ。もっとも、最近は日本人力士でもめったにつる相撲はとらないから、教えてもらっていなくても仕方がないところだが。

幕内前半戦でいい相撲をとったのは、玉乃島、出島、普天王。いずれも一気の出足が光った。

今日も、立ち合いの手つきについては、判断のバラツキが見られた。
将司戦での豊響のチョン立ちは、いくら何でも止めるべきだと思ったが、成立。

栃煌山が今日も前さばきよくもろ差し。時天空を向正面に寄り倒した。いい相撲だった。

豪栄道もうまい相撲。一旦とった両前まわしを安美錦に着られたが、左からいなして崩し、上手をとって寄った。

安馬は、低く突っ込んでもろ差し。一気に出たが、鶴竜の小手投げにやや早く落ちた。もう少し体重があったら、という一番。ケガ負けという感もあるが、不用意に喜んで出過ぎたのが敗因。

豊ノ島は、立ち合いいいタイミングで飛び込み、左差し右前まわしでくいついたが、栃乃洋の得意の左下手投げを食った。
ＮＨＫ正面解説の舞の海さん指摘の通り、豊ノ島としてはもろ差しになるのがベストで、ちょっと具合が悪い格好だった。

琴光喜と旭天鵬は、立ち合い琴光喜が右差し、琴光喜の左と旭天鵬の右のせめぎあいとなったが、旭天鵬の気持ちがそこだけに集中したところを、琴光喜が内無双。
琴光喜らしいうまさが出たとは言えるが、この大関にはもっと豪快な相撲を望みたい。

千代大海は、いいタイミングで立ったのが勝因。もともと分のいい稀勢の里をいっぺんに押した。左はずが効いた。

魁皇は今日は朝赤龍に無難な相撲。立ち合い左を差し、右も入れようとしたが果たせず、とりあえずかかえておいて、そこから右上手をさぐり、一旦は切られたが取り直して寄った。

琴欧洲は、いい立ち合い。左前まわしが早く、いい形を作ったと思ったが、その瞬間、把瑠都が左から振りまわして体を入れかえて出た。
琴欧洲として取り口に特にまずいところがあったわけではない。強いて言えば、右上手が一枚だったことだが、取り直すいとまも与えずに振りまわした把瑠都の動きが、琴欧洲としても予想外だっただろう。
長身の琴欧洲が、それ以上に大きな相撲をとられてしまったという一番。
琴欧洲の相撲自体は決して悪くはなかったと思う。

白鵬は余裕たっぷりの相撲。雅山の突きに対して、右足を前に出す構えで動じず、相手をよく見ながら、左をたぐって崩し、正面に送り出した。
どうこられても大丈夫、という余裕を感じた。

朝青龍は対照的に苦しい相撲だった。立ち合い左前まわしは早かったが、琴奨菊相手に左四つになることを嫌ったか、右をのぞかせてもろ差しねらい。
しかし、琴奨菊も左右からしぼってきめ、朝青龍としてはきゅうくつな格好。
それでも、少しずつゆさぶりながら、左右の差し手を深くして、最後は右からすくった。勝負をつける時に、ひじが痛い左は使わなかったが、それでも勝った後に、左のひじを相当痛そうにしていた。
まだまだ心配な相撲だった。
連勝スタートではあるが、対照的な両横綱だ。