幕内最初の2番を裁いた行司(ちょっと名前がわからないのだが)が、手つきに極度に厳しかった。
豪風(対垣添)、玉鷲(対千代白鵬)がチョン立ちで止められたが、昨日まで、この程度で立ち合い成立としてもらった力士はいくらもいる。
豪風(対垣添)、玉鷲(対千代白鵬)がチョン立ちで止められたが、昨日まで、この程度で立ち合い成立としてもらった力士はいくらもいる。
次の一番、春日王は、確かに止められても仕方がないチョン立ちだったと思うが、春日王にしてみれば、土俵上時間いっぱいの状況で、自分に身についた立ち合いを変えろと言われるのも、また酷な話。
大体、春日王の場合は、韓国から入門して、これまでの立ち合いしか知らないのだ。教えなかった方も悪い。それを、今場所突然に、ちゃんとしろと言われても、何かちゃんとなのか、わからないのではないか。
結局、昨日の豪栄道と同じで、精神的にドツボにはまった感じで、一体どうしたらいいのか、という様子だった。
ようやく立ち上がってからも、動揺から脱することができず、玉乃島に突き落とされて前に落ちた。気の毒な感じがした。
大体、春日王の場合は、韓国から入門して、これまでの立ち合いしか知らないのだ。教えなかった方も悪い。それを、今場所突然に、ちゃんとしろと言われても、何かちゃんとなのか、わからないのではないか。
結局、昨日の豪栄道と同じで、精神的にドツボにはまった感じで、一体どうしたらいいのか、という様子だった。
ようやく立ち上がってからも、動揺から脱することができず、玉乃島に突き落とされて前に落ちた。気の毒な感じがした。
木村山も、そうした相撲が続いた影響で、立ち合いを気にしたか、高見盛にいっぺんに押された。木村山は全勝がストップした。
今回の、「立ち合いの正常化」問題については、毎日書いてきているが、序盤5日目が終わろうというところで、まだこうした混乱が続いていることは、いくら正論から発したものであっても、何かおかしいという思いがする。理由は二つ。
一つは、論点が、「手をちゃんとついたかどうか」にあること。
琴欧洲や琴奨菊に代表されるように、相手に手をつかせておきながら、なかなか自分は手をつかず、じらしたあげくに、自分の呼吸ですばやく立ちたがる力士がいる。以前から、そうした立ち合いはいかにも作戦的で見苦しく、きたないと感じていた。それを是正させるため、両力士に公平に手をつかせることは正しいと思う。
ただ、現状で、もっぱら、土俵に手をどの程度きちんと接触させたかどうかで、止める止めないを判断しているのは、ちょっと違うのではないかという気がする。
最近ファン登録して下さったブロ友さんが、この問題について、高い見識に基づく記事を書かれており、大変ためになった。
その記事にいわく、「相撲の立ち合いというのは、手をついたかつかないかが大事ではなく、相手に合わせようとしたかどうかが問題だ」とのこと。さらに、「垣添という力士は、常に両手をきちんとついて待つが、まったく相手に合わせようとしない力士でもある」と指摘。なるほど、と思った。
私は、手つきが多少充分でなくとも、「互いに公平に立ち上がったかどうか」でみるべきではないか、と思う。
もう一つは、通達から実施までが性急だったことだ。
確かに、かつて、手つき不充分があれば、行司や審判が止めていたのが、最近はさっぱりなくなったことは、私も気になっていた。
しかし、場所直前に理事長が交代したタイミングで、突然この通達が出され、さあ、初日からちゃんとしろ、というのは、ここまでの結果を見ると、言っていることが仮に正しいとしても、進め方としては間違いだったと思う。
先に述べた春日王に限らず、それぞれの力士は、善し悪しは別にして、確立した自分の立ち合いのタイミングというものを持っている。
それを変えさせようとするのなら、まずは本場所が終わった時点で、研修を行って、今後はこういうふうにやれ、ということをよくよく教えるのが本当ではないか。そして、来場所からは、これでなければ不成立とするから、2ヶ月間、部屋や巡業での稽古で、しっかり身につけろ、というのが正しい「是正のやり方」だと思うのだ。
武蔵川理事長が、就任早々、新機軸を打ち出したい気持ちはわからぬではないが、本番直前の通達、即実施というのは、混乱を招いただけのような気がする。
(オケの弦楽器奏者が、本番直前になって、ボウイングを全面的に変更します、と言われるようなもの?)
(オケの弦楽器奏者が、本番直前になって、ボウイングを全面的に変更します、と言われるようなもの?)
まあ、この混乱は、理事長始め協会幹部も認識しているだろうが、さりとて今さら引っ込められないだろう。
結局、今場所は残り10日間も、不公平、混乱がおさまらないまま推移するのだろうか。
結局、今場所は残り10日間も、不公平、混乱がおさまらないまま推移するのだろうか。