あれから20年経つ。
速いものだ。
速いものだ。
前年の9月に吐血されて以降、陛下の病状は、連日メディアで報道され、年を越せるのか、という感があったが、「昭和64年」の正月を迎えていた。
1月7日は土曜日だった。
土曜ということで、会社の休日ではあったが、当時私が所属していた本社の営業部門は、得意先等の対応のため、電話番を交代で置いていた。
そして、その日、私は電話番に当たっていたのだった。
そして、その日、私は電話番に当たっていたのだった。
正月にひどい風邪をひいて、前日の6日は会社を休んだ。部署の先輩が心配して、代わりの電話番を手配したと知らせてくれたのだが、自分の風邪のせいで迷惑をかけるわけにはいかない。
「必ず行きますから」と、そのピンチヒッターを断ってもらった。
「必ず行きますから」と、そのピンチヒッターを断ってもらった。
当日、朝起きると、幸い体調も少し快復していたので、会社に向かった。
「とうとう」と思った。
そして、電話番を終えて退社し、帰宅する途中、駅のホームのキオスクのラック、夕刊紙の宣伝垂れ幕の文字で、新元号が「平成」であることを知ったのだった。
慣れ親しんだ「昭和」に比べると、何か、ふわふわと頼りないような印象を受けたものだ。
64年まで数えた昭和が終わり、新しい元号の「元年」が始まったその時、この「平成」は何年まで続くだろうのかと思ったものだが、年を重ねて21年。
本当に速いものだ。
今上天皇の体調不良が伝えられる昨今だが、ご快復を祈りたい。