１月場所12日目～優勝争いは両横綱

琴光喜が休場。昨日までで９敗では、致し方ないところだ。優勝争い大詰めの白鵬は不戦勝となったが、相撲をとらなかったことが、却ってどうなのか、と心配だ。
ＮＨＫの放送の中では、支度部屋でいつもと同じく立ち合いの稽古などで汗をかいたとのことだった。リズムを崩したくなかったのだろう。

豊真将が鶴竜を引き落として、４連勝で９勝目。一方の鶴竜は、相撲が悪くなってしまった。４連敗で６勝６敗。

２敗の玉乃島が、北勝力に一方的に押された。北勝力は、今場所、ぶれない相撲をとり続けている。今日ももろ手突きからのどわ。よく腕が伸びた。

２敗の栃煌山と３敗の豪栄道。古くからのライバル同士、楽しみな一番は、豪栄道に軍配。
豪栄道の攻めが速かった。立ち合い右から左と前まわしをさぐり、左前まわしのいいところをとった。すかさず、右から投げでふりまわしておいて、右四つ。
互いに上手がとれない体勢となったが、先に上手をとったのは栃煌山。豪栄道の攻めをしのいで、ようやくいい形に持ち込んだかと思ったが、そこから投げで呼び込んでしまい、豪栄道に寄られた。せっかくいい形になったのだから、前に攻めるべきだった。栃煌山としては悔やまれる一番。
豪栄道が終始先手で攻めており、動きでまさった。熱戦ではあったが、内容的にはちょっと開きがあった。

稀勢の里が、今日は万全の相撲。嘉風と突き合っておいてから、左四つに組み止めた。右上手をとるのも速く、青房下へ寄り切った。

カド番の魁皇がめでたく勝ち越し。立ち合いすぐに右から豪風の左をひっぱりこんで、小手に振った。最初から決めていたようだ。

琴欧洲と黒海は、琴欧洲が低く当たって、左を差し、右から相手の左をかかえるようにして、前に出た。安定感があった。

千代大海が、立ち合い左に変わって突き落とすと、日馬富士は大きくたたらを踏んだが、よく向き直って、次の瞬間、すばやく左前まわしに手がかかり、右上手もとった。序盤、負けが混んでいた時は、簡単に前に落ちていた日馬富士だが、千代大海のこの変化を残せたのだから、相当相撲が立ち直ってきたと言える。
後は出し投げで後ろを向かせた。これで日馬富士は６勝６敗。とうとう五分に持ち込んだ。

結びは朝青龍に把瑠都。ここへきての調子の上昇下降は対照的。もう数日前に対戦していれば面白かったが、ちょっと期待が薄れてしまった。
必ず組みたいと支度部屋で語っていたという把瑠都は、立ち合い右に動いて上手をとりにいった。一応上手をとることはできたが、肩越し。把瑠都は上手が多少深くともとれるが、それにしても、たてみつより向こう側をとってしまっては、いくら何でも深すぎる。
しかも、朝青龍はたやすく左を差して、相手の懐に飛び込むことができた。後は、右から把瑠都の左かいなをつかみながら前に出た。
把瑠都としては、どうしても上手がほしかったのだろう。それはわかるが、やはり変化に頼ったことで、上手だけはとれたが、充分な格好にはなれなかった。やはり、まともに攻め合ってから、少しでも有利な形で上手をとるべきだったと思う。今の朝青龍がそれを許したかどうかはわからないが。

全勝　朝青龍
１敗　白鵬
２敗力士がいなくなり、両横綱にほぼ絞られた。朝青龍は、ここにきて、危ない相撲がまったくなくなり、完全に復調と見ていいだろう。白鵬に、今日の不戦勝の影響がなければ、二人ともこのまま千秋楽まで星を落とさずに行く可能性が高いと思う。