naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

大関という地位

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昨年、3月場所終了時に、大関の不成績について書いた。

   ※大関の成績を検討
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/54398609.html

平成20年終了までの成績を加味してみる。

[年間の在位場所中、皆勤した場所がどれだけあったか]

        魁皇       千代大海      琴欧洲     琴光喜
平成14年 6場所中4場所 6場所中5場所 
平成15年 6場所中5場所 6場所中5場所
平成16年 6場所中6場所 6場所中6場所
平成17年 6場所中3場所 6場所中5場所
平成18年 6場所中4場所 6場所中5場所 6場所中6場所
平成19年 6場所中4場所 6場所中6場所 6場所中5場所 2場所中2場所
平成20年 6場所中5場所 6場所中5場所 6場所中5場所 6場所中6場所
  平成20年、及第点は琴光喜だけ。
  但し、その琴光喜も、先の1月場所では休場してしまった。

[年間の皆勤場所中、2ケタ勝った場所がどれだけあったか]

        魁皇       千代大海      琴欧洲     琴光喜
平成14年 4場所中3場所 5場所中4場所 
平成15年 5場所中4場所 5場所中5場所
平成16年 6場所中6場所 6場所中3場所
平成17年 3場所中3場所 5場所中3場所
平成18年 4場所中1場所 5場所中2場所 6場所中3場所
平成19年 4場所中1場所 6場所中3場所 5場所中0場所 2場所中2場所
平成20年 5場所中0場所 5場所中0場所 5場所中1場所 6場所中2場所
  平成20年、及第点は皆無。
  琴欧洲の1場所は優勝だったが、それ以外は全部1ケタ。
  魁皇千代大海は、あまりにも、という感じがする。
  15日間土俵を勤めて、2ケタ勝つことが一度もなかった、というのは・・・。
  これで大関と言えるのか。在位場所記録ばかりが伸びていくことでいいのか。

[年間の皆勤場所中、11番勝った場所がどれだけあったか]

        魁皇       千代大海      琴欧洲     琴光喜
平成14年 4場所中3場所 5場所中3場所 
平成15年 5場所中2場所 5場所中3場所
平成16年 6場所中4場所 6場所中1場所
平成17年 3場所中0場所 5場所中1場所
平成18年 4場所中0場所 5場所中0場所 6場所中0場所
平成19年 4場所中0場所 6場所中1場所 5場所中0場所 2場所中0場所
平成20年 5場所中0場所 5場所中0場所 5場所中0場所 6場所中2場所
  大関の昇進ラインと言われる、3場所33勝。
  平成20年は、わずかに琴光喜が5月と7月の2場所連続で11勝をあげたのみ。

[年間の皆勤場所中の優勝回数]

        魁皇     千代大海    琴欧洲    琴光喜
平成14年 4場所中0回 5場所中1回 
平成15年 5場所中1回 5場所中1回
平成16年 6場所中1回 6場所中0回
平成17年 3場所中0回 5場所中0回
平成18年 4場所中0回 5場所中0回 6場所中0回
平成19年 4場所中0回 6場所中0回 5場所中0回 2場所中0回
平成20年 5場所中0回 5場所中0回 5場所中1回 6場所中0回
  朝青龍白鵬が優勝を分け合う中、平成20年は、琴欧洲が5月場所で優勝。
  一矢を報いた感じだったが、その後、9勝、9勝、8勝と惨憺たる成績。
  今のところは、フロック優勝という感じだが、先の1月場所の10勝が浮上の契機になるか?

平成20年、大関の成績は、琴欧洲が1回優勝したのが光るものの、基本的に相変わらずだったと言える。

昇進口上で、「大関の地位を汚さないように」と、誰もが口にする。
しかし、現時点で見ると、大関の地位を汚していないと言える大関は、一人もいないと言っていい。
魁皇千代大海の両大関は、確かに、大関にふさわしい成績をあげた時期もあるが、今は、在位場所記録だけを伸ばす、「余生」を送っているだけ、と言わざるを得ない。

大関の地位にふさわしい成績とは、と考えた時に、やはり最低11勝だろう。10勝では不足だと思う。
10勝5敗を、2年、3年続けても、大関には昇進できないのだから。
最低11勝はあげ、2場所に1回くらいは、優勝争いにからんでほしいものだ。

あるいは、優勝はできないまでも、優勝を争う横綱に土をつけるのが、横綱に次ぐ地位である大関に期待されるところだが、先の1月場所でも、日馬富士白鵬に勝ったのみ、それ以外の横綱大関戦は、すべて横綱が勝っている。

と、あれこれ酷評を書いてきたが、実は、仕方がないのかな、という気もしてきた。

というのは、大関の地位にふさわしい成績をあげられる大関は、遠からず横綱に昇進するからだ。
そして、横綱に昇進した力士は、陥落がない地位にあって、それにふさわしい成績をあげざるを得ない。できなければ引退するだけだ。

一方、関脇で3場所33勝レベルの好成績をあげた力士は、大関に昇進させざるを得ない。

となると、構造的には、必然的に、「通常の関脇レベルはクリアしたが、横綱レベルには達しない力士」が、大関の地位に「溜まっていく」ことになるのだ。

加えて、上で書いた横綱大関戦にしても、長く横綱大関という地位で対戦し続ければ、互いの手の内はわかりつくす。そうすれば、地力が上の横綱が有利なのは当然で、むしろ、その場所に勢いのある関脇以下の力士や新鋭の方が、横綱にとってはこわいことの方が多いだろう。
つまり、この点でも、大関はある意味で下位の力士より不利なポジションにあるのかもしれない。対横綱戦で、今なら2敗してしまう可能性が低くないからだ。

そして、大関同士の対戦がある。大関の中で図抜けた存在であれば、横綱になるわけだから、大関同士の対戦は、勝ったり負けたりになる構造だ。今のように5人も大関がいれば、そこでまた2敗くらいはする。
これに、下位へのとりこぼしが加わると、10勝、11勝をあげることは、なかなか難しい、という状況になる。

うーん。

大関って、大変なんだ・・・。

2場所連続で負け越さないと陥落しない、という現制度(昔は3場所連続だった。2場所になった時にはずいぶん厳しくなったと感じたものだが)が甘い、とよく言われる。
これを仮に、「2場所連続で10勝できなかったら陥落」にしたら・・・?

平成20年だけの成績だけで見ても、大関は一人もいなくなってしまう(笑)。

うーん。

要するに、部長にはとてもなれないし、日頃だめな課長だと二言目には言われているけど、平に降格はさせられない、って感じ?

総論で言えば、もう少し、下位力士に星を落とすことなく、現状よりはせめて2つ、白星を上積みしてほしい。これをまず望む。
中盤まで、好成績でいれば、大関同士の対戦、横綱戦にも、はずみがつくだろう。

つまり、全体的な成績の底上げだ。それができれば、時たま優勝に手が届く大関も、今より出てくるだろう。

各論。

魁皇千代大海には、もう出処進退を考えてほしい。
繰り返すが、彼らは大関として立派な実績をあげたと思う。しかし、現状では、この先、常に2ケタ以上の星を安定してあげられるとは思えない。まして、今後優勝することがあるとも思えない。
4年も5年も6年も優勝から遠ざかり、皆勤しても8勝、9勝しかできない現状を、彼ら自身どう考えているのか。
休場してはカド番に追い込まれ、終盤に辛うじて勝ち越しては、陥落を免れて延命。
実績ある大関だからこそ、文字通り「大関の地位を汚さないように」、このへんで潔く引退を考えるべきではないか。
厳しい言い方になるが、魁皇がカド番のたびに口にする、「関脇に落ちたら進退を考える」というのは、大関の心構えとしては、甘くはないか。

琴欧洲日馬富士、若い両大関には、まだ期待はしたい。
琴欧洲の1月場所の内容は、途中までよかった。優勝した場所の相撲を思い出して、また伸びていけるか、平成21年は正念場だ。
日馬富士も、新大関の場所、4連敗スタートから勝ち越したのは立派だが、大関として及第点の成績でないことは言うまでもない。小兵だけに、大関昇進の勢いがなくなった時に、下手をすると、ただの人になってしまいかねない。日馬富士にとっても、平成21年は正念場だ。

琴光喜は、どうしても精神面。安定した相撲がとれないことと、年齢を考えると、この先多くは望めないと思う。できれば、大関として1回優勝してもらいたいところだが・・・。