久しぶりに、
四股名らしい、いい
四股名だなあ、というのが第一印象だった。
「福岡」は本名であって、出身地は島根。
地元の地名、「
隠岐」を使って、「の海」で締める。伝統的な
四股名のパターン。
5文字であるのも、読みやすいし、また、「おきのうみ」という響きも良い。
私のようなオールドファンには、非常に「安心感」のある
四股名だ。
昨今、気になるのは、
四股名に「音読み」が多いことだ。
まあ、これは今に始まったことではない。
先鞭をつけたのは、
漢書から「
大鵬」だとか「
麒麟児」だとかを弟子につけた、当時の
二所ノ関親方だろう。あのあたりから、音読み傾向の
四股名が増えてきたように思う。
例えば、「鶴」の字などは、鶴ケ嶺(つるがみね)だと味わいがあるが、自分の息子に
鶴嶺山の
四股名をつけて、「かくれいざん」と読ませた時には、違和感をおぼえたものだ。そもそも「山」を「ざん」と読ませることにも抵抗がある。
やはり、日本の国技の
四股名であるからには、漢語みたいな固い響きでなく、日本の言葉の美しさが感じられるものが好ましいと思う。
「ゴーエードー」、「カクリュー」などという響きの後に、
岩木山だとか
山本山だとか聞くと、ほっとするじゃないですか。
新十両の
隠岐の海がどういう相撲をとる力士なのか、まだよく知らないのだが、強くなって、早く幕内に上がってきてほしいものだ。