これまで、我々のオケでは、日頃お世話になっているトレーナーの先生にソリストをお願いして、コンチェルトを演奏してきた。
そして、今回、管トレーナーのK先生のフェラーリである。
10年来、お世話になっているK先生と、是非コンチェルトを、と常々皆で願っていたのが、やっと実現した。
(K先生に、定期演奏会の指揮をしていただいたことはある。「エニグマ変奏曲」、「エロイカ」他。01年7月のことだった)
(K先生に、定期演奏会の指揮をしていただいたことはある。「エニグマ変奏曲」、「エロイカ」他。01年7月のことだった)
きっと、そのへんのレパートリーを演奏されるのだろう、と思っていたら、今回は、K先生のたってのご希望で、フェラーリが選ばれた。
入手した音源を聴いてみたが、第一印象は、「地味~な曲だなあ・・・」。
ファゴットという楽器の音色自体が、コンチェルトのソロ楽器としては、ピアノやヴァイオリンに比べて、少なからず地味なところがあるのは事実だ。
そして、このフェラーリの曲は、一般的な意味でイメージされる「コンチェルト」とは違っている。
原題には、「Suite Concertino」とあるので、「協奏」の意味合いはあるのだろうが、コンチェルトに普通つきものの、その楽器の名技、ヴィルトゥオジティを聴かせる、という要素は薄い。
原題には、「Suite Concertino」とあるので、「協奏」の意味合いはあるのだろうが、コンチェルトに普通つきものの、その楽器の名技、ヴィルトゥオジティを聴かせる、という要素は薄い。
少なくとも、私個人の、この曲に対する当初の印象はそうだった。音源で聴いている限り。
しかし・・・!
2月の岩井での合宿で、初めてK先生と合わせ、今日まで、何度もやってくる中で、演奏するたびに、いい曲だなあ、と思う気持ちを毎回強めてきた。
特に、1楽章と3楽章。
「地味」かもしれない。しかし、「滋味」あふれる、本当に美しい音楽だ。
今回、K先生とこの曲を演奏できることは、大きな喜びである。
(K先生も、これまで、ピアノ伴奏で演奏されたことはあるが、オケとの演奏は初めてなのだそうだ)
(K先生も、これまで、ピアノ伴奏で演奏されたことはあるが、オケとの演奏は初めてなのだそうだ)
今回のプログラム、よく知られたベト1と、派手な「展覧会の絵」のはざまで演奏されるこの曲。
会場に聴きにきて下さる方で、初めてこの曲を聴かれるという方は、日頃の「コンチェルトを聴く」時の気持ちを脇に置いて、じっくり味わっていただきたいと、心からお願いする。
あ、この曲の2楽章、井上陽水の「氷の世界」に入っている「自己嫌悪」を、そして4楽章は、「まちぼうけ」を連想せずに聴くことは、難しいかもしれません(笑)。