naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

オケ本番の帰りに救急車

23日(日)、浦安オケの定期演奏会本番。その夜の帰途での事件、というか事故(「パソコンにビール」事件と言い、このとこ事故が多いな・・・)。

お恥ずかしい話なので、あまり詳しくは書きませんが。と言いつつ・・・。

京葉線、某駅の階段で、転んだ。

転んだ、っていうか、階段を下りていて踏みはずし、前につんのめる格好(すべり台を降りる格好じゃなくて)で、転げ落ちた。

とっさのことに、何の対応もできず、数段分転げ落ちたあげくに、顔で止まった。

ばきっ、と音がして、上の前歯が1本、折れて落ちたのがわかった。出っ歯だからねえ・・・。

いやいや、転んじゃったよ、と思いながら、起き上がったが、口から、ぼたぼたぼたぼたと血がしたたり落ちた。

ちょうど、若い男性の3人組が通りかかって、大丈夫ですか、と声をかけてくれた。

えらいことになった、と内心思いつつも、人間、やはり見栄をはりたい気持ちになるもので、ああ、すみません、いやいや、でも大丈夫ですから、と答えた。
しかし、彼らとしては、ぼたぼたぼたぼたの血を見て、びっくりしたようで、駅員さんを呼びに行ってくれた。

駅員さんが駆けつけて、救急車呼びますから、と言う。

え、そんなおおげさな、と思って、いやいや、大丈夫ですから、とは言ったものの、何ごともなかったように立ち上がって、では失礼します、という行動がとれる状態でもなく・・・。

そうこうする内に、改札口の方からストレッチャーが運ばれてきて、あらら、と思う間に、救急車に乗せられることになった。

楽器他、荷物がいくつかあったのだが、それは駅員さんが運んでくれるという。
「すみません、そこに落ちてる歯も持ってきてくれますか」とお願いした。
駅員さんが、階段に流れ落ちた血を拭いてくれていた。

これまで、会社の同僚とか、妻につきそう形で救急車に乗ることはあったが、自分が患者の立場で乗るのは初めて。

救急隊の人が、患者に対して、名前や生年月日を質問することは、以前のつきそいの時に経験していた。
今回は自分自身がその質問をされているんだ、と思いながら答える。

救急隊の人が、電話連絡をして、受入先をあたっているのが聞こえる。
最初にあたった病院に断られたみたいで、次に連絡がとれた病院へ。

到着してからは、色々検査をされた。
顔面を打っている、という情報が伝わっていたからだろう。

あちこちレントゲンを撮り、CTも撮った。
尿検査、血液検査。
途中から、点滴がつながれた。

ただ、どこかが痛くてたまらないということではなかったので、言われるままに、はいはいと、車椅子に乗ったり、CTの撮影台に上がったり、よく言えば気丈に、どちらかというと結構気楽な感じで対応した。

その内、「奥さんが見えましたよ」という声が聞こえた。
この時は、ほんとに、あちゃー、と思いましたね。
「面目ない」というのは、こういう時に使う言葉だな、と思った。

突然、救急隊から電話がかかってきて、「ご主人が病院に運ばれました」って言われたら、ねえ。
どんな思いで、病院にかけつけたかと思うと・・・。
合わす顔がない、っていうか。
(でもね、後で聞いたら、「命に別状はないです」と伝えられた後に、「歯が1本抜けまして」と言われた時に、思わず電話口で噴き出してしまったとのこと。てっきり、自前の歯ではなく差し歯がとれたくらいに思ったのだそうだ)

ひと通りの処置が終わり、出血止めのガーゼを口に噛まされる格好で、帰宅することになった。

頓服等の錠剤を3種類もらってきたので、痛くはないが、念のため飲んで、とりあえず寝た。

一夜明け、24日(月)。この日は、もともと予定があって、休暇をとっていたが、もちろんその予定はキャンセル。

ゆうべの病院からは、もう一度来て診察を受けるように言われていたので、妻につきそわれて、出かけた。

歯科口腔外科と、脳神経外科を受診。

結果。

折れた前歯1本は、もうくっつけられないので、病院が処分。せっかく持ってきたのに(悲)。
追って、義歯を入れることになる。当面は、歯っ欠けのまんまになる。

脳の方は、CT写真を見ながらの医師の説明。「まったく問題ありません」。

ということで、歯が1本なくなっただけで済んだ。

他には、と言われれば、転んだ時に打ったのだろうが、右の膝とか左の胸に痛みはある。しかし、さわるとちょっと痛いという程度のもので、どうということはない。
左の目の上に、ちょっとした傷、それから、下唇にも傷ができたが、人前に出られないご面相ではない。

時間が経つにつれて、「この程度で済んで、不幸中の幸いだった」という思いが強くなった。

落ち方が悪ければ、どこか骨折とかしていたかもしれないし、頭の打ち方が悪ければ、命に関わる話になっていたかもしれない。

それを思うと、歯が1本なくなっただけ、しかも、落ちて歯が折れたその時から、不思議なことに、特段の苦痛を感じる時間がまったくなかった、という今回の経過は、不幸中の幸い以上に、どこか奇跡みたいにも感じる。

階段を踏みはずした瞬間のことは、はっきりおぼえていないのだが、踏みはずしてから顔で止まるまでのことはおぼえている。
昨24日あたりまでは、ふとした時に、その際、自分で見た光景、一段下、一段下の階段が近づいてくる様子が、フラッシュバックした。
そのたびに、「この程度で済んでよかった」と思う裏返しとして、「ああいう事故だったら、もっと深刻なことになってもおかしくなかった」という思いが募り、ぞっとした。

今日25日(火)になって、精神的に落ち着いたのがわかった。忘れられる部分は忘れることができてきたのだ。

一応、大事をとって昨日の内に上司に休暇を願い出ていたので、1日、休養しながら、心身を落ち着けることができた。

事故から2日。妻との間でも、ほぼ笑い話にできるようになったので、この記事も書けている。

まあ、しかし、そうは言っても、今回の件は大反省だ。階段を踏みはずしたのは、基本的に自分の不注意だからだ。別に、悪意を持った誰かに突き落とされた訳ではない。

せっかくの演奏会本番の日、せいいっぱい演奏できて、よかったよかったという時に、こんなことになり、あの若者たち、駅員さん、救急隊の人たち、病院の人たち、そして妻に迷惑をかけたのだから。

不幸中の幸いとは言うが、その不幸自体がなければ、それに越したことがないのはもちろんだ。

まあ、せいぜい、以前に何度かやった、寝てしまって電車を乗り越す程度の、本当に笑い話で終わる事件で終わりたいものだ。

それから、物的被害。
楽器は幸い無事。背中にしょってたので、頭から落ちたのが、楽器にとっては幸いだった(笑)。弦も切れていなかったし、さっき弾いてみたが、ちゃんと鳴ってくれた。
トートバッグに入れて持っていたチューナーが、バッグから飛び出して壊れたようだ。別の荷物から出てきた。作動しない。
(追記:チューナーは、後日電池を新しいものに交換したら動いた。ちゃんと使える)
ジャケットの左襟につけていた「Qさま!!」のピンバッジが、ちぎれてどこかに飛んだらしい。ピンが刺さる側の金具はジャケットについて残っていた。
携帯電話やザウルス(電子手帳)、デジカメは、胸ポケットに入れていたので、身体の下側になって落ちたはずだが、幸いにもすべて無事。これは奇跡だね・・・。
物的被害の面でも、よくぞまあこの程度で済んだ、と言わざるを得ない。
ジャケットには血がついてしまったので、暇を出した。

それから・・・。
演奏会を聴きにきて下さった方からいただいた、花とかお菓子がつぶれたり、崩れたり。
本当にすみません、せっかくいただいたのに。
でも、同じくいただきもののワイン2本は、割れることなく無事だった。

ご迷惑をおかけした皆さま、すみませんでした。
今後は、階段の上り下りには充分気をつけます。

足元注意、ヨシ!

(追記)
1本だけとは言え、前歯がないと、ものを食べる時、やっぱり不自由ですね。
かぶりついて、前歯で噛み切るということがしにくいので、ハンバーガーとかはたぶん困難。
ごはんものにしても、箸やスプーンで口に入れてしまえば大丈夫だけど、寿司とかおにぎりはたぶん困難。
麺類も、これは試してみたけど、やっぱりすすりにくい。
食べる時に、やっぱり神経を使うので、気疲れする。空腹にはなるし、食欲も旺盛なのだが、途中で、もういいや、という感じにもなる。
ひょっとしたら、これって、ダイエット効果があるかも?(笑)