5月の本場所に代わる、「技量審査場所」の開催が発表された。
・本場所としては開催しない。
・番付編成のための「技量審査場所」として行う。
・番付の再編成はせず、2月に発表された順席に基づいて取組編成を行う。
・一般に無料公開する。
・本場所と同様、15日間行い、記録は本場所と同じく正式なものとして扱う。
・協会表彰(幕内優勝を始めとする各段優勝、三賞)は行う。
・天皇賜杯を始めとする外部表彰、懸賞は辞退する。
日本経済新聞の記事では、こういう書き方をしている。見出しは、「「やせ我慢」実るか」。
協会は、八百長問題関与認定者の処分で一定の区切りがついたと判断
したが、調査が継続していることや再発防止策が整っていないため、
有料での興行を断念した。
興行という実入りの道を自ら塞いだ。
再発防止策としての新生委員会の答申は7日に提出される予定で、問
題収束の出口は見えていたが、文部科学省に気兼ねをしたか、幕内・
十両15人が消えた取組は、有料の興行に値しないと判断したか、潔い
とも頑迷ともとれる「やせ我慢」。
一方、スポニチの見出しは、「“本場所”で「夏」強行」。
表向きには本場所開催を見送った形となった。
無料開放とする時点で本場所と定義できないことから、興行色を撤廃
し懸賞や賜杯も辞退することを決めた。
だが、15日間の技量審査の結果は公式記録と認定するという。その実
態は“本場所”以外のなにものでもない。
八百長の調査も継続中で再発防止策も打ち出せない状況ながら、「技量
審査」の名を借りて、見切り発車的に“本場所”の開催を強行。
再び相撲協会が暴走し始めた。
同じ発表をもとに書かれた記事ながら、ずいぶん論調、評価が違うものだなあ、と思う。
個人的には、目的を失いつつ、稽古を積んできた力士たちの心情にも言及している、日経の方に好感を持った。
スポニチは、八百長問題に限らず、過去の一連の不祥事において、協会に対して非常に厳しい姿勢で一貫しているが、相撲の報道でも飯を食っているスポーツ新聞なんだから、そこまで言わなくても、とちょっと思ったりしている。