naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

【ネタバレご注意】 2011.9.28 小田和正東京ドーム公演<3>~感想あれこれ

前回のツアーでは、ドーム公演は、追加公演の形だったこともあってか、それまでとは別メニューだった。
今次ツアーは、当初からドームも組み込まれていたためだろう、同じメニュー。

個人的には、3回目になるので、流れはわかった上で、落ち着いて聴けた。

全体に、今回の東京ドームは、短く感じた(現実の公演時間は、札幌より5分短いだけだが)。

最近、小田さんは、「君」という歌詞を歌う時に、客席を指さすようになった。
ラブ・ストーリーは突然に」を始め、いくつもの曲でやってたけど、それを見ると、私の場合は、ザ・タイガースの「君だけに愛を」でのジュリーを思い出してしまう。

タイガースとオフコースは、まったくイメージの違うグループだったが、今、小田さんが客席を指さしてるのを見ると、何だか可笑しくなったりする。

mixiのネタバレコミュで、札幌ドームの時に、小田さんが、次に歌う曲を紹介する時に、「若葉のひと」と言ったのが、「バカボンのひと」に聞こえた、という書き込みがあって、「自分にもそう聞こえた」とのレスが相次いだ。
私はその時は気がつかなかったのだが。

今回、東京ドームでは。
ちゃんと「若葉のひと」って聞こえてましたが。

その「若葉のひと」の後の、小田・稲葉コーナー。

やっぱり、稲葉さんのギターはいいよねえ・・・。
「秋の気配」なんか、最高でしたね。

別の角度から言うと、小田さんも相当ギター、うまいってことなんだよね。
小田さんのギターがベース(基盤)になって、それに稲葉さんのギターが加わって、掛け算的にすばらしく聞こえるってのは、小田さんのギター、すばらしいんだな、と思った。

このことは、もちろん、アンコールラストの「君のこと」(ギター1本の弾き語り)でも。

こんな言い方は、小田さんにもちろん失礼なのだが、個人的には、「小田さん=キーボードの人」なので。

オフコースの頃はもちろん、ソロ活動を始めた後も、ライブでの小田さんは、ステージ上のキーボードが基本のポジションだった。
だから、いつのツアーからだったか、小田さんが、ギターを持ってステージ中央のマイクの前で歌うようになった時、結構驚きがあったものだ。

メドレーで歌われた、古い曲の中では、まだ売れなかった頃の5人のオフコースのナンバー、「めぐる季節」と「水曜日の午後」が歌われるのを聴いて、この頃の曲もいいなあ、と改めて思った。

金原(千恵子)さんたちの弦が、とてもよく聞こえてすばらしかった。
前回のツアーでは、ドーム追加公演から加わった弦だが、もはや、小田さんのライブには不可欠の存在だ。

「緑の街」、「さよならは言わない」などは特に聴かせた。
「やさしい雨」では、チェロ以外の3人は、スタンディングでのノリノリ演奏だった。

「キラキラ」では、また自転車、やりましたね。
開演前は、妻と、走れるようなスペースはないんじゃないか、と話していた。
実際、アリーナ席とスタンドの間には、札幌ドームほどの幅がなかった。
曲が始まって、まず、小田さんは、舞台に向かって左前方から、天井から見下ろすと反時計回りに、外野のフェンスに沿う形で、歌いながら歩いてきた。
やっぱり、自転車はなしか、と思っていたのだが、ほぼ1周して3塁側ベンチ前あたりまで行ったところに、実は自転車が置いてあって、そこから、今度は逆回り(時計回り)で、疾走していきました。

ほんとに懲りないおじさんだ・・・。

この自転車のシーンは、やはりアーティストのライブとしては珍しいからか、5大ドーム公演終了を報ずる、スポニチやデイリースポーツには、写真が載ってましたね。

「さよならは言わない」、「東京の空」などで使われたピアノは、珍しくスタインウェイ
基本的にいつもヤマハだと思うのだが、東京ドーム備え付けのピアノなんだろうか、と妻。
自分のピアノを持って歩いている、ということではないのかな。ホロヴィッツミケランジェリじゃないし。

本編最後は、「hello hello」。

この日のステージで、小田さんは、冒頭と、この曲の前の二度、MCで震災にふれた。

4月に発売された「どーも」に収録されている10曲は、どれも、震災前に書かれた作品で、特段、歌詞の変更などはしていないと聞く。

それにしても、この歌の詞は、何と胸にしみてくることだろう。

被災地にだって、小田さんのファンはたくさんいる。この曲を聴いて、「きっといいことが待っている」、「強く生きて、やさしく生きて」と、励まされ、涙している人はたくさんいるんだろうな。いや、小田ファンでない人だって。

泣けた。

本編終了。アンコール。

札幌でびっくりさせられた、サックス隊(小田さん、園山(光博)さん、稲葉さん、栗尾(直樹)さん)の「ムーンライト・セレナーデ」だが、この曲を東京ドームで聴くことには、特別な思いを禁じ得ない。
あの、1989年2月26日。オフコースの解散ライブ、「The Night with Us」の冒頭が、この曲(録音のインスト演奏だったが。本家グレンミラーだったか?)。

この曲が終わって、「またたく…」につながったが、普通なら栗尾さんのピアノで始まるイントロの前に、ドラムのビートを中心にしたイントロがつけられた。
その間に、前で演奏していたサックス隊4人がステージに戻る必要があったからだろう。
ビジョンに映った金原さんが、「1、2、1、2、3、4」とキューを出して、栗尾さんのイントロにつなげた。

それにしても、弦の4人、「やさしい雨」のスタンディングと言い、この場面と言い、すっかりバンドの一員という感じだねえ。

「ダイジョウブ」も、やはり東北のことを思わずには聴けない。

「その笑顔はどんな哀しみにも決して負けたりはしないから」。

報じられるところでは、翌日の同じ東京ドームで、小田さんが、来年、東北でライブを行う、と話したそうだ。

ツアータイトル、「どーもどーも」に、途中でつけ加えられた、「その日が来るまで」。

「その日」は、遠くないんだ!