naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所11日目~物言いの際の審判長の説明は何とかならないか

物言いがついた後の、審判長による協議内容の説明。

昔から、「説明」というには、言葉足らずでわかりにくいのが常だったが、特に最近、どうにも許容できないくらいひどくなってきた。

物言い協議の説明は、基本的にこういうパターンが普通だった。

   A 行司軍配は○○にあがった

   B しかし、××ではないかと物言いがついた

   C 協議の結果、こうなった (軍配通り、取り直し、差し違え)

説明自体の巧拙はあっても、このパターン。

つまり、行司軍配→それに対する異論→協議の結論、という3段階の説明だ。

ところが、今の審判長の説明は、Bがない。

昨日も今日も物言い相撲があったが、その説明はどれも、AとCしかない。

貴乃花、中村、三保ケ関、3人ともがそうなのだ。

ひどい時はこうだ。

「行司軍配は、○○にあがりましたが・・・協議の結果、××の足が先に出ており、軍配通り○○の勝ちと決定しました」。

日本語としてそもそもおかしく、これではもはや説明とは言えない。

「あがりました」と言うからには、逆接なのだから、それとは違う話が出てこないといけないのだが、結局軍配通りでは、聞いていてわけがわからんぞ、ということになる。

貴乃花が審判長になって、従来の審判長以上に、説明が極度に簡略になってしまったが、他の二人もその影響を受けてしまったのか?

思うに、これは、いつの頃からか始まった「確認のための物言い」というやつが原因ではないだろうか。

つまり、軍配に異論はないのだが、微妙な相撲だったから、積極的に物言いをつけて、審判員で協議して確認しよう、ということだと思う。

そのこと自体は、審判として正しい姿勢だと思うが、こういうパターンの物言いの場合、上記の、Aに対する反論としてのBという話の流れでないことから、それをどう説明したらいいのか、という迷い等々があって、いつの間にか、Bが省略されるようになったと言えないだろうか。

好意的に解釈すればそういうことなのだが、だから今の説明でもいいなどとは言えない。

審判長には、もう少し意を尽くした説明を望みたい。

協会の親方として、NHKのアナウンサー諸氏とのつきあいはあるはずなのだから、こういう時はどう説明する、というレクチャーを受けたらどうか。

別に、10も20もパターンがあるわけではないのだし。

それができず、今の説明のままだったら、何も審判長が説明しなくても、いきなり行司が軍配をあげ直せばいいことだ。

Aはみんな見てわかっていることだし、協議の結論だけ示せばいいんだったら。そうでしょう?

さて、それはそうと、終盤の取組。

鶴竜が、昨日同様の速い攻めで、琴欧洲を翻弄。横綱にあれだけいい相撲で勝ったのだから、今日もこうでなければならない。
琴欧洲は、すっかりいつもの琴欧洲になってしまった。動き負け。後手。

鶴竜は勝ち越したが、3敗している。若荒雄に負けたのがいかにも痛いなあ・・・。
横綱に勝ち、大関戦もここまで2勝2敗と、先場所の稀勢の里よりも上位に勝っているのだが。

結び前、把瑠都日馬富士は、未経験の単独トップに立った把瑠都が、優勝を意識し過ぎるとどうかと思ったが、結果は一方的な相撲。
普段より回転のいい突っ張りでまっすぐ持っていった。
日馬富士は何もできなかったが、そもそも立ち会いに、突き起こしにいったのが間違いではなかったか。

昨日、鶴竜に完敗した白鵬。現状では、最もとりにくい相手と言える稀勢の里にどういくか。
右を差そうとすれば、稀勢の里には、今場所特に威力を発揮している左おっつけがある。
離れた相撲でも、基本的に五分の攻防になりそうだ。
それなら、相手充分の四つではあるが、左四つねらいで、自分有利に組みに行く方がいいか、と思って観た。

相撲は、予想していたよりはあっさり決まった。
白鵬は右を差そうというよりもかちあげ気味に当たり、稀勢の里が突き放しにきた右をたぐって横を向かせるなり、一気に前へ押して出て決めた。
僅かな攻防の綾が勝敗を分けたと言える一番。

白鵬は、昨日とは全然違った。

全勝 把瑠都
1敗 白鵬
2敗 稀勢の里栃煌山

残り4日あるので、まだ優勝の行方は何とも言えない。
まずは、明日の把瑠都稀勢の里戦が何と言っても大一番。この結果によって、以後の展開は相当違ってくる。

それにしても今場所、大関陣がいつもよりはがんばっているので、優勝争いが面白いし、優勝争いを別にしても、幕内の中位、下位に好調の新鋭が多いこともあって、非常に楽しめる内容だ。