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行きたかったのに~ポリーニ来日公演発売延期

マウリツィオ・ポリーニ来日公演のチケットの発売延期が、昨20日(金)、発表された。

ポリーニが日本のレコードジャーナリズムにおいてメジャーになったのは、あのショパンエチュード集だったと記憶する。
私は高校3年生だった。

以後、次々に発売されるポリーニの新譜は、ほとんどすべて買い揃えてきた。

録音においては、40年近く聴き続けているアーティストだが、実演に接したことは一度もない。

めったに来日しない、幻の巨匠ではない。ポリーニは、ほとんど毎年のように来日している。

ただ、たぶんそのため却って、なのだろう、これまでの来日公演のチケットを買わなければ、と真剣になったことがないまま、ここまできてしまった。
(過去の経験だと、カルロス・クライバーバイエルン国立管の来日公演などであれば、この機を逃すと、この次はいつ聴けるか、あるいは二度と聴けないかもしれない、と必死になったのだが)

で、思えばポリーニも今年は70歳。こちらも還暦までいくらもない歳になってしまった。

これはいかん、一度はポリーニの実演を聴いておかねば、と、今年の秋の来日公演に向けて真面目に検討した。

今年の来日公演は、「ポリーニ・パースペクティヴ2012」というタイトルで、ベートーヴェンの21番以降のソナタと、現代音楽の作品を組み合わせた4つのプログラムが発表されていた。

   [10/23  ベートーヴェン――マンゾーニ]
      マンゾーニ:Il Rumore del tempo
            (ヴィオラクラリネット、打楽器、ソプラノ、ピアノのための)
      ベートーヴェン
      ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 op.53 「ワルトシュタイン」      
      ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 op.54
      ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57 「熱情」

   [11/2  ベートーヴェン――シュトックハウゼン]
      ベートーヴェン
      ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78 「テレーゼ」     
      ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 op.79
      ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 op.81a 「告別」
      ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 op.90
      シュトックハウゼンピアノ曲X

   [11/7  ベートーヴェン――ラッヘンマン]
      ラッヘンマン弦楽四重奏曲第3番 「グリド(叫び)」
      ベートーヴェン
      ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 op.101
      ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106 「ハンマークラヴィーア」

   [11/13  ベートーヴェン――シャリーノ]
      シャリーノ:謝肉祭 第10、11、12番 
      ベートーヴェン
      ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
      ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110
      ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111

妻と相談し、21番~23番のソナタの日か、30番~32番のソナタの日のいずれか、あるいは両方行ければ、という計画にしていた。
(正直、現代曲の方は、どれがどんな曲かわからないので、ベートーヴェンで選んだ)

4月1日に、全公演のセット券というのが発売になったが、さすがにこれを買う気はなく、1回券のチケットが発売される明日22日(日)を待っていた。

ところが。

昨21日、主催のKAJIMOTOからのメルマガで、発売延期が通知された。

それによると、「マウリツィオ・ポリーニより健康上の理由で、この秋の来日公演の日程および内容について見直したいという連絡が急遽入り、今年10~11月に予定されております「ポリーニ・パースペクティヴ2012」は、いったん延期」とのこと。

しかし、この日の朝には、明日から発売、という内容のメルマガが配信されていたのだ。
それから僅か11時間半後の延期通知。

よほど急なことだったのだろう。

健康上の理由、とされているのが心配だ。

追って何かの情報は流されるのだろうが、大事でないことを祈りたい。