中日の土俵から2点だけ。
まず、物言いとなった天鎧鵬=嘉風の一戦。
嘉風が寄ってもたれこむところ、天鎧鵬が右から小手投げに振り、微妙な一番。
軍配は嘉風。協議の結果は、「両者落ちるのが同時と見て取り直し」。
この勝負判定には疑問がある。
どっちが先に落ちたか、を論点にしたようだが、NHKの放送の画面を見る限りでは、それ以前に、嘉風の右足が返って、甲が土俵についている。
相撲協会のサイトで、「勝負規定」を見ると、こうある。
「土俵内において足の裏以外の体の一部が、早く砂についた者を負けとする」
この一番に限らず、最近は、物言いの勝負判定において、「足が返った」ことを重視しない傾向があるように思う。
これをめぐるNHKの放送も同様だ。
「○○が落ちる前に、△△の足が返ってますねえ」とは、まず言わない。
非常に疑問だ。
取り直しの相撲は嘉風の勝ち。一旦もらった軍配を確かにした、という形だが、私の見るところでは、最初の一番は、差し違えで天鎧鵬の勝ちが妥当。その相撲が、一面的な物言い協議で取り直しになったことで、嘉風が勝ちをせしめた、という結果だ。
白鵬の今場所の3つの黒星は全部そうだ。
相手にうまくとられた、相手の相撲がよかった、そういうところがない負け方だ。
負けた白鵬の方が悪い、という・・・。
2年前に63連勝に向けて勝ち続けていた同じ力士とは思えない。中日で3敗とは。
先場所まで、歴代1位の、初日から無傷の勝ち越し連続7場所を続けていた白鵬が・・・。
まるで引退間際の横綱のような、今場所の相撲内容。何が起きているのか?