naokichiオムニバス

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5月場所千秋楽~この優勝者を誰か予想したか

5月場所初日、8年ぶりに国技館で相撲観戦。
その時に、2週間後のこの結果を予想することはできなかった。

私だけでなく、相撲ファンでこれを予想した人が果たして誰かいただろうか。

優勝した旭天鵬自身、初日の時点で、今場所、優勝しようとも優勝できるとも思っていなかったはずだ。

西7枚目。序盤戦は2勝3敗。思わしくないすべり出しだった。
(序盤での3敗は、栃ノ心、碧山、北太樹相手。碧山は優勝争いに最後まで残ったからともかくとして、北太樹は今場所5勝10敗だ。その相手に負けたとは)

そこからの10連勝+決定戦の勝利で優勝を手にしたわけだが、本人も、優勝を意識したのは終盤戦に入ってからだろうし、まさかと思っている内に、「とうとうやっちゃった!」という感じではないか。

(思い出すのが昭和43年3月場所の若浪の平幕優勝。大関豊山、関脇麒麟児、平幕若浪の3人が2敗で千秋楽を迎え、最初に登場した若浪は勝ったが、上位の2力士がいずれも敗れたため、決定戦を経ることなく若浪が優勝。豊山麒麟児(後の大麒麟)は初優勝のチャンスを逃し、両者ともその後優勝することがなかった)

入門20年。37歳8ヶ月での優勝は、年6場所制では最高齢。初優勝としては、個人優勝制度制定以後史上最高齢。
モンゴル出身力士のパイオニアとして、後進に道を拓き、地道にやってきたことへの、一つのご褒美と言えるだろう。

モンゴル出身力士として、50回目の節目の優勝。本来はもちろん白鵬がなすべきところを、先駆者の旭天鵬が名を刻んだのは感慨深いものがある。
白鵬が優勝パレードの旗手を買って出たそうだが、白鵬としてもそのような気持ちがあったのではないだろうか。

そして、国籍面で言うなら、平成18年1月場所の栃東以来の日本人力士の優勝となる。
(7年前に帰化、本名太田勝)

さて、1横綱に史上初の6大関。豪華金看板。
それでありながら、史上初となる、平幕力士同士の優勝決定戦にさせてしまったこと。
幕内最高齢の力士に優勝されてしまったこと。

これは、全員が戦犯と言っていい。

中盤思わぬ崩れを見せた白鵬がその筆頭と言えるが、それ以上にやはり稀勢の里だろう。
自らが星2つの差をつけて単独トップのポジションにいながら、そこから4日間で3つ負けたこと、これがすべてだ。
自分が悪いのだ。既に優勝している他の大関に比べて、足りないものがあると認識すべきだ。

稀勢の里への私見を何度も繰り返すのも気がひけるが、左四つの相撲が相変わらず上手くない。今日の把瑠都戦でもそれが出た。
おっつけや突きの相撲の方が強さがあると思うが、今場所、終盤の勝負どころで脇の甘さが出たことを見ると、離れた相撲も未完成だ。

結局、稀勢の里本人が、自己の相撲に対する研究が足りないと言わざるを得ない。これだけ周囲から長いこと有望視されていながら、どうして自分の相撲が確立できないのか。
周囲の期待だけは充分過ぎるほど刷り込まれているのだろうが、それに応える相撲がないまま、毎日顔を真っ赤にして気合いだけほとばしらせていても、本当の意味で強くはなれていない、と言わざるを得ない。

甘いと感じられた大関昇進も、今場所は白星を重ね、いよいよ優勝に手が届くか、という状況になった途端、自滅と言える失速。
やはり、まだ大関としての実力に疑問が残る結果となった。

しかし、優勝のチャンスをむざむざ逃したことは情けないとしても、稀勢の里は11勝をあげたのだから、まだいい。

他の大関琴奨菊10勝、把瑠都9勝、日馬富士琴欧洲鶴竜8勝。
6人中2ケタは2人。半分の3人が8勝止まりという現実。

互いに星をつぶし合い、ちょっと調子のいい下位力士に食われれば、こうなるということだ。

史上初の6大関時代、来場所以降どうなっていくのだろうか。

こうしてふりかえると、これほど「無欲の勝利」という形容がふさわしい優勝はないのではないか、と思う。

稀勢の里は、優勝への意識に負けた。また、栃煌山にしても、十両に上がる以前から将来を嘱望されてきた力士だ。優勝を終盤まで考えなかった点では旭天鵬と同じだろうが、決定戦に臨むにあたっては、旭天鵬よりは、優勝したいという欲が強かったのではないかと推測する。
日本人力士のホープが、自意識に負け、そこを「力士人生のおまけ」くらいに思った旭天鵬がさらって行ったということではなかったか。
当の対戦の合い口も大きかっただろうが(旭天鵬の10勝3敗)。

三賞

殊勲賞 豪栄道
敢闘賞 栃煌山旭天鵬
技能賞 妙義龍

番付予想。

      東      西
横綱  白鵬
大関  稀勢の里  琴奨菊
大関  把瑠都   日馬富士
大関  琴欧洲   鶴竜
関脇  豪栄道   栃煌山
小結  豊ノ島   妙義龍

優勝した旭天鵬を、その功労に報いて西の小結にしたいところだが、やはり番付順で言うと妙義龍か。

幕内と十両の入れ替え

陥落 天鎧鵬、皇風、千代の国、富士東
昇進 舛ノ山、玉飛鳥寶智山、隆の山
朝赤龍が微妙だが、残れそうだ。

十両と幕下の入れ替え

陥落 武州山里山
昇進 貴ノ岩、鬼嵐