naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

飛び込みの女性

今日、会社帰りに日本橋丸善に寄った時のこと。

いつものように、高島屋側から信号を渡って、日本橋さくら通り脇の入口から入ろうとしたら、突然、若い女性が目の前に立ちふさがるようにして現れて、話しかけてきた。

歳の頃、20代半ばくらいか。
スーツを着て、ちゃんとした身なりをしている。

誰?
見覚えない顔。

でも、あたかも私を知っていて、久しぶりに見かけて声をかけてきた、というような雰囲気があった。

こちらが忘れているだけで、以前、会ってるのかな。
だとしたら失礼があってはならない。

何でしょう? と言ったら、その女性曰く、今、飛び込み営業ということで、お会いした方と名刺交換させていただいているんです。

あ、そういうことね。だったら関わる義理はない。

すみません、時間がないので、と言って店に向かおうとしたのだが、その時のその女性の表情が、やや意外なものだった。

不特定の人に声をかけて、こういうアプローチをするのであれば、相手にしてもらえないことの方が多いはずだから、もっとさばさばと、あ、この人もやっぱりだめか、という反応かと思ったのだが、この女性はそうでなかった。

何というのか、何故、あたしが声をかけたのに断られるのよ、みたいな、こわばった表情。目に恨みのようなものさえ感じられた。

ちょっとびくっとしつつ店内に入り、後ろから追いかけてくるのではあるまいか、物も言わずに背中を刺されでもするのではないか、というおびえを感じた。

丸善への目的は、「建築ジャーナル」という雑誌。その存在すら知らなかった雑誌だが、小田(和正)さんのインタビューが載っているとの情報を得たので、買ってみた。

店から出る時、まだそのへんをうろうろしていないか、と注意した。いなかった。

しかし、若手社員に、手当たり次第に飛び込みをさせて、名刺をたくさんもらってこい、という訓練は、以前はよくあったと思うが、今は難しいのではないだろうか。

見ず知らずの人に、個人情報でもある自分の名刺を渡すというのは、少なからず抵抗がある。
オフィスにいて訪問されるならまだしも、路上で通りすがりに声をかけられるというのはね・・・。

思ってみれば、そういうことを説明して、少し丁寧に応対してあげるべきだったかな。
そうすれば、あんな顔をせずに、納得してくれたかもしれない。

いずれにしても、こういう訓練をさせる企業は、個人情報に関して少々認識が甘いかな、と思う。