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テレビ放送開始60年

昨1日(金)は、NHKがテレビ放送を開始して60年の節目の記念日だったそうだ。

60年前と言えば、私が生まれる2年前だが、一般家庭への普及はその後。
1959年の、現天皇陛下皇后陛下のご成婚が火付けだったと聞く。

私の親の世代にとっては、テレビを持つこと、そしてさらにカラーデレビを持つことは、庶民のあこがれだった。

また、その子供の世代である我々にとっては、テレビは革命的な娯楽だった。
それまで、家の外で、チャンバラやメンコなどで遊んでいた行動が、大きく変わったのはおそらく我々の世代からだろう。
それが、後になって家庭用ゲーム機の発展とあいまって、今日の子供たちの生活様式に至る。

とにかく、「テレビ」というのは、大人にとっても子供にとっても、娯楽の王様。不動、鉄板の娯楽だった。

60年経った今のテレビの状況を、想像できた人はいただろうか。

かつて、誰もがあれほどほしがっていた、ハードとしてのテレビ受像器は、今や国内家電メーカーにとっては、最大の赤字部門。

ソフトを提供するテレビ局にしても、インターネットの発達に大きく影響されている。
以前は、その圧倒的な訴求力で、広告収入を集め放題に集め、その資金を惜しげもなく番組制作に投入できていたものが、今では様変わりして、番組予算も削減が大きく進んでいると聞く。

結果として見れば、テレビの弱点は、双方向性のなさだろう。
かつては、テレビ局が与えるコンテンツを、視聴者はありがたく拝見拝聴する、という構図だった。家庭で録画することなど考えられなかった時代には、テレビ番組の時間に合わせて生活する、という状況ですらあった。

しかし、今や、インターネット上で、自分の望むコンテンツはこちらから取りに行けるようになっている。

地上デジタル放送で、双方向性への試みは進められているし、オンデマンド型の番組視聴もできるようになってはいる。
これが、今後どれだけ発展するのか、わからないが、少なくとも今は、テレビ側の防戦行動という印象は否めない。

それにしても、インターネットというものが、社会に与えた影響がいかに大きいかとつくづく思う。

テレビだけではない。レコード産業も、出版産業も、小売業も、従来型のビジネスができなくなっている。

インターネットは、かつてのヨーロッパの産業革命に匹敵するものであり、間違いなく後世の歴史の教科書に記述されるはずだ。

ところで私は、「テレビっ子」と言われた世代でもある。テレビへの思いは強い。これからも、テレビを中心に置いた生活は続けるだろうと思う。

※関連の過去記事
    「昔はなかったもの」~まずはテレビ
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/45632112.html
    「昔はなかったもの」~家庭用ビデオ録画機
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/47725171.html