naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

オケ練日誌~本番前日GP

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日 時 : 2013年6月1日(土) 14:30~19:00
場 所 : 浦安市文化会館大ホール
指 導 : 本番指揮者S先生
内 容 : 合奏
曲 目 : ドン・ジョヴァンニ序曲、パリ、ブルックナー
弦人数 : 9・8・5・4・4(モーツァルト)、14・11・8・7・6(ブルックナー)
弓の毛 : 無事

早いもので、本番前日、GP。

13:00集合、舞台設営。奈落から椅子や譜面台を舞台に上げ、山台を組む。
いよいよ本番、という気分も高まる。

今日は、午前中、家を出る前に少しさらったが、舞台設営後、練習開始まで1時間ほどあるので、ホワイエの2階の一角で、さらに個人練習。

14:30、GP開始。

まず、モーツァルトドン・ジョヴァンニ」序曲から。後で通しがあるので、部分的な練習。

そして、モーツァルト「パリ」。こちらも、全楽章やったが、通しではなく、部分的な練習。

休憩の後、モーツァルトの2曲を通し演奏。
通らなかったのが、「パリ」の3楽章。冒頭で、ファーストとセカンドがずれて止まる事故。本番はどうなるかな? スリリングだ。
ヴィオラとしては、何が起ころうと、セカンドに合わせることを申し合わせた。

再度休憩の後、今度はブルックナー4番の通し演奏。
こちらは通った。

休憩をはさんで、1楽章から順番に、通し練習の際にS先生がスコアのページの端を折ってあった箇所を返し練習。

GPは、予定より30分早く、順調に終了。

S先生からのお話で、明日午前のリハーサルは、予定より30分遅く始めることになった。
明日のリハーサルは、もう通し演奏はせず、ポイントのみ練習するとのこと。

昨年12月の練習開始から、初めてのブルックナーにあれこれ悩んだ日々。しかし、早いものだ。もう本番。
ともかく、明日は精一杯やるぞー。

緊急事態・・・

3日前、出張先の岡山から帰る新幹線の車中で、ヴィオラトップのSさんからメールがあり、急な事情で本番に乗れなくなったとのこと。驚いた。
トップに限らず、本番直前に誰かが降り番になる、というのは、ヴィオラだけでなく、オケ全体としても異例のことだ。

半年間、パートをひっぱってきてくれたSさん。ここまできての離脱は、ご本人としても残念であり、悔しい思いだろう。

空席になったトップには、繰り上がりでトップサイドの私が座ることになった。

本番4日前。まったくえらいことになったものだ。
これまでの練習期間中も、Sさんの欠席での代奏は2回しかないのだ。
先発投手が、初回早々、僅か5球を投げたところで危険球退場してしまい、肩も作っていないのにリリーフ登板することになったピッチャーって、こんな気持ちなんだろうか、などと思った。

私は、これまでの半年、Sさんに頼りきりで弾いてきた。しかも、何度も書いてきたことだが、ブルックナーを弾くことへの葛藤や苦痛もあり、曲自体に真剣に向き合ってきたとは言い難い。
こうなってみて、これまでの取り組みというか、演奏への心構えがまったく不充分だったことを改めて痛感する。

しかし、やるしかない。

決まって後、通勤時のウォークマンでは、ブルックナーの4番以外の曲は聴かないことを決めて、イメトレ。
楽譜も、これまでの練習では当然Sさんのものを使っていたが、急遽自分のものを使うことになったので、昨晩、以前もらっていたSさんの楽譜のpdfから、ガイドなどの書き込みを写したりして準備。

あわただしい中でのGPだった。

最初の「ドン・ジョヴァンニ」では、曲の開始早々、ボウイングを思いっきり間違え、脇から後ろから、束になってのツッコミを受け(笑)、前途多難。

弾いていると、常にSさんのことが頭に浮かぶ。
ここにいられない彼女の無念を思い、また、彼女ならどう弾くだろう、どう統率するだろう、と。

そんな状況の中、あっという間にGPは終わった。

正直、しょせん無理な話なのだ、と半分思いつつ、本来Sさんが果たしてくれたであろうトップとしての役目を、少しでもカバーしたいという気持ちはある。
気持ちだけだが。

GPの間、S先生が、しばしば演奏を止めて、「ヴィオラの皆さん、ここは・・・」と注意される場面が多かった。
これ、私の弾き方に対して言ってるんだよな、とその都度思った。
S先生も事情はご承知。その中で、最低限のことは、にわかトップに言っておきたい、と。

もともと無理な話、とは思いつつも、指揮者を始め、コンミス、他パートのトップなど、事情をわかっている人が、温かいサインを発して下さるのがよくわかった。
本当にありがたいことだ。少しでも応えていかねば、と思う。

何より、この場にいて役目を完遂したかったはずのSさんのために。

入団19年目。誠に異例の本番になる。どうなるかわからないが、やるだけのことはやる。
それしかないのだ。

※練習往復に聴いた音楽
    ブルックナー 交響曲第4番
       ヴァント=北ドイツ放送響(2001年録音)
       ベームウィーン・フィル
       カラヤンベルリン・フィル(1970年録音)