naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

念願のブルックナー5番実演~N響定期公演

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

昨12日(土)は、N響の定期公演を聴きにNHKホールへ。

2、3日前から、左足の指が腫れていたのだが、それがひどくなってしまって、靴を履くと歩く時に痛い。ということで、サンダル履き(笑)。

サンダルで渋谷を歩くって、何か心細い感じ。

それはそうと、この定期公演に出かけた理由は、前々から一度実演で聴きたいと思っていた、ブルックナーの5番だからだった。

ブルックナーのシンフォニーで、日頃しばしば聴くのは、7番、8番、9番が多い。
昨年、自分でも弾いたことから、4番との距離もそれまでに比べて一気に縮まった。

ただ、この5番という曲、傑作とは言われているが、私には、どこか理屈が勝った音楽、7番以降の3曲に比べると筋張ったイメージがあり、どうもつかみきれず、なじみきれないものがあった。

ただ、実演で聴いたらまた印象が変わるかもしれない、という思いもあり、とにかく一度生の演奏を、と思っていて、やっとその機会が訪れたのだった。

●第1778回NHK交響楽団定期公演 Aプログラム

日 時 2014年4月12日(土) 17:00開場 18:00開演
会 場 NHKホール
指 揮 マレク・ヤノフスキ
管弦楽 NHK交響楽団
曲 目 ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調(ノヴァーク版)

ホール右手の入口から入って、当日券を買い求める。
2階C7列28番。

オケの弦トレーナー、Y先生の姿が見える。

1曲プロだからか、チューニングは開演時刻より遅く、18:06。
始まっちゃったら、遅れてきたお客さんは入れないものね。

初めて実演で聴く5番。

この曲に限らないが、音源で聴くのに比べて、演奏会の客席だと音楽への集中度合いが違うから、じっくりと音楽に接することができた。

改めて、「こういう音楽だったんだ」という発見が多々。

1楽章。

速い楽章なんだか、ゆっくりした楽章なんだかわからない音楽。

「脈絡のなさ」は、ブルックナーの特徴だが、特にこの楽章はそれを感じる。

2楽章。

じっくり聴いて、何となくこの楽章がわかってきたような気がした。

3楽章。

この楽章も脈絡がないなあ。特に転調。突然の転調は、例えば、会話している相手が、表情一つ変えずに、唐突に違う話題に転ずるような当惑を感じる。

脈絡がないと言えば、マーラーも相当なものだと思うが、それでも、まだつなぎの転換には気を遣っているような気がする。ブルックナーは、突然変わる。

このスケルツォ、リズムが難しそうだ。

4楽章。

やはり、このシンフォニーの一番の核心と感じた。

ブルックナーがすごく力を入れて作った音楽、という感じがある。

「力作」という言葉がぴったりだ。

ただ、やはりこの楽章、かねてのイメージ通り、私には筋張った音楽に聞こえた。実演で聴いていて、それがいけない、とは思わなかったが。

最後の金管のコラールは、実演に期待していた一番のポイントだったが、やはりすばらしかった。実演でこそ、と思った。

全体に、ティンパニが弱いのが物足りなかった。指揮者の好みなんだろうか。

私は、昨年の今頃、自分のオケで4番を練習していた。

楽器を弾く行為を通じて、ブルックナーの音楽に接した経験があったので、この5番を聴いていて、どの楽章にも、そうそう、こんな感じの響き、こんな感じの音楽が4番にもあった、と思い起こすことが多かった。

初めて5番の実演を聴く上で、昨年の演奏経験が思いの外役に立ったと感じた。

アンコールはなし。

とても満足した、5番の実演だったが、やはり、このシンフォニーに充分なじんだ、音楽がわかったとはまだ言えない。あと2回くらいは実演で聴きたいものだ。

それから、他のブルックナーのシンフォニー、4番、7番、9番あたりも、一度実演に接したいと思う。

会場にテレビカメラが入っていた。いずれ放送があるのだろう。