naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所中日

正面実況の白崎アナは、前から気になっているのだが、「さ、」「さあ、」を連発するのが癖になっている。刈屋アナの「立ち会い!」「立ち会いです!」もそうだが、おそらく本人に自覚はないと思う。
白崎アナの、「さ」「さあ」には、「そんなことはどーでもいいんですが」「それまでしていた話なんか、どうでもよくて、今から自分が言うことの方が大事」というようなニュアンスが感じられる。

NHKの放送、今日の企画として、横綱玉の海をとりあげてくれたのが嬉しかった。
正面解説が北の富士さんだったのもタイムリー。というか、そうでない日にやるべき企画ではないわけで。
映像の中で、玉の海が現役最盛期に急死した場面も当然出てきた。
昔話だが、あの時のことは本当に忘れられない。当時、私は高校1年だったのだが、学校から帰宅したら、妹が「タマノウミが死んだんだよ」と言う。
失礼ながら、NHKの解説者だった、玉ノ海梅吉さんが亡くなったものかと思ったが、そうではなく、亡くなったのは現役の横綱の方だった。
驚きつつ観た、19時のNHKのニュース。病院に駆けつけた関係者の一人、二子山親方(初代横綱若乃花)が、映った。今日、その時と同じ映像を、本当に久しぶりに観た。

旭天鵬は、今場所、もろい負け方が目立つ。今日も東龍の上手投げにあっけなく手をついた。
手をついての負け方に、北の富士さんが懸念を示していた。

全勝の高安千代丸は、立ち会いから、千代丸が突きで攻めたてたが、さすがに好調の高安は、その都度よくこらえた。
攻勢の千代丸が、途中で右四つに組みに行き、正面土俵に寄って出たが、高安が左から逆転の突き落とし。
しのぎ勝ちで、無傷の勝ち越しを決めた。
千代丸は、自分から組みに行った感じだったが、それがどうだったか。突きで攻めきった方がよかったかもしれない。

時天空もねばりがなくなってきた。徳勝龍のとったりに崩れた。

蒼国来は、地力が戻ってきた。立ち会い左四つ、いい位置の右前まわしをとった。
北太樹も左四つで力が出る力士だが、蒼国来が先に前に出て力強く寄り切った。

豊ノ島照ノ富士は、豊ノ島が、うまくもろ差しになったが、照ノ富士が左右から極めて、根こそぎ持って行った。
照ノ富士という力士、体格に恵まれ、力が強いし、腰が重い。ケガがなければ、すぐにも上位に定着できるだろう。

遠藤千代大龍の対戦は、遠藤にまだまだ課題あり、と感じさせられた一番。
ここのところ、立ち会いからの突きが功を奏して、相撲が持ち直してきた遠藤だけに、突き相撲の千代大龍相手に、突いて行くのか、組みに行くのかが注目された。
立ち会い、遠藤は、右前まわしを取りに行った。一旦手がかかったものの、千代大龍に切られた。
遠藤は、そこから、思い直したように突きに転じたが、これはつまり後手からの攻め。
突き得意の千代大龍との突き合いで、主導権を得るまでには至らず、千代大龍得意のはたきを食った。
遠藤としても、相手の突きからのはたきはわかっていたはずだが、それでも食ってしまったのは、先手をとれなかったからだ。
今後のことを考えれば、遠藤は、稽古の中で突きをもっと鍛えるべきだ。千代大龍のように、突きが得意の相手に対しても、最初から突きでの攻防を挑み、五分以上に渡り合えるだけの力量をつけるのがいいと思う。その上で左四つに持ち込むような相撲をめざすべきだろう。
今日の相撲だと、組みに行ってだめだったので、だったら、と突きに転じている。それでは、突き専門の力士相手に主導権は握れない。最初から、どんな相手に対しても、突きで攻めておいてから組む手順を考えた方がいいと思う。

豪風が、立ち会い当たっておいて、次の瞬間左に動いて、豊響をはわせた。
これで6勝2敗。今場所の豪風は、やることがすべて当たっている感じだ。

妙義龍は、魁聖との対戦で、立ち会いから下に入ったが攻め込めず、魁聖に右を差されて、左上手も許してしまった。体格の差からして致し方ないところだが、もろはずから攻められなかったものか。

今日で通算1,400回出場の安美錦の巧さが健在。頭を下げての前さばきは、まったく見事なもので、に得意の右を差させず、最後ははたき落とした。
思い通りの相撲だっただろう。

「一つ上を狙うには今一つ」同士、稀勢の里豪栄道は、一方的な相撲になった。
立ち会い、互いにいい当たりだったが、踏み込み勝ったのは豪栄道。右を差して、左ものぞかせながら、右差し手をつきつけながら、青房下へ出足鋭く出て寄り倒した。
稀勢の里は、まったく策のないまま、何もできずに敗れてしまった。中日で2敗は負け過ぎだし、それ以上に、負けた2番がいずれもあっけない負け方だったのが問題だ。
今日の豪栄道は、すばらしい相撲だった。
毎日こういう相撲がとれればいいのに、と思う。しかし、それができないから、一つ上に上がれない、ということなのだ。
豪栄道は、毎場所、たいてい上位を食って、話題になる相撲はとれている。しかし、そういう部分的な派手さがある反面で、上位に対しても、下位に対しても、ぶれない自分の相撲を貫いて、安定した星を挙げることはできない。これでは、大関昇進への壁を破ることはできない。
このことは、そっくりそのまま、稀勢の里にもあてはまる。

全勝の琴奨菊が、玉鷲を破って、無傷での勝ち越し。カド番を脱出した。
立ち会い、踏み込みは琴奨菊の方がよかったが、玉鷲が反撃。右からの突き放しで西土俵へ押し込んだ。だが、琴奨菊も好調なだけに、ここでまわりこんでこらえ、左を差すと、白房下へ寄り切った。

日馬富士は、栃煌山休場による不戦勝。

非常に楽しみな白鵬大砂嵐の一番は、思いの外長い相撲になった。
立ち会い、大砂嵐はかちあげにいかなかった。白鵬はすぐに右を差して左で上手をさぐり、組み止めた。こうなれば、もう白鵬楽勝だろう、という体勢。
右からゆり戻し気味にすくって転がすとか、左から投げるとか、いかようにもできるだろう、と思ったが、そういう動きをまったく見せず、動かずに構えたのは意外だった。
しかも、大砂嵐にあっさりと上手をとらせた。これも意外なことで、がっぷり四つの形で、動きが止まったままとなった。
白鵬が何故攻めずに止まったのか、わからないが、四つに組んでみて、何か感じるところがあったのだろうか。肌を合わせてみてわかる、相手の力、というのもあったのかもしれない。
白鵬の左上手は一枚だった。それも攻めあぐねた要因なのかもしれない。
それでも、結局先に動いたのは白鵬。相手の上手を切って攻めに出た。ここからの大砂嵐の動きは大したもので、上手がとれない右下手一本の形から、よく動いて盛り返そうとした。
しかし、さすがに白鵬の牙城は崩せず、最後は白鵬が頭を押さえながらの左上手投げで決めた。
白鵬が、必要以上に慎重だったという印象だが、もしかすると、既に鶴竜日馬富士、2人の横綱が苦杯をなめた相手だけに、横綱が総なめにされるわけにはいかない、という意識があったのかもしれない。

結び、鶴竜嘉風は、立ち会い、嘉風が左に動いて、鶴竜がのめって、危ない、と思われたが、鶴竜もこらえ、逆に右からはたき落として決めた。
鶴竜は、相撲が落ち着いてきた。

全勝 白鵬琴奨菊、高安
1敗 鶴竜

白鵬が万全の相撲とは思えない状況ではあるが、大きく星を落とすとも考えられないので、当面の注目点としては、鶴竜がどこまで1差でついていけるかだ。

玉の海関連の過去記事
    白鵬の大台60連勝と玉の海
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/61623269.html