naokichiオムニバス

67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

9月場所13日目

旭天鵬が、藤ノ里以来、73年ぶりの40代幕内勝ち越し。合い口のいい栃乃若が相手だったので、余裕を感じさせる相撲だった。
立派なものだ。仮に8勝7敗であっても、敢闘賞を受賞させるべきだ。

佐田の海鏡桜は、鏡桜が寄って出るところ、佐田の海が小手投げ。青房下でもつれた。
軍配は鏡桜に上がったが、物言い、差し違えとなった。
佐田の海の体も飛んでいたものの、その前に鏡桜の左足が返っていたので決め手になったようだ。
近年、勝負判定において、足が返ったかどうかが重視されない傾向があったが、この判定は望ましいことだ

遠藤が、立ち会いもろ差しを果たして、照ノ富士に完勝。先場所の雪辱を果たした。
ただ、これが、遠藤の目指すべき相撲であるかどうか、私にはまだわからない。
NHK正面解説の玉ノ井親方が、遠藤には立ち会いの破壊力がない、と指摘していたが、確かにそうだ。
今後の遠藤は、立ち会い当たってからの突きに破壊力をつけて、そこから有利に組むことを考えた方がいいのではないか。

白鵬豪栄道にまさかの完敗。今場所の調子からすれば、白鵬有利と見ていたが、対豪栄道戦3連敗となった。
豪栄道の立ち会いは、昨日の逸ノ城戦同様、左前まわしをすばやくとる、迷いのない自分の形だった。
その後、左四つにかわり、これなら白鵬有利と思ったが、白鵬の上手がやや深く、先に攻めた豪栄道の寄りに後退して、そのまま残せなかった。
一瞬、もろ差しを許して一方的な負けになったのかと思ったが、左は差せていた。となると、勝敗の分かれ目は、豪栄道が休まずにすぐ寄ったところにあるということだ。
それにしても、昨日までとは別人のような相撲だった白鵬は、どうしたことか。
稀勢の里がそうだったように、明日、逸ノ城との割りが組まれたことを意識したのか。
今日負けて並ぶようなことになっては、という気持ちが平常心を奪ったか。
あるいは、どこか体調に異変が生じているのか。
いずれにせよ、理解不能な負けだった。

結び、鶴竜逸ノ城は、新入幕力士が横綱に勝てば、1973年9月場所の琴櫻=大錦戦以来、とアナウンスされた。あの一番は、今でもよくおぼえている。
既に2大関が止められなかった逸ノ城に対して、横綱として、どうしても負けられない、という意識は強かったと思う。
鶴竜としては、相手の懐に入って、両前まわしをとって頭をつけて食いつく形がベストと思って見ていた。
時間いっぱいから、逸ノ城が突っかけて不成立。稀勢の里戦同様、逸ノ城が早すぎ、相手が受けられなくても仕方がないタイミングだった。
2回目、逸ノ城が大きく左に変わると、鶴竜はあっけなく前に落ちて、41年ぶりの新入幕力士の金星となった。
しかし、鶴竜はどういう相撲が取りたかったのか。頭から当たりに行ってはいるが、手が出ておらず、組もうとも突こうともしていない。ただ頭から突っ込んで変化を食った形だ。
場所前に、逸ノ城には稽古をつけており、逸ノ城はまったく通じなかったらしい。
横綱の立場上負けられない、という状況に加えて、そのへんの意識も鶴竜にあって、こう取る、というものがかたまっていなかったのかもしれない。
いずれにせよ、稀勢の里戦とまったく同じ形になったのはいただけない。鶴竜も、相手の変化は頭に入れておくべきだった。

1敗 白鵬逸ノ城
3敗 鶴竜安美錦隠岐の海

新入幕力士が、14日目を迎える時点で優勝争いのトップにいる、ということがこれまであったのだろうか。
新入幕力士の優勝は、実現すれば100年ぶりなのだそうだ。
トップに並ぶ両力士が明日対戦するので、この2人に絞られたような印象があるが、実は、3敗力士にもまだ優勝のチャンスはある、というのが面白い。

さて、明日、白鵬逸ノ城戦。いくら何でも、白鵬までもが逸ノ城を止められない、ということはないだろう、と思うのが普通だが、負ければ、優勝争いの単独トップに立たせることになってしまう、という状況では、負けられない度合いは、尋常ではない。
加えて、今日の負け方が負け方だけに、白鵬としても冷静に自分の相撲を取るのは容易ではないかもしれない。
逸ノ城の、上位相手のたびたびの変化も、頭には入れつつも、却って迷う要素になる可能性もある。

とにかく、大変なことになったものだ。