プロレスラーの天龍源一郎が、引退を発表した。
レスラーとしての天龍はほとんど知らないが、力士だった頃の天龍はおぼえている。
天龍は、この一件で、力士生活に嫌気がさして、昭和51年9月場所、幕内で勝ち越しながら、この場所限りで廃業した。
まだ26歳の若さでの廃業だった。最高位は前頭筆頭。まだこの先が期待できるのにもったいない、と思った記憶がある。
天龍が、廃業直後に全日本プロレス入りしたことにも驚いた。
以来、39年。今回の引退表明となった。
前記の通り、40年近くに及ぶ、プロレスラー天龍を、私はほとんどフォローしていない。
スポーツ新聞の記事で、時々目にする程度だった。
熱烈なファンにとっては、今回の引退は、とても悲しいニュースだろう。そういう感慨は、申し訳ないが、私にはない。
ただ、興味深く思うのは、彼の年齢、現役生活期間の長短である。
十両通算11場所、幕内通算16場所。
26歳という、力士としては、通常引退するには早すぎる年齢での引退。体力の限界とは異なる理由での引退だから、力士生命を全うしてということではなかった。角界に残っていれば、どうだったか。
26歳という、力士としては、通常引退するには早すぎる年齢での引退。体力の限界とは異なる理由での引退だから、力士生命を全うしてということではなかった。角界に残っていれば、どうだったか。
一方、同じ26歳で、プロレスラーとしての競技生活を始め、それが何と39年。
プロレスラーの、標準的な引退年齢がいくつくらいなのか、正確には知らないが、65歳の今日まで現役生活を続けてきたことは、力士としての天龍の活躍期の短さと、きわめて対照的である。
スポーツの世界では、それぞれの競技の現役寿命がかなり違う。水泳などは、特に現役寿命が短いと思う。一方、競馬の騎手あたりは、結構な年齢まで現役で活躍できる。
私が天龍に感ずる興味深さは、同じ一人の人間が、同じ格闘技のジャンルにおいて、生涯2つの競技で活躍した、という中での、現役生活の長短にある。