naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

オーケストラデビュー曲~「フィンランディア」

札幌交響楽団のすばらしいシベリウスを聴いたので、昨日から、通勤の音楽はシベリウスが続いている。

管弦楽曲集、ヴァイオリンと管弦楽の作品全集、クレルヴォ。
そして、シンフォニーの1番、2番までで、今日は帰宅した。

引き続き、3番から7番、そして「タピオラ」まで行く予定。

ところで、さっき「フィンランディア」を聴きながら、「そう言えば、これが自分にとってのオケデビュー曲なんだよな」と思い出した。

大学に入学して、管弦楽団に入部し、ヴィオラを始めた。

「オーケストラ」のステージに初めて乗って、最初に演奏したのが、「フィンランディア」だったのだ。

1年生の7月の「サマーコンサート」が、その初舞台。1曲目が「フィンランディア」だった。

しかし、この時は、まだヴィオラではない。打楽器だった。

フィンランディア」には、打楽器がティンパニ以外に3つ使われている。シンバル、トライアングル、大太鼓。
この3つを、1人で演奏した。

序奏が終わってテンポの速い主部に入ると、すぐにシンバルが出る。間を置かずにトライアングル。
中間部のメロディが、2回目に弦で演奏される裏で、大太鼓のロール。
そして、主部が戻ってきて、またシンバル。

この時は知らなかったが、この3つの打楽器は、複数の奏者で分担することが多いようだ。

それを1人で演奏させる(それも打楽器経験があるわけでもない新入生に)って、結構無謀なことじゃなかったのか、と今でも思う。

大体、最初のシンバルからトライアングル、また、大太鼓からシンバルへの持ち替えは、あまり時間がない。

特に、大太鼓のロールを終えてから、シンバルを持って鳴らすまでは確か5小節しかなく、「シンバルを持つ時に、あわてて取り落としたりしたら、この演奏会、めちゃくちゃになるな」と緊張したのを、昨日のことのようにおぼえている。

初めてのオケ演奏だったことと、オケで打楽器を担当したのが、後にも先にもこの時だけだったこともあり、このシンバルの楽譜は、今でも暗譜している。

このサマーコンサートでは、後半に演奏された映画音楽(「ゴッドファーザー愛のテーマ」や「007死ぬのは奴らだ」など)で、シンセサイザーを担当した。

そして、本職(?)のヴィオラでのデビューは、それから4ヶ月後、11月の定期演奏会だった。

この時のプログラムは、モーツァルトの「魔笛」序曲、サン=サーンスの「アルジェリア組曲シベリウスの2番だった。

モーツァルト降り番だったので、生まれて初めてヴィオラで弾いた曲は、「アルジェリア組曲

この曲は、サン=サーンスの作品としては、まったく無名なものに属すると思う。

レコードコレクターとして人後に落ちないと自負する私だが、当時から現在に至るまで、この曲のレコード商品はほとんど知らない。ヨンダーニ・バット=ロンドン響と、ウラディミール・ヴァーレク=プラハ放送響のCDを持っているだけだ。また、スコアも、輸入物も含めて見たことがない。
実演でもめったに演奏されない。プロ、アマ問わず、この曲がプログラムにとりあげられた演奏会を知らない。

そんな珍しい曲で、ヴィオラデビューしたのだ。

ヴィオラ弾きで、最初に本番で弾いた曲が「アルジェリア組曲だった人」。

もしかすると、有史以来、日本中(あるいは世界中)さがしても、私以外にいないかもしれない。いや、マジで。

そんなことで、私にとってのオーケストラでの「デビュー曲」は、
   初舞台1曲目・・・フィンランディア
   ヴィオラデビュー・・・「アルジェリア組曲
   初めて弾いたシンフォニー・・・シベ2
ということになる。

シベリウスが2曲を占める、というのもなかなか、自分にとっては意味あることだと思う。

※関連の過去記事
    音楽「自分史」~ヴィオラ事始め
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/17478028.html