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【ネタバレご注意】伊勢正三 「風」ひとり旅コンサート2015~時は流れて…~渋谷公会堂FINAL

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30日(土)、渋谷公会堂で行われた、伊勢正三のコンサートに行ってきた。
2月に小田(和正)さんの代々木ライブに行った時にもらったチラシで知ったものだ。

伊勢正三 「風」ひとり旅コンサート2015~時は流れて…~渋谷公会堂FINAL

MCの中で、「伊勢正三FINALと勘違いしている人もいるようで・・・(笑)」と言っていたが、今年10月で閉館する渋谷公会堂における、伊勢正三として最後のライブ、という意味だ。

渋谷公会堂と言うと、個人的には、会社に入った頃、「題名のない音楽会」の番組収録の観覧でたびたび来たものだ。

もちろん、アーティストの公演にも何度か来ているが、思ってみれば、ずいぶん久しぶりに来た気がする。

開場16:30。列に並んで、開場を待った。

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私の席は、1階19列30番。
聴衆の年齢層は、やはり高い。40年前に青春時代だった、という感じの人ばかりだ。
ただ、小田さんのライブに比べると、いくぶん若い感じがする。
アーティスト自体の年齢が4つ違うからだろうか。

場内には、インストゥルメンタルで風のナンバーが流れている。
「お前だけが」、「ほおづえをつく女」、「海岸通」、「海風」、「トパーズ色の街」・・・。

17:02一ベル。

17:11開演。緞帳が上がる。

ピアノの演奏で、「終りのない唄」が流れ、舞台上のスクリーンに、風のオリジナルアルバムのジャケット写真や、ステージ写真が映し出される。

そして、演奏開始。

以下、セットリスト。

   地平線の見える街 3 
   でいどりーむ 1
   22才の別れ S
      (MC)
   海岸通 1
   あいつ 1
   星空 1
   時の流れ 2
      (MC)
   三丁目の夕焼け 2
   忘れゆく歴史 2
   アフタヌーン通り25 3
      (MC)  メンバー紹介
   あの唄はもう唄わないのですか 2
   暦の上では 2
   冬京 4
      (MC)
   なごり雪
   北国列車 2
   通り雨 3
   月が射す夜 5
   ほおづえをつく女 3
      (MC)
   君と歩いた青春 3

19:08本編終了。

19:09ファーストアンコール。

      (MC)
   ささやかなこの人生 S
   海風 4
      (MC)
   お前だけが 1

19:33セカンドアンコール。

   そんな暮らしの中で 4

   1:「風 ファーストアルバム」所収
   2:「時は流れて… 風 セカンド・アルバム」所収
   3:「windless blue」所収
   4:「海風」所収
   5:「Moony Night」所収
   S:シングル曲 

19:39終演。

ステージ上の演奏メンバーは4人。
ヴォーカル、アコースティックギター伊勢正三の他、舞台上手側に、ギターの岩井さんという人、中央に、パーカッション、サックス、フルートの春名正治さん、下手側に、キーボードの細井豊さん。

伊勢正三のライブに接するのは初めてだ。かぐや姫、風の時代にも行っていない。

最初のMCで、「今日は、全曲、風でいきます」という趣旨の話があった。

風に関して個人的な思い出を言えば、彼らが「22才の別れ」で世に出たのは、私が大学1年の冬だった。
グレープ同様、風についても、まず、実家の母と妹が気に入って、その話を聞いて、自分も聴くようになったと記憶する。
既にリリースされていた2枚のアルバムを順次買ったのは、大学3年の秋だった。
そして、3枚目のアルバム「windless blue」が、その年の11月に発売され、ここからはリアルタイムで聴いていくことになる。
4枚目のアルバム「海風」は、大学卒業間際、そして、社会人になってから買ったのが、最後のオリジナルアルバム「Moony Night」だった。

ライブには行かなかったが、ライブの模様を収めたラジオ番組をカセットに録音して、繰り返し聴いたものだった。
「最近、25歳になりまして」というMCがあったのをおぼえている。
伊勢正三は、私より4つ上。小田さんは8つ上だ。
ステージ上の伊勢正三は、MCでふれられていたが、63歳。

当初、かぐや姫の流れをくむ叙情派フォークからスタートした風だが、3作目の「windless blue」で、エレクトリックなサウンドに転換する。
この時のインパクトは今でもおぼえている。
最初の2枚のアルバムももちろん傑作ではあるが、個人的には、やはりこの3作目が一番好きかもしれない。

しかし、思ってみれば、あの時代って、男性2人のデュオがたくさんいたよね。風、グレープ、ふきのとう。オフコースもそうだった。

そんな風のアルバムだが、正直、今でも日常的に聴くわけではない。そこが、オフコースやさだ(まさし)さんの当時のアルバムとの違いだ。
ということで、私にとっては、40年近く前の時期にたびたび聴いていた風の音楽を、長い時を経て、今回、初めてライブで聴く形となった。

伊勢正三は、一貫してアコースティックギターで、エレクトリックギターは持たなかった。ギターにケーブルがついているのが、今の時代には珍しいと思った。
途中、「三丁目の夕焼け」から「冬京」までは、椅子に座っての演奏。
それ以外は立っての演奏だったが、とにかくパワフルで、彼のギタープレイは説得力があった。

途中のMCで、「風をライブでやるということで、久保やん(大久保一久)と一緒にやりたかったのだが、彼が病気でかなわなかった」という意味の話があった。
「久保やんの曲も歌ってみます」と歌われたのが、「三丁目の夕焼け」だった。

「暦の上では」では、母が好きな曲だったのを思い出した。
母は、伊勢正三の声がとても魅力的で好きだと、当時言っていた。

MCで、「この渋谷公会堂のステージに何度立ったかわからない。ここで初めて歌った曲が何だったかと考えていたが、やはりかぐや姫だったんだろう」と、全曲風のコンサートの中、唯一かぐや姫のナンバーである「なごり雪」が歌われた。

「月が射す夜」から「ほおづえをつく女」の2曲には、ひきこまれるものがあった。

そして、「お世話になったこの渋谷公会堂のこの空間に、今日は自分の音楽を奉納できた」というMCがあった後、「君と歩いた青春」。この曲を本編最後に持ってきたのは納得。

アンコールから、客席は総立ち。
「ささやかなこの人生」は、当然やらないはずはない、という1曲。そして、「海風」。
この2曲も圧巻だった。
「海風」では、バンドメンバー3人が、順次ソロパフォーマンス。

この盛り上がりをチルアウトして終わるとすると、たぶんあの曲で、と予想した通り、「お前だけが」で、アンコールはしめくくられた。

しかし、拍手はやまず、セカンドアンコールとして、伊勢正三一人がステージに出てきて、ギター1本で「そんな暮らしの中で」を歌った。
この曲は、終演後にロビーに掲出されたセットリストにはなかった。

2時間あまりのコンサート。聴けてよかった。
何となく、ホロヴィッツの初来日のことを思い出した。長年レコードを通じて日本のクラシックファンに親しまれてきたホロヴィッツが、やっと日本で実演を行った、という形が、今回のコンサートの個人的なスタンスに共通するように思われたからだ。

終演から1時間も経たない内に、小笠原震源地震。帰宅にちょっと苦心したのは、余計だった。

※関連の過去記事
    伊勢正三コンサートのチケットを予約
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/64719394.html

※春名正治公式サイト
    http://shouji-haruna.net/

※細井豊公式サイト
    http://www.scr-net.com/yutaka/index.html