naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

番号札

今日30日(水)、午後、木更津から千葉に戻り、千葉駅周辺でいくつか用事をこなした。

妻と待ち合わせて、そごうで買物をすることになっていたが、その前に、床屋に行くことにした。

通常、散髪は、会社帰りに行きつけのところへ行くのだが、この年末は仕事が忙しく、機会を逸した。

しかし、伸び具合からして、年内には散髪を済ませたい。

(ついでに言うと、今日か明日で床屋に行くと、2015年は10回散髪したことになる。これは、手元に記録が残っている2003年以降では、一昨年、昨年の9回を抜く、年間最多記録。記録達成への意欲もあった)

ということで、富士見のPARCOの近くにある、昔から時々行っている床屋へ行ってみた。

外からうかがうと、空いている様子なので、これはいい、とドアを開けたら、中にいた女性の店員が、驚いたような顔でこちらを見た。

「もう終わりなんですよ」。

え?

床屋にとってはかき入れ時のこの年末、まだ15時過ぎだというのに、何で床屋が閉まるかなあ。

まあ、終わりと言うなら仕方がない。

このへんに、他に床屋ってあったっけ、と思いながら、とりあえず千葉駅の方に向かって歩き始めたら、すぐそこに3色のサインポールが見えるじゃないですか。

いやいや、捨てる神あれば拾う神あり、とドアを開けた。

初めて入る店だが、ずいぶん広く、混んでいる。まあいいか、と入ったら、女性の店員が、「この番号札をお持ち下さい」と、プラスチックでできた楕円形の黄色い番号札をくれた。

そういうシステムなんだ、と受け取って、待ち合いスペースのソファに座った。

見るともなく、番号札を眺める。「36」という数字が刻印されている。36番ね。

店内を観察すると、5人の客が髪を切ってもらっている。

待ち合いスペースには、私を含めて5人が待っている。

そう待たなくてもよさそうだな、と思いながら、しばらく携帯電話をいじっていた。

その後も、お客さんが、一人、また一人と入ってきた。一方、散髪されていた方のお客さんも、順次仕上がって帰っていく。回転のいい店なんだ。

で、自分より前にソファに座っていたお客さんが、順次呼ばれて鏡の前に移動していく。

ソファに座るお客さんの内、この人は、自分より前にいた、この人は、自分より後に来た、というのが大体わかるので、そうすると、次に呼ばれるのは俺だな、と見当がつくわけです。

そういうの、ありますよね。ラーメン屋とかでも、カウンターから見ていて、もうすぐ出来るあのラーメンは俺のところに来るやつだな、とか。

ラーメンの話はともかく、ま、次は俺だな、と多少心の準備をしたりしていたわけです。

そしたらですね。

男性の店員がソファの方を向いて、「10番の方」って言うんですよ。

へ? 36番じゃないの?

他に私より早く来てた10番の人がいるのかな。

そう思ったけど、そこに座ってる誰も反応しない。

そうだよね。この人たち、みんな私より後に来たよね。

でも、私も10番じゃないし。

そうしたら、その男性の店員が、私の方を見ながら、何となく「あんただよね」というような表情をしつつ(そう見えた)、「10番の方」ともう一度言った。

いや、こちらを向いて言われても違うし、と思いながら、手元の番号札を確かめつつ「36番ですけど」と言ったら・・・。

ここからが、意外きわまる展開。

「裏、見て下さい。10って書いてあるでしょ?」。

え? と裏返して見たら、そこに「10」の数字が。「36」は刻印だったけど、この「10」は、紙に書いてセロハンテープで貼ったものだった。

これって、「ありえねー話」ですよね。

順番待ちの番号札の表と裏に違う番号が表示されてるなんて、ねえ。

上記の展開って、コントか何かにあってもおかしくないかも。

ただ、悔しいのはね、裏を見ろと言われて、「10」を目にした時、「あ、すみません」って言っちゃったんですよ、私。

こっちが悪いわけじゃないですよね、こんなの。

なのに、「すみません」って言っちゃった。

あー、悔しい。

この床屋には、もう行かないであろう。