24日(土)は、前週に引き続いて1泊で名古屋へ。
2週連続で名古屋に足を運ぶことになったのは、チケットのネット予約に際してのミスがあったからだ。
コンサートホールから吹き抜けを見下ろす。人がたくさん立っているところが、大ホールの入口付近である。
コンサートホールに入る。
我々の席は、3階3列の44番・45番。
3階席まであるし、正面にオルガンが設置されているし、「大ホール」と呼んでいい立派なホールだ。
日 時 2017年6月24日(土) 16:15開場 17:00開演
会 場 愛知県芸術劇場コンサートホール
指 揮 ミヒャエル・ザンデルリンク
管弦楽 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
曲 目 ブラームス 交響曲第4番ホ短調
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
[アンコール] ブラームス ハンガリー舞曲第5番ト短調
会 場 愛知県芸術劇場コンサートホール
指 揮 ミヒャエル・ザンデルリンク
管弦楽 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
曲 目 ブラームス 交響曲第4番ホ短調
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
[アンコール] ブラームス ハンガリー舞曲第5番ト短調
愛知県芸術劇場に行ってみたい、というのが事の発端だったので、この指揮者、このオケ、この曲目が目的ではなかった。
しかし、自分のオケで11月に演奏するブラ4が含まれているのは、ありがたいことだった。
ドレスデン・フィルの今回の来日公演は、この名古屋が初日で、以後所沢、長野、東京、大阪、川崎、浜松で計9公演を行うそうだ。
楽員が袖から入場すると客席から盛んな拍手。
楽員は着席せず、客席方向を向いて立ったまま。これ、浦安オケ方式だ。
コンミスは他の楽員と一緒に入場した。
まず4番。
浦安で先週から練習し始めた曲だ。
2楽章を聴きながら、改めて、よくできた曲だ、と思った。
また、3楽章を聴きながら、これも改めてだが、ここでトライアングルを用いるアイディアってどういうことなんだろう、と思った。ブラームスの4曲のシンフォニーの中で、ティンパニ以外の打楽器が使われるのは、この曲、この楽章だけだ。
4楽章は、演奏する身として、大変な音楽だなと、つくづく思った。
97小節目からのフルートのソロ。私の好みからすると、音色、表情とも濃すぎる気がした。我が浦安のMさんは、おそらくもっとすっきりと涼やかに吹かれるのではないだろうか。
241小節目からのヴィオラの後打ちが、全部ダウンだったのに目を引かれた。同じようにやってみようかな。
全曲を通じて、クレシェンドの前などで、聞き慣れないsubitoピアノが何回かあった。
ただ、各パートが何をやっているか、くっきりと分離して聞こえないうらみがあった。ホールのせいか、3階席のせいか。
いずれにしても、今弾いている曲だけに、これから5ヶ月練習して、こんなレベルにどこまで近づくことができるだろう。そんなことを思いながら聴いた。
余談だが、我々の1つ前の列に、年配の女性と小学生くらいの女の子の2人連れがいた。おばあちゃんが孫を連れてきた、という感じだった。
この女の子が、まったく音楽に興味がなさそうなのだ。指揮者登場で一応拍手はしたものの、演奏が始まると、文庫本を手にとって読み始めた。
1楽章から4楽章まで、ずっとそうしていて、例えば、曲のどこかに気を引かれてステージに目をやる、ということがなかった。
4楽章になって、いくら何でも、大詰めの盛り上がりくらいでは、音楽に気持ちを向けるだろうと思っていたが、それもないまま、曲が終わり、そこで拍手だけはしていた。
ちょっと考えさせられた。
この女の子のふるまいが、後ろから見ていて気が散って迷惑だった、とかいうことではない。
どうしてこの子がここに来ることになったかは定かでないものの、少なくとも、自分がクラシックが好きで、来たがった感じは見られなかった。そうした子供に、ブラームス、ザンデルリンク、ドレスデン・フィルは、自分の方を向かせることができなかった、という点についてである。
そういうこともあるんだな、と。
休憩後、1番。
コンマスが男性に交代した。
この曲では、4番で感じた、響きの不満がなくなっていた。各パートがクリアに聞こえた。
曲の違いがあるのかもしれないが、もしかすると、休憩時に指揮者から何かの指示があった、あるいは楽員側が判断して修正したのだろうか。
1楽章のリピートはなかった。
遅めのテンポで始まった2楽章は、とてもすばらしかった。
3楽章から4楽章はアタッカ。
ザンデルリンクの指揮は、メリハリがきいて効果をねらったところが感じられた。やはり4番とは違う作り方をしたかったということか。
件の女の子は、休憩中はゲーム機に熱中していて、1番が始まったらまた文庫本の世界に戻り、とうとう自分のスタイルを貫いた。
それにしても、やっぱりブラ1っていい曲だな、とつくづく思った。
昔、柴田南雄氏が、デヴィッド・マンロウの一連の録音について書いた論考の結びで、「ブラームスの1番を10回聴くなら、その内の1回、マンロウのレコードを聴いてごらんなさい」といった趣旨の記述をされていた。氏がここでブラ1を引き合いに出された意図は、充分理解できるのだが、まさにその意味で、ブラ1はいい曲だ、と思った。
ブラ1、また弾きたいなー。
今年は、7月にマウントあさま管弦楽団で、ブラームスの2番、3番を演奏する。そして11月に所属オケの浦安で4番。ブラームスの当たり年だ。こうなると、1番もどこかで弾かせてもらう機会がないだろうか、と思ってしまう。
アンコールは、予想していた中の1曲、ハンガリー舞曲の5番だった。超快速で小気味よい演奏だった。
カーテンコールの最後、楽員全員が客席に向かって一礼。これも浦安方式だ。
さて、念願の愛知県芸術劇場、2週かけて、大ホールとコンサートホールの両方を経験することができた。
これを機に、他の地方の名高いホールも、計画的にまわってみたいと思う。
このへんには、近い内に行ってみたいものだ。
さて、ホールから外に出る。19時前終演だから、まだ明るい。
美術館も入った、愛知芸術文化センター、立派な建物だ。
栄のシンボル、名古屋テレビ塔。
終演後は、どこかでひつまぶしを、と決めていた。
栄ガスビルにある「しら河」に、11年前に行ったことがある。
場所も近いので行ってみたが、20組くらいの行列になっていて、断念。
近くの松坂屋に、「あつた蓬莱軒」があるので、そっちに行ったら、もっとものすごい行列。
結局、ひつまぶしは断念して、同じレストランフロアの別の店に入った。
前菜。蛍を模した料理も。
牛肉。
夜景が見える席。妻と演奏会の感想など語り合った。