そう言えば、フレデリカ・フォン・シュターデがオクタヴィアンを歌った音源がなかったっけ、とふと思って、調べてみた。
デ・ワールトがロッテルダム・フィルを振った録音だ。
そうそう、あったな、この盤。
大学オケの友人、Mと2人でシュターデに入れ込み、次々に出るアルバムを大体買って聴いたものだった。
卒業後もシュターデのフォローは続き、レコードをあれこれ買っただけでなく、武蔵野市民文化会館で行われた来日公演を聴きに行ったこともあった。
話は戻って、1976年録音のこの「ばらの騎士」、おそらく在学中のリリースだったと思う。Mとの間でも話題になったはずだが、「ばらの騎士」と言えば、カラヤン=フィルハーモニア管が不朽の名盤として存在したのを始め、ベーム、バーンスタインあたりが有力盤だった。決して安くはないオペラ全曲盤の買物において、いくらシュターデが歌っているとは言っても、当時若手だったデ・ワールトの新譜に手を出すには至らなかった。
以後、いわゆる名盤ガイド的な本においても、この盤は顧みられることがなかったので、その存在を忘れてしまっていた。
HMVのサイトでは、2,400円ほどで買えることがわかったので、新国立劇場から帰ってきて、購入申込をした。安いなー。
それが、今日5日(火)、さっそく届いた。
初出時はフィリップスから出たはずだが、届いた商品のレーベルは、ブリリアント。
伯爵夫人がイヴリン・リアー、オクタヴィアンがフォン・シュターデ、ゾフィーがルース・ウェルティングである。
楽しみに聴きたい。
アルゲリッチが「ブルレスケ」を弾いていることもあって、このディスクのことは、リリース時から知っていたが、買うには至っていなかった。
改めてパッケージを見たら、最後に「ばらの騎士」の3幕、三重唱とフィナーレが演奏されている。しかも、ここでオクタヴィアンを歌っているのが、やはりシュターデではないか。これは、ちょっと気がつかずにいたかもしれない。
全曲盤が届いた同じ日に、このディスクを手にしたことに、並々ならぬ縁を感じて、迷わず買い求めた。
ほんの12分余りの抜粋だが、このトリオも聴くのが楽しみだ。