87歳だったとのこと。
1月号までは新譜月評を執筆されていたので、突然のことに驚いた。
新聞に訃報記事が載ったかもしれないが、気づかなかった。
以後、大学に入ってオペラのレコードを買い始め、オペラに親しむ過程で、髙崎氏の月評は重要な指針だった。
本当にお世話になった。
毎号掲載される、氏の批評文を、繰り返し繰り返し、暗記するほどに読んだものだった。
批評の中身に全幅の信頼を置けるのはもちろんだったが、それに加えて、氏の書く批評は常に美文だった。そこにも惹かれた。
近年は、DVD、BDの台頭で、オペラのCDの新譜は激減してきていた。新譜月評がない号も珍しくない状況だった。髙崎氏としてもさみしかったのではないか。
最新号の同じページには、岩井宏之氏が昨年12月に逝去された旨の記事も載っていた。岩井氏も、器楽曲部門の月評子として、私には大切な人だった。
「レコ芸」誌上で、いまだ健筆をふるっておられるのは、皆川達夫氏だけとなった。
当方も60台前半になる時の流れの中では、やむを得ないことだが・・・。
両氏のご冥福をお祈りする。
(今回の訃報は、編集後記のページに新聞で言うベタ記事のような形で載っていた。追悼特集が組まれた宇野功芳氏は別格としても、これまで知るところでは、中核的な月評子の逝去に際しては、1ページ程度の追悼記事が載るのが常だが、「レコ芸」において「オペラと言えば髙崎保男」という存在だった、氏の逝去にあっては、非常にさみしい思いがする)